フグ鍋が美味しくないと言われる理由は2つ|大将流「塩で脱水×濃い出汁」

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フグ鍋が美味しくないと言われる理由は、脂がないフグの身を工夫なく調理していることにあります。大将流のポイントは、フグに塩で脱水を施してから濃い出汁に合わせること。さらに白子の丁寧な血抜き天然フグの選別にこだわることで、本当に美味しいフグ鍋が実現します。

  • 下準備
    • フグの身に薄く塩を振ってしっかり脱水させることが重要
    • 脂がないフグだからこそ、事前の脱水で旨味を引き出す必要がある
  • 下準備
    • フグの白子は新鮮でもそのまま使わず、膜を裂いて包丁を入れ、冷水で徹底的に血抜きを行う
    • 血管の中の血生臭さを取ることが美味しさの決め手
  • 出汁
    • 昆布を1枚入れるだけのシンプルな出汁ではなく、濃い出汁を用意し、脱水済みのフグを合わせていく
    • 板前が吸い猪口で出汁の出具合を確認するほどの繊細な見極めが必要
  • 食材選び
    • 天然フグと養殖フグの違いを尾ひれで見分ける
    • 天然フグは運動量が多いため尾ひれの先が毛羽立つほど発達
    • 天然フグのみが熟成時の旨味の深さを持つ
  • 調理法
    • フグの身をヒラメの薄造りの倍ほどの厚さに切り、お湯にくぐらせるしゃぶしゃぶ風の食べ方も提案
    • 塩での脱水と濃い出汁の組み合わせが効果的
7点

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  1. 1

    天然フグの選別

    尾ひれの先端を確認して天然フグと養殖フグを見分ける。天然フグは運動量が多いため尾ひれが毛羽立つほど発達している。大将の店では天然フグのみを使用している。

    尾ひれの毛羽立ちが発達度の目印天然フグは熟成時の旨味が異なる
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    フグの身を塩で脱水する

    フグの身に薄く塩を振ってしっかり脱水を行う。脂がないフグだからこそ、事前に水分を抜いて旨味を引き出す工程が重要。白醤油を使って脱水させる方法も効果的。

    塩または白醤油で脱水させる脂のない白身魚だからこそ脱水が重要
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    フグの身を切る

    脱水済みのフグの身をヒラメの薄造りの倍ほどの厚さに切り分ける。ぶつ切りにする場合でも、丁寧な下処理と下味を施してから提供する。

    薄造りの倍ほどの厚さが目安下処理と下味が大切
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    白子の血抜きを行う

    白子の膜を優しく裂いて包丁を入れる。細い血管が奥深くまで入り込んでいるため、冷水の中で徹底的に血抜きを行う。新鮮であってもそのままでは使わない。

    膜を裂いて包丁を入れる冷水で丁寧に血抜きを行う新鮮さだけでは不十分
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    濃い出汁を準備する

    シンプルに昆布を1枚入れるだけではなく、濃い出汁を準備する。板前が吸い猪口で出汁の出具合を確認しながら、脱水済みのフグを合わせていく。

    昆布だけのシンプルな出汁ではなく濃い出汁出汁の出具合を繰細に見極める
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    フグを鍋に入れる

    脱水済みで下味がついたフグの身を濃い出汁の鍋に入れる。しゃぶしゃぶ風にお湯にくぐらせる食べ方も可能。素材の状態を整えてから鍋に入れることが重要。

    脱水・下味済みの状態で投入濃い出汁との組み合わせが効果的
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    白子を鍋に入れる

    血抜き済みの白子を鍋に入れる。生クリームのような濃厚でクリーミーな白子の繊細な味わいを生かすために、丁寧な血抜きが不可欠。

    血抜き完了後に投入繊細な味わいを損なわないよう扱う
この料理が美味しくなる理由

塩や白醤油を施すことで、浸透圧によりフグの余分な水分や臭みが抜け、身が引き締まるとともに旨味が凝縮されます。さらに、フグや出汁の素材に含まれるイノシン酸と、昆布のグルタミン酸が合わさることで、うま味の相乗効果が生まれます。水分コントロールによる臭みの除去と、異なるうま味成分の組み合わせが、フグ鍋を劇的に美味しくする理由です。

水分コントロールうま味成分

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※ 動画の内容をトピックごとに整理してまとめています。

フグ鍋が美味しくないと言われる理由

和食料理人歴50年の大将が、フグ鍋が一部の人に「美味しくない」と言われてしまう理由を解説します。例えば、同じ白身魚のタラ鍋あんこう鍋の場合、調理の過程で一度塩を振って水分を抜く脱水を行ったり、霜降りをしてウロコやぬめりを取る下処理をします。これにより、魚自体の旨味が引き出され、鍋のスープにも良い出汁が出ます。しかし、一般的なフグ鍋(てっちり)では、ぶつ切りにした生のフグをそのまま鍋に入れる方法が主流です。この方法だと、フグの身から十分に旨味が出ず、ただ味のしない身をポン酢で食べているだけになってしまいがちです。大将は、フグの熟成度合いを見極めて旨味成分が出る状態を判断しなければ、本当に美味しい鍋に仕上げることは難しいと指摘します。

大将流!塩での脱水としゃぶしゃぶ風

大将が自身の店で提供するフグ鍋のこだわりを明かします。大将は、一般的な生のままぶつ切りにして鍋に入れる方法ではなく、フグの身に薄くをしてしっかりと脱水を行います。さらに、フグの身をヒラメの薄造りの倍ほどの厚さに切り分け、お湯にくぐらせるしゃぶしゃぶ風にして食べてもらうスタイルを提案しています。また、一般的なフグ屋では鍋に昆布を1枚ポンと入れるだけのシンプルな出汁が主流ですが、大将の店では出汁の引き方にも独自の工夫を凝らしています。昔ながらのやり方を尊重しつつも、現代のお客様に「本当に美味しい」と感じてもらえるよう、フグの旨味を最大限に引き出すための丁寧な下処理と独自の工夫を重ねています。

フグの調理を難しくする「脂のなさ」

フグの調理が非常に難しいとされる最大の理由は、その身に「脂がないこと」です。例えば、冬に人気のブリしゃぶブリ鍋は、魚自体に豊かな脂がのっているため、シンプルなポン酢だけでも非常に美味しく食べられます。しかし、フグにはそのような脂分がほとんどありません。そのため、少しでも調理法を誤ると、お客様から「味も素っ気もない」と言われてしまう危険性があります。同じ白身魚でも、夏が旬のハモなどは非常に脂がのっており、大将はハモしゃぶの際にも薄く塩をして葛打ちをするなどの工夫を凝らしますが、フグはそれ以上に繊細です。ただ鍋に具材を放り込むだけではなく、板前が鍋の横で出汁の出具合を吸い猪口で確認するほどの繊細な見極めが求められます。

出汁を濁らせずに旨味を足すプロの技

フグの繊細な味を損なわずに、さらに美味しく仕上げるためのプロのテクニックを紹介します。鍋の地(スープ)を濁らせずに旨味を加えるため、大将は塩の代わりに旨味成分が凝縮された白醤油を使って身を脱水させる方法を提案します。これにより、フグの身に無理のない下味がつき、スープとの調和が生まれます。また、ぶつ切りにする場合であっても、ただ切っただけのものを出すのではなく、必ず事前に丁寧な下処理下味を施してから提供するのが大将のこだわりです。昔ながらのシンプルなやり方も素晴らしいですが、料理人は常に「もっと美味しくするにはどうすればいいか」を考え、時代に合わせた技術のアップデートを怠らないことが大切だと語ります。

尾ひれで見分ける天然と養殖の違い

フグの天然養殖の違いについて、大将ならではの視点で語られます。海の中で鋭い歯を使い、貝などをガリガリと噛み砕いて自力で餌を獲って泳ぎ回る天然フグは、運動量が多いため尻尾(尾ひれ)の先が毛羽立つほど発達しています。一方、狭い生け簀で育てられる養殖フグは、お互いに噛み合って傷つけ合う「共食い」を防ぐために、あらかじめ歯をボキボキと折ってしまう下処理がなされます。大将の店では現在、養殖のフグは一切使わず、徹底して天然のフグのみにこだわっています。養殖には養殖の良さがあり、値段も手頃で多くの人に親しまれていますが、大将は天然フグが持つ独特の身の締まりや、熟成させたときの圧倒的な旨味の深さを追求し続けています。

フグの白子は丁寧な血抜きが命

鍋の具材としても大人気のフグの白子について、その美味しさと重要な下処理を解説します。タラの白子も美味しいですが、フグの白子はまるで生クリームのように濃厚で、非常にクリーミーかつ繊細な味わいを持っています。しかし、白子を美味しく食べるためには、非常に手間のかかる下処理が必要です。白子の内側には、まるで糸が絡み合ったかのように細い血管が奥深くまで入り込んでいます。この血管をそのままにしておくと、どうしても血生臭さが残ってしまいます。そのため、大将は白子の膜を優しく裂いて包丁を入れ、冷水の中で徹底的に血抜きを行います。新鮮だからといってそのまま鍋にポンと入れるのではなく、この丁寧な血抜きがあって初めて、極上の白子を味わうことができます。

大将こだわり!自家製麹の仕込み

動画の最後には、大将が店で使う調味料のこだわりとして、届いたばかりの生のを紹介するミニコーナーがあります。今回仕入れるのは、こだわりの玄米を使った玄米麹、複数の麹をブレンドした合わせ麹、そして香ばしい麦麹の3種類です。大将はこれらの生の麹を丁寧に扱い、ガラス瓶の中でたまり醤油と合わせてじっくりと寝かせます。この自家製の醤油麹は、お酒のあてとしてはもちろん、料理の味を引き締める薬味代わりとしても大活躍します。何十年も毎朝市場に通い、自分の目で食材を選び続けている大将だからこそ、こうした仕込みの一つひとつにも一切の妥協を許さず、手作りの美味しさをお客様に届けています。

大将に聞いてみた!

大将に聞いてみた!

登録者 2.1万人 ・ 日本料理・和食

1958年福島県生まれ。中学卒業後に日本料理の世界へ入り、日本三大料亭の一つ『金田中』や懐石料理の名店『胡蝶』などで修行を積んだ。33歳で新宿歌舞伎町に割烹をオープンし、その後も蕎麦割烹・焼肉店・すっぽん料理屋など多業態の店舗を展開。調理師専門学校の特別講師や独立開業コンサルティングにも携わり、ミシュランの星シェフを含む数百人の弟子を育てた。現在はこの道50年の経験をもとに、日本料理の知識・技術・業界事情を発信するYouTubeチャンネル『大将に聞いてみた!』を運営している。

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