Recipe
カツオを生臭くしないために|和食料理人歴50年の大将が「水洗い」を大切にする理由
Ingredients
- カツオ1尾
「カツオの刺身」とは
和食料理人歴50年の大将が、カツオの刺身を生臭くしないための水洗いの重要性を詳しく解説します。シンクの衛生管理、腹の血を綺麗にする方法、打ち身や血合いの丁寧な処理が、美味しいお刺身を作るための必須技術です。高知のカツオ文化への思い入れや、生姜へのこだわりも語られます。この下処理の基本はサバやアジなどすべての青魚に通じる重要な工程です。
「カツオの刺身」を美味しく作るコツ
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下準備
- お刺身になる身の部分に一切水をつけないことが、生臭さを防ぐための最大の秘訣
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下準備
- シンクやまな板の上で行う下処理は常にピカピカに磨き上げ、生臭さが一切残らないよう徹底的に衛生管理する
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下準備
- 腹の中の血を掃除する際は、ササラではなく細めで柔らかいタワシを使用して身崩れを防ぐ
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下準備
- 三枚におろした後は、黒っぽい打ち身(内出血)を包丁で丁寧に削ぎ落とし、生臭みを最小限にする
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食材
- 取り除いた血合いやアラは捨てず、高知産の生姜を使った生姜煮やアラ煮に仕上げて活用する
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薬味
- 生姜をおろす際は繊維に対して90度の角度(縦)でおろすことで、香りと口当たりが格段に良くなる
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薬味
- 市販のチューブ生姜は使わず、本物の生姜を使用
- 事前におろした生姜に煮切り酒を混ぜておくとアクが回らない
「カツオの刺身」の材料
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- カツオ1尾
「カツオの刺身」の作り方・手順
- 1
シンクの準備と衛生管理
シンクとその前の盛り台をピカピカに磨き上げ、ゴミ受けにストッキングネットを張る。これらはまな板の一部と考え、お茶碗を洗うのと同じ感覚で常に清潔に保つ。
- 2
カツオの頭、エラ、ハラワタを取り除く
シンクの中にまな板代わりのシートを敷き、カツオの頭、エラ、ハラワタを取り除く。この下処理をシンクで行うことで、メインのまな板や調理場に生臭い匂いや汚れが移るのを防ぐ。
- 3
腹の中の血を掃除する
カツオの腹の中に水をかけながら、細めで柔らかいタワシを使用して血や汚れを掃除する。ササラは使わず、タワシを選ぶことで柔らかい腹の身を傷つけず身崩れを防ぐ。腹の中が一切血が残らない綺麗な状態になるまで丁寧に行う。
- 4
カツオを三枚におろす
カツオを三枚におろしていく。おろす際は、お刺身になる身の部分に水がついていないことを確認しながら作業を進める。
- 5
打ち身(内出血)を削ぎ落とす
三枚におろした身の中に黒っぽい打ち身(一本釣りの際に甲板に叩きつけられてできた内出血)が見つかる場合は、包丁で丁寧に削ぎ落とす。この部分は生臭みが残りやすいため、丁寧に処理する。
- 6
皮引きを行う
包丁を寝かせ、皮を引っ張りながら一発で綺麗に皮を剥き剥がす。脂がのっている季節には皮を剥かずに炙りにしたり、青臭さが気になる時期には銀皮造りにしたりと、魚の状態に合わせて仕立て方を変える。
- 7
血合いとアラを活用する
取り除いた血合いやアラは捨てず、細かく切る。高知産の美味しい生姜を使って生姜煮やアラ煮に仕上げ、無駄なく活用する。
- 8
生姜をおろして薬味を準備する
本物の生姜を使用し、繊維に対して90度の角度(縦方向)でおろす。この方法により香りと口当たりが格段に良くなる。市販のチューブ生姜は絶対に使わない。事前におろした生姜に煮切り酒を少し混ぜておけば、アクが回らずに美味しさをキープできる。
- 9
カツオの刺身を盛り付ける
下処理が完了したカツオの刺身に、生姜などの薬味を添えて盛り付ける。生臭さが一切ない、美味しいカツオの刺身が完成する。
料理の科学
カツオに豊富に含まれるうま味成分のイノシン酸を雑味なく味わうためには、生臭さの原因となるトリメチルアミンや血汚れを「水洗い」で洗い流すことが重要です。水溶性の臭み成分や表面の雑菌を洗い流し、酵素分解や酸化が起きやすい血合いを丁寧に取り除くことで、劣化を防ぎます。これにより、カツオ本来の豊かなうま味が引き立ち、美味しく仕上がります。
「カツオの刺身」の詳しい解説
※ 動画の内容をトピックごとに整理してまとめています。
**水洗い**の真意とお刺身に水をつけないこだわり
和食料理人歴50年の大将が、カツオの調理において最も大切にしているのが水洗いです。大将はカツオだけでなく、サバやアジを扱う際にも、一度まな板の上に置いた後は、お客様の口に入るお刺身の部分に一切水をつけないようにしています。動画の中で、カツオの切り口に水がついているのを指摘されると、大将は「ここは硬い鎧(皮)のような部分で、後から切り落とすところだから大丈夫」と説明します。お刺身になる身の部分に水が触れるのを徹底的に避けるための水洗いであり、これが生臭さを防ぐための最大の秘訣なのです。長年の経験から培われたこのこだわりが、美味しいお刺身を提供する第一歩となっています。
清潔な**シンク**で行う下処理と大将の衛生管理
大将は、カツオの頭やエラ、ハラワタを取り除く作業を、まな板の上ではなくシンク(流し)の中で行います。シンクの中にまな板代わりのシートを敷き、そこで下処理を完結させることで、メインのまな板や調理場に生臭い匂いや汚れが移るのを防いでいます。視聴者から「シンクの中は汚いのではないか」という意見が寄せられたことに対し、大将は「自分にとってシンクやその前の盛り台はまな板の一部」と語り、常にピカピカに磨き上げ、生臭さが一切残らないよう徹底的に掃除していることを明かします。ゴミ受けにもストッキングネットを常に張り、お茶碗を洗うのと同じ感覚で清潔に保つという、プロとしての高い衛生観念が示されています。
腹の中の血を綺麗にするコツと**タワシ**の使い分け
水洗いしたカツオの腹の中を見せると、血が一切残っておらず非常に綺麗な状態です。お腹の中に血が残ったまま下ろしてしまうと、身の表面に血がついてしまい、それが生臭さの原因になります。大将は、腹の中の血合いや汚れを掃除する際、和食でよく使われるササラではなく、細めで柔らかいタワシを使用します。ササラを使うと、カツオの柔らかい腹の身を傷つけてしまい、身崩れを起こしてしまうからです。魚の身を優しくいたわりながら、不要な血や汚れだけを完璧に取り除くために、道具の硬さや性質まで細かく使い分ける点に、50年のキャリアを持つ職人の繊細な技術とこだわりが光っています。
三枚おろしと**打ち身**・**血合い**の丁寧な処理
カツオを三枚におろしていくと、身の中に黒っぽい打ち身(内出血)が見つかります。これは一本釣りなどの際に、カツオが甲板に叩きつけられてできるもので、外見からは分かりませんが、この部分は生臭みが残りやすいため、大将は包丁で丁寧に削ぎ落します。また、取り除いた血合いやアラは決して捨てません。大将はこれらを細かく切り、高知産の美味しい生姜を使って生姜煮やアラ煮に仕上げます。食材を無駄にせず、それぞれの部位に合った最適な調理法で美味しく食べてもらうことも、和食料理人としての重要な役割であると大将は語ります。
職人技が光る**皮引き**と高知の**カツオ**食文化
大将がカツオの皮引きを実演します。包丁を寝かせ、皮を引っ張りながら一発でスパーッと綺麗に引き剥がす様子は、まさに長年培われた職人技です。大将は、脂がのっている季節には皮を剥かずに炙りにしたり、青臭さが気になる時期には銀皮造りにしたりと、魚の状態に合わせて仕立て方を変えます。また、大将が高知を訪れた際に、現地で食べたカツオの塩たたきや、生姜を効かせたカブト煮、中落ちの煮物に深く感動したエピソードを語ります。現地の豊かな食文化に触れ、カツオという食材の持つポテンシャルを最大限に引き出す料理のあり方に、強い感銘を受けたそうです。
**生姜**へのこだわりとチューブを使わない理由
カツオの薬味として欠かせないのが生姜です。高知県は全国の生姜生産量の約4割を占めており、カツオ文化と深く結びついています。大将は生姜をおろす際、繊維に対して90度の角度(縦)でおろすことで、香りと口当たりが格段に良くなるとアドバイスします。また、大将は市販のチューブ生姜を絶対に使いません。本物の生姜を食べて育った大将にとって、チューブのものは薬臭く感じられ、せっかくの美味しいカツオの味を台無しにしてしまうからです。忙しい時でも、事前におろした生姜に煮切り酒を少し混ぜておけば、アクが回らずに美味しさをキープできるという、プロならではの仕込みの知恵も紹介されています。
すべての魚に通ずる**水洗い**の基本と料理人の使命
大将は、今回紹介した水洗いの基本はカツオだけでなく、サバ、イワシ、アジなどのすべての青魚、さらにはカニや貝、ウニ、イクラにまで共通する極めて重要な工程であると強調します。水分や血が残っていると食材が酸化し、生臭さが発生してしまいます。世の中には「生臭さ」が原因で刺身や魚が嫌いになってしまう人が非常に多く、それは料理人の水洗いが不十分であることに起因していると大将は指摘します。天然の魚が少なくなっていく現代だからこそ、基本に立ち返り、丁寧な下処理を施して最高の状態で提供することが、魚嫌いをなくし、お客様に喜んでもらうための料理人の使命であると熱く語り、動画を締めくくりました。
大将に聞いてみた!について
大将に聞いてみた!
登録者 2.1万人 ・ 日本料理・和食
1958年福島県生まれ。中学卒業後に日本料理の世界へ入り、日本三大料亭の一つ『金田中』や懐石料理の名店『胡蝶』などで修行を積んだ。33歳で新宿歌舞伎町に割烹をオープンし、その後も蕎麦割烹・焼肉店・すっぽん料理屋など多業態の店舗を展開。調理師専門学校の特別講師や独立開業コンサルティングにも携わり、ミシュランの星シェフを含む数百人の弟子を育てた。現在はこの道50年の経験をもとに、日本料理の知識・技術・業界事情を発信するYouTubeチャンネル『大将に聞いてみた!』を運営している。
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