うなぎの実物、見たことありますか?|天然と養殖の違いを大将が解説

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和食料理人歴50年の大将・和田透さんが、琵琶湖産天然うなぎ(約600g)とブランド養殖うなぎを実物で見比べながら、色・弾力・ぬめりといった外見的特徴の違いを解説しています。天然うなぎは捌いてから約4日寝かせて旨味を引き出す一方、養殖うなぎは捌きたてをすぐ焼かないと身が崩れてしまうという、正反対の調理アプローチが必要です。また、頭や骨を出汁に活用するタレへのこだわりや、メスうなぎを仕入れる理由など、職人ならではの知見が語られています。サイズによって蒸す・蒸さないの調理法を使い分けることも重要なポイントとして紹介されています。

  • 天然うなぎの下準備

    天然うなぎは捌いてから約4日寝かせ、死後硬直を経て旨味が出るのを待ってから調理する

  • 養殖うなぎの下準備

    養殖うなぎは捌きたてをすぐに調理しないと、時間が経つにつれ身がグズグズになり品質が落ちる

  • ぬめりの処理

    養殖うなぎは捌いてから時間が経つと白い糊状のぬめりが大量に出てくる(天然にはこのぬめりが出ない)ため、迅速な調理が必要

  • 頭・骨の活用

    エラを除いた頭と骨は出汁取りに使用する。骨は血合いを取って洗い、霜降りにしてから干して保管し、うなダレのベース出汁や柳川風スープの出汁として活用する

  • タレの使い分け

    うなぎを焼く際のタレとご飯にかけるタレは別物として使い分ける。焼きタレをそのままご飯にかけると味が濃すぎるため、うなぎの骨・頭から取った出汁を活用した別のタレをご飯用に用意する

  • サイズと調理法

    200g前後の小サイズのうなぎは蒸さなくても骨を感じずに食べられる。350gを超える大きいサイズは蒸さないと骨が残るため、サイズに応じて蒸す・蒸さないを使い分ける

  • 素材選び

    養殖うなぎはメスを選ぶ。メスはオスより身が柔らかく、早く大きく育つが、一般流通の約90%はオスで、メスは非常に希少

  • 捌き方

    頭をつけたまま捌くと捌きやすく、出汁用の頭も綺麗に確保できる。ヒレは包丁で引き、串焼き(ヒレ焼き)として活用する

3点

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  1. 01

    天然うなぎはエラを綺麗に取り除き、頭をつけたまま捌く。捌いた後は約4日間寝かせ、死後硬直を経て旨味が出るのを待つ

  2. 02

    養殖うなぎは捌きたてのものをすぐに調理に移る。時間を置くと身が柔らかく崩れ、ぬめりが出てくるため迅速に扱う

  3. 03

    捌いたうなぎのヒレを包丁で引き、串に刺してヒレ焼きとして活用する

  4. 04

    頭と骨は血合いを取って洗い、霜降り(さっとお湯に通す)にした後、干して保管する

  5. 05

    干した骨と頭をうなダレのベース出汁や柳川風スープの出汁として使用する

  6. 06

    うなぎを焼く用のタレとご飯にかける用のタレを別々に用意し、使い分ける

  7. 07

    200g前後の小サイズは蒸さずそのまま焼いて仕上げる(白焼きは塩で食べる)。350g超の大サイズは蒸してから焼く

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※ 動画の内容をトピックごとに整理してまとめています。

天然と養殖のうなぎ:大将の調理へのこだわり

和食料理人歴50年の大将・和田透さんと聞き手の浅見さんが、天然うなぎと養殖うなぎの違いについて語り合います。大将は、料理の仕上げにおいて強いこだわりを持っています。天然うなぎは捌いてから4日ほど寝かせ、死後硬直を経て旨味が出るのを待ってから調理を始めます。一方で養殖うなぎの場合は、捌きたてのものをすぐに調理しないと良い品物に仕上がらないという、全く異なるアプローチが必要です。今回は、滋賀県の琵琶湖で獲れた驚くべきサイズの天然うなぎや、こだわりのブランド養殖うなぎなど、実物を見比べながらその奥深さを解説していきます。普段は料理として食べるだけのうなぎですが、調理前の生の姿や職人の扱い方の違いを知ることで、うなぎに対する見方が大きく変わる興味深い導入となっています。

琵琶湖産天然うなぎの特徴と見事なサイズ感

最初に紹介されたのは、滋賀県の琵琶湖で獲れた約600gの立派な天然うなぎです。まな板の上に広げられたその長さは約72cmもあり、浅見さんも「めちゃくちゃでかいですね」と驚きを隠せません。天然うなぎの体色は真っ白ではなく、緑や黒が混ざり合ったような独特の深みのある色合いをしています。大将によると、これが海で獲れる「海うなぎ」になると、さらに色が変わって黄色みを帯びてくるそうです。今回は琵琶湖産ですが、育つ環境によってこれほど見た目が変わるのも天然ならではの面白さです。大将はエラを綺麗に取り除き、頭をつけたままの状態で捌いています。この豪快で美しい天然うなぎの姿は、普段私たちが目にする蒲焼からは想像もつかないほどの生命力と迫力に満ちています。

実物で比較する天然と養殖の「弾力」の違い

次に、300gのブランド養殖うなぎと、200gの養殖うなぎを並べて比較します。天然うなぎと並べると、色の違いは一目瞭然です。そして何より異なるのが、身の「弾力」です。天然うなぎは捌いてから丸1日経っているにもかかわらず、身がブリブリとしていてパンパンに張っており、強い弾力があります。一方、養殖うなぎも捌きたては弾力がありますが、これを例えば2日ほど置いておくと、指がグズグズと簡単に入ってしまうほど身が柔らかくなってしまいます。この身の質の変化こそが、養殖うなぎを「捌いたらすぐに焼かなければならない」最大の理由です。天然と養殖では、脂の乗りや味わいだけでなく、身の組織そのものの強さにこれほど大きな違いがあることを、大将は実際に身を触りながら分かりやすく解説しています。

頭を残して捌く理由と「タレ」への深いこだわり

浅見さんから「なぜ頭をつけたまま捌くのか」という疑問が投げかけられます。大将は、この方が捌きやすいことに加え、エラを綺麗に取った頭を出汁取りに活用するためだと答えます。ここから大将の「タレ」に関する驚きのこだわりが明かされます。大将は、うなぎを焼く時のタレと、ご飯にかけるタレは「別物であるべきだ」と考えています。うなぎを焼くための美味しいタレをそのままご飯にかけてしまうと、口の中で味が濃く感じすぎてしまうため、あえて2種類のタレを使い分けているのです。これは親子丼で鶏肉に味をつける工程と、お出汁を分けるのと同じ考え方です。うなぎの頭や骨から取る極上の出汁は、このこだわりのタレ作りに欠かせない重要な要素となっています。

骨まで無駄にしない職人の技と出汁の活用法

大将は捌いたうなぎの骨を見せながら、その活用法を説明します。200g、300g、600gと、うなぎのサイズによって骨の太さも全く異なりますが、大将はこれらを一切無駄にしません。骨はきれいに血合いを取って洗い、さっとお湯に通して霜降りにした後、干して保管します。この干した骨を、うなダレのベースとなる出汁取りや、柳川風のスープの出汁として使用するのです。養殖も天然も関係なく、命を余すことなく使い切るのが職人の流儀です。大将は「うなぎには捨てるところがない」と語り、この骨からどれほど素晴らしい味が出るかを強調します。また、次回以降に紹介予定の「鱧(はも)」の料理でも、骨や頭から出る出汁が非常に重要になるというエピソードを交え、和食における骨の重要性を熱く語りました。

希少な天然の価値と「メスうなぎ」を選ぶ理由

気になるお値段について、大将は「天然うなぎは養殖の約4倍、キロあたり数万円は間違いなくする」と明かします。天然うなぎの流通量は全体の0.1%未満と極めて希少で、まさに高嶺の花です。一方、大将が養殖うなぎで徹底してこだわっているのが「メスうなぎ」の使用です。なぜメスなのかというと、理由はシンプルに「身が柔らかいから」です。同じ時期に生まれても、メスの方がオスよりも早く、大きく育ちます。実は、一般に流通している養殖うなぎの約90%はオスであり、メスは非常に珍しい存在です。プロであっても外見だけでオスとメスを見分けるのは困難ですが、捌いた時の身の質感や特徴で判別できるそうです。大将は、お客様に最高の柔らかさを提供するために、あえてこの希少なメスうなぎを仕入れています。

養殖特有の「ぬめり」とサイズによる調理の違い

最後に、養殖うなぎ特有の現象である「ぬめり」について実演します。捌いてから4時間ほど経った養殖うなぎの表面を包丁でなぞると、白い糊のようなぬめりが大量に出てきます。不思議なことに、天然うなぎからはこのぬめりは一切出てきません。養殖うなぎは時間を置くとぬめりが出て身が痩せてしまうため、迅速な調理が不可欠なのです。その後、大将はうなぎのヒレを引く見事な包丁捌きを披露し、引いたヒレは「ヒレ焼き」として串焼きにされることを説明しました。最後に、浅見さんが焼きたての白焼きを試食します。200gのうなぎは蒸さなくても骨を感じず、塩で食べると旨味がダイレクトに伝わります。大将は、350gを超える大きなサイズになると蒸さないと骨が残るため、サイズに合わせた調理法の見極めが重要だと締めくくりました。

大将に聞いてみた!

大将に聞いてみた!

登録者 2.1万人 ・ 日本料理・和食

1958年福島県生まれ。中学卒業後に日本料理の世界へ入り、日本三大料亭の一つ『金田中』や懐石料理の名店『胡蝶』などで修行を積んだ。33歳で新宿歌舞伎町に割烹をオープンし、その後も蕎麦割烹・焼肉店・すっぽん料理屋など多業態の店舗を展開。調理師専門学校の特別講師や独立開業コンサルティングにも携わり、ミシュランの星シェフを含む数百人の弟子を育てた。現在はこの道50年の経験をもとに、日本料理の知識・技術・業界事情を発信するYouTubeチャンネル『大将に聞いてみた!』を運営している。

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