Recipe
炊き込みご飯は「一緒に炊けばいい」ではありません|鮎ご飯で分かる大将の炊き方|ワンポイントテクニック Part.6
Ingredients
- 鮎(こんがり焼いたもの)複数尾
- 根昆布適量
- 利尻昆布適量
- 洗い米適量
- 紫米適量
- 水適量(米の量に応じて)
「鮎の炊き込みご飯」とは
鮎をこんがり焼いた後、エラを取って干すことで出汁をしっかり引き出します。冷めた鮎の骨を丁寧に抜く処理により、食べやすく仕上がります。昆布と鮎の頭・尻尾で出汁を取り、米に1時間吸わせた後、蒸らし段階で骨を抜いた鮎を投入することで、形を崩さずふっくらと炊き上げられます。出汁取りに使った尻尾と頭は唐揚げに再利用し、食材を無駄なく活用します。
「鮎の炊き込みご飯」を美味しく作るコツ
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下準備
- 鮎を焼く前にエラを取り干すことで、カリンと仕上がり出汁がよく出ます
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下準備
- 鮎の骨は粗熱が取れて生温かいうちに抜き、出た身は中に戻すことで口に残る骨がなくなります
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出汁の取り方
- 根昆布と利尻昆布に骨を抜いた鮎の尻尾と頭を加えてフツフツと10分煮出し、その後胴体を2~3分煮て味を含ませる『鍋止め』技法を使用します
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火加減・タイミング
- 洗い米に出汁を1時間吸わせた後、蒸らし段階になってから鮎の胴体を投入することで身が崩れず形よく仕上がります
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盛り付け
- 一部の鮎はご飯に混ぜ込み、残りは丸ごとご飯の上に乗せて、食べる楽しさを演出します
「鮎の炊き込みご飯」の材料
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「鮎の炊き込みご飯」の作り方・手順
- 1
鮎の下準備:エラ取りと干し
焼く前の鮎からエラを取り、干しておきます。このひと手間でカリンと仕上がり、出汁がよく出るようになります。
- 2
鮎の骨抜き
こんがり焼いた鮎の粗熱が取れて生温かいうちに、丁寧に骨を抜きます。外皮が煙突のように丸まっているため、形が多少崩れても構いません。出た身は中に戻し、冷蔵庫に入れる前に処理を完了させます。
- 3
出汁の引き出し:頭と尻尾の煮出し
鍋に根昆布と利尻昆布をたっぷり入れ、骨を抜いた鮎の尻尾と頭を加えます。フツフツと約10分間、出汁を引き出します。
- 4
鍋止め:胴体への味含め
出汁を引いた後、骨を抜いた鮎の胴体を加えて、フツフツと2~3分間煮ます。その後火を止め、昆布や頭、尻尾が入ったまま冷めるまで放置します。この『鍋止め』により、食材は冷める過程で最も味が染み込みます。冷めたら、ペーパーで出汁をきれいに濾します。
- 5
米への出汁吸わせ
洗い米を鮎の香りを程よく吸った出汁に入れ、約1時間漬けておきます。米にしっかりと出汁を吸わせることが重要なポイントです。
- 6
炊飯開始
出汁を吸わせた米を炊飯器に入れて炊き始めます。この段階では鮎の胴体は一緒に炊きません。
- 7
蒸らし段階での鮎投入
炊飯器が蒸らし段階に入ったら、一度さっと煮ておいた鮎の胴体を釜の中に入れ、そのまま蒸らします。最初から一緒に炊くと身が崩れてしまうため、このタイミングの投入がプロのテクニックです。
- 8
炊き上がりと混ぜ合わせ
炊き上がりの釜を開けると、ふんわりと炊き上がったご飯と鮎が現れます。紫米を使用している場合、米粒が紫色に見え彩りが深まります。炊き上がった鮎をほぐし、ご飯と混ぜ合わせます。
- 9
盛り付け
ほぐした鮎の一部(2本分程度)はご飯に混ぜ込み、残りの鮎は形を崩さないようにお客様のお茶碗やお弁当箱の上に1本丸ごと乗せて提供します。お客様が自分でほぐして食べる楽しさを演出します。
- 10
【副菜】出汁用鮎の尻尾と頭の唐揚げ
出汁取りに使用した鮎の尻尾と頭を揚げ油で揚げ、サクサクとした食感に仕上げます。お弁当に一緒に入れてもサクサク、またはお酒のおつまみとしても活用できます。
料理の科学
こんがりと焼いた鮎に含まれるイノシン酸と、根昆布・利尻昆布に含まれるグルタミン酸が合わさることで、うま味の相乗効果が生まれます。また、鮎を事前に香ばしく焼くことでメイラード反応が起こり、特有の風味やコクが引き出されます。これらが米に染み込むことで、深みのある味わいの炊き込みご飯に仕上がります。
「鮎の炊き込みご飯」の詳しい解説
※ 動画の内容をトピックごとに整理してまとめています。
鮎の炊き込みご飯:下準備と骨抜きの技
鮎をこんがり焼いたものを用意します。これは炊き込みご飯のスープ(お出汁)をしっかり取るためのものです。焼く前に エラ を取って 干して おくことがとても大事で、干すことでカリンと仕上がり、出汁がよく出ます。また、鮎の骨を抜く作業も重要です。冷蔵庫で冷やす前に、粗熱が取れて生温かいうちに骨を抜きます。外皮が煙突のように丸まっているので、多少形が崩れても、骨をきれいに抜いて、出た身は中に戻します。こうすることで、口に残る骨が一切ない仕上がりになります。お客様がお茶漬けなどで食べる際、口から骨を出さなくて済むようにという大将の細やかな気配りとこだわりが光る工程です。
鮎の旨味を凝縮:出汁の引き方と鍋止め
炊き込みご飯のベースとなるお出汁の引き方です。鍋に 根昆布 と 利尻昆布 をたっぷり入れ、そこに骨を抜いた鮎の 尻尾 と 頭 を加えます。これでフツフツと 10分 ほど出汁取りをします。その後、骨を抜いた鮎の 胴体 を入れて 2〜3分 ほどフツフツと煮て、味を含めます。これを「鍋止め」と呼びます。鍋止めとは、煮物の火を止めた後、煮汁に浸けたまま冷ます和食の技法です。食材は冷めていく過程で最も味が染み込むという特性を活かし、煮崩れを防ぎながら芯まで味を含ませます。胴体は途中で引き上げますが、スープの味を鮎に含めるためにこの作業を行います。冷めるまで昆布や頭、尻尾を入れた状態で置いておき、その後ペーパーで出汁をきれいに濾します。
炊き込みの極意:出汁の吸わせ方と蒸らし
炊き込みのスタートです。鮎の香りを程よく吸ったお出汁に、洗い米 を入れて 1時間 ほど漬けておきます。お米にしっかりとお出汁を吸わせることがポイントです。その後、炊き始めますが、鮎の身は最初から一緒には炊きません。蒸らし の段階になったら、一度さっと煮ておいた鮎の胴体を釜の中に入れ、同時に蒸らし・蒸らす作業を行います。最初から一緒に炊いてしまうと身が崩れてしまうため、このタイミングで戻すのが、鮎の形をきれいに保ち、ふっくらと仕上げるためのプロのテクニックです。
炊き上がり:紫米と鮎の美しい調和
炊き上がりの瞬間です。炊飯器の蓋を開けると、ふんわりと美味しそうに炊き上がったご飯と鮎が姿を現します。今回は 紫米 を入れているため、米粒が少し黒っぽく(紫色に)見え、彩りに深みが出ています。炊き上がった鮎をほぐしてご飯と混ぜ合わせます。例えば、2本分くらいはご飯の中に混ぜ込んでしまい、残りの鮎は、お客様のお茶碗の上や、お持ち帰り用のお弁当箱の上に1本丸ごと乗せて提供します。お客様が自分でほぐして食べる楽しさも考慮し、なるべく形を崩さないように丁寧に扱う大将の遊び心と配慮が感じられます。
無駄なく美味しく:尻尾と頭の唐揚げ
出汁取りに使用した鮎の 尻尾 と 頭 を使った一品を紹介します。これらを 唐揚げ にして、サクサクとした食感に仕上げます。お弁当の中に一緒に入れてもサクサクと美味しく食べられますし、お食事中にお酒を飲んでいるお客様へのおつまみ(アテ)としてお出ししても非常に喜ばれます。食材を無駄にせず、部位ごとの特性を活かして最後まで美味しく楽しんでもらうための、和食料理人ならではの知恵と工夫が詰まったアイデアです。骨まで愛せる鮎だからこそ、余すことなく使い切る大将の姿勢が伝わります。
大将の豆知識:サンマの初荷とご祝儀相場
大将が豊洲市場から戻ってきた際の話です。ニュースで3日前ほどに サンマ が1本3万数千円の値がついたと話題になっていましたが、この日は1本 700円(消費税別)で手に入ったとのことです。初荷の時と、数日経った後では、このように値段が大きく変動します。マグロやウニなども同様で、初荷の際は「ご祝儀相場」として非常に高い値段がつきますが、何日か経つだけで落ち着きます。消費者にはあまり知られていない、市場の面白い仕組みや価格変動の裏側についての興味深い豆知識を語ってくれました。
大将に聞いてみた!について
大将に聞いてみた!
登録者 2.1万人 ・ 日本料理・和食
1958年福島県生まれ。中学卒業後に日本料理の世界へ入り、日本三大料亭の一つ『金田中』や懐石料理の名店『胡蝶』などで修行を積んだ。33歳で新宿歌舞伎町に割烹をオープンし、その後も蕎麦割烹・焼肉店・すっぽん料理屋など多業態の店舗を展開。調理師専門学校の特別講師や独立開業コンサルティングにも携わり、ミシュランの星シェフを含む数百人の弟子を育てた。現在はこの道50年の経験をもとに、日本料理の知識・技術・業界事情を発信するYouTubeチャンネル『大将に聞いてみた!』を運営している。
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