Recipe
最高のヒレ酒と残念なヒレ酒の違いは「仕込み」で決まる|嫌な臭いは焼いても消えない、たわし洗いとさらしが命
Ingredients
- フグの身欠き(ヒレ付き)
- フグの白子(白子酒の場合)
- フグの骨(骨酒の場合)
- お酒(日本酒など)
- 氷水
「ヒレ酒・骨酒」とは
フグのヒレを使った冬の味覚「ヒレ酒」と「骨酒」の製法を解説する動画です。美味しいヒレ酒と残念なヒレ酒の違いは、焼く前の仕込みにあります。たわし洗いによる徹底的な粘り気・生臭さの除去、氷水でのアク抜き、そして火入れと香り付けなど、料理人50年の大将による丁寧な技法が紹介されています。
「ヒレ酒・骨酒」を美味しく作るコツ
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下準備
- たわしを使って流水の下でフグのヒレを徹底的にこすり洗いする
- 粘り気と生臭さを完全に除去することが最重要
- 焼いても臭みは消えないため、焼く前の処理が決定的に重要
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下準備
- ヒレを細かく裂いた後、冷たい氷水に半日ほどさらす
- これにより血や雑味を取り除く「アク抜き」を行い、お酒に浸した時に嫌な臭いが溶け出すのを防ぐ
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下準備
- 白子を使う場合は、太い血管に沿って深く切れ目を入れ、血をしごきながら流水で丁寧に洗う
- 表面の膜の中にも臭みが残っているため、中まで洗うことが重要
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火加減
- お酒を沸騰したお湯で限界まで熱々に温める
- 瓶内部に圧力がかかり、体積が膨張して上部までパッツンパッツンになる状態が目安
-
仕上げ
- 熱々のお酒を注いだ後、蓋をして2分ほど蒸らす
- 特に骨酒の場合はじっくり蒸らして骨のコクを引き出す
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仕上げ
- 仕上げに「香り付け」を行う
- 蓋を開けてマッチで火をつけ、トングで挟んだヒレを炎の中で出し入れしてお酒に香りを移す
- 目的はアルコール飛ばしではなく、香ばしい風味をお酒に閉じ込めること
-
安全・マナー
- 圧力がかかったお酒は勢いよく飛び出す恐れがあるため、注ぎ口を絶対にお客様に向けてはいけない
「ヒレ酒・骨酒」の材料
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「ヒレ酒・骨酒」の作り方・手順
ヒレ酒の仕込み
- 1
ヒレの下準備と洗浄
フグの身欠きからヒレを切り落とし、たわしを使って流水の下で徹底的にこすり洗いする。粘り気と生臭い匂いを完全に除去することが最重要。臭いヒレ酒になる原因の多くは、この工程を怠ることにある。
- 2
ヒレを裂いて氷水でアク抜き
余分な肉を取り除いた後、包丁を使ってヒレを細かく裂く。冷たい氷水に入れて半日ほどさらす。この「さらす」工程は血や雑味を取り除くアク抜きの役割を果たす。
- 3
ヒレを干し上げる
半日さらしたヒレをしっかりと干し上げる。この工程により、お酒に浸した時に極上の香りが立ち上る最高のヒレが完成する。
白子酒の仕込み
- 1
白子の血管処理
新鮮な白子に太い血管が通っており、これが生臭さの原因になる。白子に包丁で深く切れ目を入れ、血管の周りの血を優しくしごきながら、流水できれいに洗い流す。
- 2
白子の膜処理と仕上げ
白子の表面を覆う膜の中にも臭みが残っているため、しっかりと切れ目を入れて中まで洗う。この丁寧な下処理により、天ぷら・塩焼き・白子酒にしたときに雑味のない濃厚でクリーミーな味わいが引き出される。
ヒレ酒・骨酒の仕上げ
- 1
お酒を限界まで温める
カップで密閉された小瓶に入ったお酒を、沸騰したお湯で丸ごと温める。お酒を限界まで熱々に温めることで、瓶の内部に強い圧力がかかり、お酒の体積が膨張して上部までパッツンパッツンになる状態にする。
- 2
ヒレ・骨を器に入れてお酒を注ぐ
器にヒレや骨を入れ、熱々のお酒を注いだらすぐに蓋をして2分ほど蒸らす。特に骨酒の場合は、じっくり蒸らすことで骨のコクを引き出す。
- 3
香り付けで仕上げ
器の蓋を開けてマッチやライターで火をつけ、青い炎を立たせる。トングで挟んだヒレを炎の中で出し入れし、お酒に香りを移す。炎の中に具材をくぐらせることで、ヒレを焦がすことなく、香ばしい風味だけをお酒に閉じ込める。
- 4
つぎ酒を楽しむコツ
1杯目を飲み干す前に、蓋(厚みがあり、お皿のような形状)に少しだけお酒を移して残しておく。そこへ新しいお酒を注ぐことで、1杯目の旨味が残った美味しいつぎ酒が味わえる。
料理の科学
フグのヒレや骨を香ばしく焼くことでメイラード反応が起こり、芳醇な香気成分が生成されます。これが日本酒に溶け込むことで風味が劇的に向上します。また、フグに含まれるイノシン酸などのうま味成分が、日本酒のアミノ酸やコハク酸と合わさることでうま味の相乗効果が生まれます。丁寧な仕込みで水分や生臭みを取り除くことが、雑味のないクリアな味わいを引き出す鍵となります。
「ヒレ酒・骨酒」の詳しい解説
※ 動画の内容をトピックごとに整理してまとめています。
大将からの新年のご挨拶とお店の紹介
和食料理人歴50年の大将・和田透さんからの新年のご挨拶から動画が始まります。昨年オープンした東京・中野の「和食 田一」の玄関先には、縁起の良い鶴と亀甲を表現した水引の飾りが施されています。大将は、今年も和食の基本技術や食材の大切さなど、自身が培ってきた技術を分かりやすく伝えていきたいと抱負を語ります。今回のテーマは、冬の味覚であるフグを使った「ヒレ酒」です。美味しいヒレ酒と残念なヒレ酒の決定的な違いは、焼く前の「仕込み」にあると大将は力説します。
最高のヒレ酒は「たわし洗い」の仕込みで決まる
フグの身欠きからヒレを切り落とすところから調理がスタートします。一見するときれいに見えるフグのヒレですが、触ってみると独特の粘り気があり、生臭い匂いが残っています。大将はこの粘り気と生臭さこそが、ヒレ酒が臭くなってしまう最大の原因であると指摘します。仕込みの最も重要なポイントは、たわしを使って流水の下でヒレを徹底的にこすり洗いすることです。臭いヒレ酒を出してしまう店は、この地道な作業を怠っていることが多いそうです。お客様に本当に美味しいヒレ酒を届けたいという大将の強いこだわりが、この丁寧な作業に現れています。
ヒレを裂いて氷水にさらす「アク抜き」の極意
たわしできれいに洗ったヒレは、余分な肉を取り除いた後、包丁を使って細かく裂いていきます。裂いたヒレは、冷たい氷水に入れて半日ほどさらします。この「さらす」工程は、ヒレに残った血や雑味を取り除くアク抜きの役割を果たしています。大将は「焼くから臭みは消える」という妥協を許しません。お酒の中でヒレがふやけた(うるけた)時に、仕込みが不十分だと嫌な臭いがお酒に溶け出してしまいます。半日さらしたヒレをしっかりと干し上げることで、お酒に浸したときに極上の香りが立ち上る最高のヒレが完成します。
臭みを取り除く白子の丁寧な下処理
続いて、贅沢な「白子酒」に使うフグの白子の仕込みについて解説します。新鮮な白子には太い血管が通っており、これが生臭さの原因になります。大将は白子に包丁で深く切れ目を入れ、血管の周りの血を優しくしごきながら、流水できれいに洗い流します。白子の表面を覆う膜の中にも臭みが残っているため、しっかりと切れ目を入れて中まで洗うことが重要です。この丁寧な下処理を行うことで、天ぷらや塩焼き、そして白子酒にしたときに、雑味のない濃厚でクリーミーな味わいを最大限に引き出すことができます。
圧をかけて熱々にするお燗と注ぎ方の注意点
仕込んだヒレや骨を使って、いよいよヒレ酒を仕上げていきます。大将はカップで密閉された小瓶に入ったお酒を、沸騰したお湯で丸ごとお燗にします。お酒を限界まで熱々に温めることで、瓶の内部に強い圧力がかかり、お酒の体積が膨張して上部までパッツンパッツンになります。この状態で栓を抜くと「シュッ」と勢いよく音が鳴ります。大将は、カウンターでお客様にお酒を注ぐ際、圧力がかかってお酒が勢いよく飛び出す恐れがあるため、絶対に注ぎ口をお客様に向けてはいけないというプロならではの危機管理とマナーを教えてくれます。
アルコールを飛ばすのではなく「香り付け」をする仕上げ
器にヒレや骨を入れ、熱々のお酒を注いだらすぐに蓋をして2分ほど蒸らします。特に骨酒の場合は、じっくり蒸らすことで骨のコクを引き出します。そして仕上げに行うのが、大将流の「香り付け」です。器の蓋を開けてマッチやライターで火をつけ、青い炎を立たせます。よく「アルコールを飛ばすため」と言われますが、大将の目的は異なります。トングで挟んだヒレを炎の中で出し入れし、お酒に香りを移すのです。炎の中に具材をくぐらせることで、ヒレを焦がすことなく、香ばしい風味だけをお酒に閉じ込めることができます。
濃厚なヒレ酒の試飲と「つぎ酒」を楽しむワンポイント
完成したヒレ酒と骨酒を試飲したスタッフは、その濃厚で深い味わいに「すごい濃ゆい!」と大絶賛。大将は、これこそが丁寧な仕込みの賜物であると笑顔を見せます。さらに、ヒレ酒を2杯目、3杯目と「つぎ酒」で楽しむための粋なワンポイントを伝授してくれました。ヒレ酒の器の蓋には厚みがあり、お皿のような形状をしています。1杯目を飲み干す前に、この蓋に少しだけお酒を移して残しておき、そこへ新しいお酒を注ぐことで、1杯目の旨味が残った美味しいつぎ酒が味わえるそうです。最後に、白子酒の実演を動画で行わない理由として、裏ごしなどの非常に繊細なプロの技術が必要であり、まずは自分の手でやってみてその奥深さを知ってほしいからだと熱く語りました。
大将に聞いてみた!について
大将に聞いてみた!
登録者 2.1万人 ・ 日本料理・和食
1958年福島県生まれ。中学卒業後に日本料理の世界へ入り、日本三大料亭の一つ『金田中』や懐石料理の名店『胡蝶』などで修行を積んだ。33歳で新宿歌舞伎町に割烹をオープンし、その後も蕎麦割烹・焼肉店・すっぽん料理屋など多業態の店舗を展開。調理師専門学校の特別講師や独立開業コンサルティングにも携わり、ミシュランの星シェフを含む数百人の弟子を育てた。現在はこの道50年の経験をもとに、日本料理の知識・技術・業界事情を発信するYouTubeチャンネル『大将に聞いてみた!』を運営している。
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