Recipe
時間をかけても美味しい大根の煮物が出来るわけではありません!大将ならではの技、教えます!|ワンポイントテクニック Part.2
Ingredients
- 大根1本分
- 米の研ぎ汁適量
- 米少量
- ぬか少量
- 根昆布適量
- 平昆布適量
- 水適量
「大根の煮物」とは
和食の大将が教える大根の煮物を美味しく仕上げるプロの技。単なる煮込み時間ではなく、水漬け・下茹で・柱潰しという下処理と、根昆布と平昆布による出汁のこだわりで、全体が均一に柔らかい極上の一品に仕上がります。
「大根の煮物」を美味しく作るコツ
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下準備
- 大根をカット後、パンパンに膨らむまで十分に水に漬けることで、仕上がりが瑞々しく美しくなります
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下処理
- 米の研ぎ汁、米、ぬかを加えて約4時間かけて下茹でし、辛味や雑味を取り除きます
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下処理
- 茹で上がった大根の中心にある硬い「柱」を、さらしに包んで親指で押して潰す「中押し」を行い、縦の繊維を崩します
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味付け
- 根昆布と平昆布の2種類を使い、アクが出ないよう絶妙な火加減を保ちながら昆布の旨味を最後まで出し切ります
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火加減・時間
- 周りが柔らかくなっても中心が硬く残るため、さらに1時間茹でると周りが煮崩れる
- 下処理で全体を均一にすることが重要
「大根の煮物」の材料
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「大根の煮物」の作り方・手順
- 1
大根を水に漬ける
大根をカットした後、パンパンに膨らむまで十分に水に漬けます。大根が「もうお水を吸えないよ」と言うくらい水分を吸わせることで、仕上がりが瑞々しく美しくなります。
- 2
米の研ぎ汁とぬかで下茹でする
米の研ぎ汁に加え、もったいないですが米も少し加え、さらにぬかも入れてコトコトと約4時間かけて下茹でします。ぬかが入っているため茹で上がった大根は少し色づきます。このプロセスで大根の辛味や雑味を取り除き、味付けが染み込みやすい状態を作ります。
- 3
下茹で後の硬さを竹串で確認
約4時間下茹でした大根に竹串を刺して確認します。大根の端の方はすっと入りますが、真ん中には「柱」と呼ばれる硬い縦の繊維が通っており、中心部分だけが硬く残ります。この中心部分の硬さが全体の均一性を妨げます。
- 4
中心の柱を親指で潰す(中押し)
水に浸した大根をさらしで包み、親指を使って真ん中の柱の部分をググッと押して潰します。怖がらずにしっかりと柱を壊すことで、縦の繊維が崩れます。指で押したことで大根の真ん中が凹みますが、この後スープで煮れば再びパンパンに膨らむため心配いりません。
- 5
根昆布と平昆布で出汁を取る
大根に昆布の味をしっかり含ませるため、根昆布と平昆布の2種類の昆布を使用します。根昆布を使うことで出汁に独特のとろみと深いコクが加わります。一般的と異なり、途中で昆布を引き上げず、アクが出ないよう絶妙な火加減を保ちながら昆布の旨味を最後までしっかり出し切るのが大将流です。
- 6
大根を昆布出汁で煮る
下処理を終えた大根を、こだわりの2種類昆布で取った出汁でじっくり煮ます。この段階では下処理で中心の柱が潰されているため、全体が均一に柔らかく仕上がります。
料理の科学
大根を米の研ぎ汁やぬかで下茹ですることで、デンプン粒子がアクや苦味成分を吸着し、雑味を取り除きます。また、昆布から抽出される豊富なグルタミン酸(うま味成分)が大根に染み込むことで、素材本来の甘味と調和し、深い味わいを生み出します。時間をかけるだけでなく、適切な下処理による苦味の抑制とうま味の付与が、美味しさを引き出す鍵となります。
「大根の煮物」の詳しい解説
※ 動画の内容をトピックごとに整理してまとめています。
大根の下茹でと「戻し」の基本
和食料理人歴50年以上の大将が、10月や11月に美味しくなる大根の戻し方(下茹で)のコツを伝授します。動画では、おでんの大根の仕込みをイメージしながら解説が進みます。大将は、大根を茹でる際に米の研ぎ汁だけでなく、もったいないけれど米も少し加え、さらにぬかも入れてコトコトと約4時間かけて戻しているそうです。ぬかが入っているため、茹で上がった大根は少し色づいた状態になります。このように時間をかけてじっくりと下茹ですることで、大根の余分な辛味や雑味を取り除き、この後の味付けがしっかりと染み込みやすい状態を作ることができます。大根の美味しさを最大限に引き出すための、丁寧な和食の基本となる大切な工程です。
竹串で分かる!大根の「柱」の存在
約4時間下茹でした大根の硬さを確認するため、撮影スタッフが実際に竹串を使って刺してみます。まず大根の真ん中あたりに竹串を刺してみると、少し抵抗があり硬さを感じます。しかし、真ん中から少しずれた端っこの方を刺してみると、今度は抵抗なくすっと通ります。大将によると、大根の真ん中には「柱」と呼ばれる縦の繊維(芯)が通っており、周りがちょうどいい塩梅に柔らかくなっていても、中心部分だけが硬く残ってしまう性質があります。この中心の硬い部分を柔らかくしようとしてさらに1時間茹で続けてしまうと、今度は周りの部分が煮崩れてぐずぐずになってしまいます。煮加減だけで全体を均一な柔らかさに仕上げるのは非常に難しいのです。
煮崩れを防ぎパンパンに仕上げる「水漬け」
茹で上がった大根を一度水にさらします。ここで大将が明かす重要なポイントが、下茹でする前の「水漬け」です。大根をカットした後に、しっかりと水の中に漬けておくことが大切だと言います。大根が「もうお水を吸えないよ」と言うくらい、パンパンに水分を吸って膨らむまでしっかりと水を吸わせてから戻し(下茹で)を始めないと、仕上がりがパンパンに美しくならないそうです。十分に水分を含ませてから茹でることで、盛り付けたときにも表面にスープが綺麗に乗るような、瑞々しく美しい大根に仕上がります。ただ時間をかけて煮るだけではなく、煮る前の段階から大根の状態をベストに整えておくことが、プロならではの仕上がりを生み出す秘訣です。
さらしを使って大根の「柱」を潰すプロの技
中心にある硬い「柱」を均一に柔らかくするため、大将が「下仕事」としての裏技を披露します。水にさらした大根をさらしで包み、親指を使って真ん中の柱の部分をググッと押して潰す「中押し」という作業を行います。怖がらずにしっかりと柱を壊してあげることで、縦の繊維が崩れます。実際に潰した後に竹串を刺してみると、先ほどとは違って真ん中にもすっと入るようになります。指で押したことで大根の真ん中が少し凹みますが、この後スープで煮れば再びパンパンに膨らむため心配いりません。このひと手間を加えることで、お客様がお箸を入れたときにサクッと綺麗に割れ、スプーンでも食べやすい、口当たりの良い極上の柔らかさに仕上がります。
2種類の昆布で取るこだわりの「昆布出汁」
下茹でと下処理を終えた大根を煮るために、大将は特別な昆布出汁を用意します。今回は大根に昆布の味をしっかりと含ませるため、なんと「根昆布」と「平昆布」の2種類の昆布を使用しています。その理由をスタッフに尋ねられた大将は、笑顔で「美味しいから!」と答えます。特に根昆布を使うことで、出汁に独特のとろみと深いコクが加わります。大将は昆布の濃い旨味が個人的に好きであるため、あえて味の濃く出る組み合わせにしているそうです。また、一般的な出汁の取り方とは異なり、途中で昆布を引き上げることはしません。アクが出ないように絶妙な火加減を保ちながら、昆布の旨味を最後までしっかりと出し切るのが大将流のこだわりです。
大根の煮物と合わせる「銀鱈の西京漬け」
今回仕込んだ大根は、京都の味噌で漬けた銀鱈の西京漬けと合わせて仕上げる予定です。昆布出汁でじっくりと味を含ませた大根の上に、焼き上がった銀鱈をのせ、さらに温かい白味噌掛けにして提供するという、非常に品が良くおしゃれな「大根のおでん風」料理になります。厨房では、銀鱈と紅鮭をスチームコンベクションを使い、クッキングシートを敷いてふっくらと美味しそうに焼き上げていきます。大根の丁寧な下処理とこだわりの昆布出汁、そして西京漬けの旨味が一体となることで、家庭では真似できない極上の和食の一皿が完成します。手間を惜しまない大将の技が詰まった、目にも美しい料理の数々です。
大将に聞いてみた!について
大将に聞いてみた!
登録者 2.1万人 ・ 日本料理・和食
1958年福島県生まれ。中学卒業後に日本料理の世界へ入り、日本三大料亭の一つ『金田中』や懐石料理の名店『胡蝶』などで修行を積んだ。33歳で新宿歌舞伎町に割烹をオープンし、その後も蕎麦割烹・焼肉店・すっぽん料理屋など多業態の店舗を展開。調理師専門学校の特別講師や独立開業コンサルティングにも携わり、ミシュランの星シェフを含む数百人の弟子を育てた。現在はこの道50年の経験をもとに、日本料理の知識・技術・業界事情を発信するYouTubeチャンネル『大将に聞いてみた!』を運営している。
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