肝・ヒレ・えりまで串で味わう|『美味しんぼ』で紹介された川二郎で知る、うなぎ料理の奥深さ

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Ingredients


東京・中野のうなぎ専門店「川二郎」では、うなぎを部位ごとに串焼きにする珍しいスタイルで提供しています。肝焼き・えり焼き・ヒレ焼き・串巻き・八幡巻きの5種が登場し、それぞれ異なる下処理と味付けで仕上げられます。関東では珍しく蒸さずに生から焼くスタイルで、炭火で焼く際に鳴るパチパチという浮き袋の音は鮮度の証です。料理漫画『美味しんぼ』第80巻にも紹介された名店で、うなぎ一本をマグロのように細かく部位分けして体系化した点が特徴です。

  • 素材の鮮度

    肝焼きは苦玉(胆嚢)をあえて取らずに焼くため、捌きたての新鮮なうなぎでなければならない。1日半〜2日冷蔵保存すると苦味が渋みに変わり別物になってしまう。

  • 鮮度の見極め

    炭火で焼く際にパチパチ・パンパンと弾ける音がするのはうなぎの浮き袋が膨らんで弾ける音で、捌きたての新鮮なうなぎでしか鳴らない。

  • サイズ選定

    蒸さずに生から美味しく焼き上げるためにはうなぎのサイズが重要で、400gを超えるような大きすぎるものは適さない。骨も気にならず柔らかく焼けるサイズを厳選する。

  • 下処理(えり焼き)

    えりはうなぎの頭・エラ周りの部位で、通常は出汁取りに使われる。川二郎では蒸すか圧力釜で戻すなどの下処理を行い、ぬるっとした食感と濃厚な旨味を引き出して塩焼きにする。

  • 下処理(ヒレ焼き)

    背びれ・腹びれを包丁で引き、湯通ししたニラと一緒に串に巻きつけて焼く。うなぎのヒレのぬめりは加熱でふわふわな食感と旨味に変わる。

  • 味付け

    串焼き用のタレはうな重のような甘ったるいものでなく、お酒に合うすっきりとした味わいに調整されている。部位によって塩とタレを使い分けている。

  • 下処理(八幡巻き)

    八幡巻きのゴボウは生のまま使わず、一度茹でてアクを抜き蒸すなど熱入れを行う。うなぎが焼き上がるタイミングに合わせてゴボウが硬すぎずサクッと食べられる柔らかさになるよう計算されている。

  • 焼き方

    関東のうなぎ屋では一般的に蒸してから焼くが、川二郎では蒸す工程を挟まず生のまま炭火で素焼きにする。これにより香ばしさと素材本来の力強い味わいが出る。

10点

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  1. 01

    【肝焼き】捌きたてのうなぎから肝を取り出す。苦玉(胆嚢)は取り除かずそのまま串に打ち、タレを塗りながら炭火で焼く。

  2. 02

    【えり焼き】うなぎの頭・エラ周りの部位(えり)を取り分け、圧力釜などで戻す(柔らかくする)下処理を行う。串に打ち、塩をふって炭火で焼く。

  3. 03

    【ヒレ焼き】うなぎを割いて骨を取った後、背びれ・腹びれの部分を包丁で丁寧に引く。ニラは湯通しして下処理する。ヒレとニラを串にぐるぐると巻きつけ、タレを塗りながら炭火で焼く。

  4. 04

    【串巻き(塩)】うなぎの腹の部分(最も脂がのったトロに相当する部位)を串に巻き、塩をふって炭火で焼く。皮目が白っぽく仕上がる。わさび醤油や塩で食べる。

  5. 05

    【八幡巻き(タレ)】ゴボウは一度茹でてアクを抜き、蒸すなど熱入れをして適度な柔らかさにする。うなぎの背中側の身でゴボウを巻きつけ串に打ち、タレを塗りながら炭火で焼く。

  6. 06

    すべて炭火で焼く際、パチパチ・パンパンと浮き袋が弾ける音がするのは鮮度が高い証拠。この音が聞こえるうなぎを使うことが仕上がりの決め手となる。

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※ 動画の内容をトピックごとに整理してまとめています。

中野の名店「川二郎」で知るうなぎ串焼きの魅力

浅見さんが大将に連れられて訪れた、東京・中野にあるうなぎ料理店「川二郎」。うなぎといえばうな丼やうな重、白焼き、名古屋のひつまぶしなどが一般的ですが、この店では焼き鳥のように串に刺さった様々な部位のうなぎを楽しむことができます。大将自身も長年通い続けているお気に入りの店で、現在は初代の親族の方が焼き台に立っています。うなぎを串焼きで、しかも部位ごとに切り分けて提供するというスタイルは非常に珍しく、浅見さんもその奥深さに大変驚いたそうです。ビールを片手に、普段はなかなかお目にかかれないうなぎの各部位を少しずつ味わうことができるのが、このお店の大きな魅力となっています。

関東では珍しい「生の素焼き」と「戻す」技術

関東のうなぎ屋では、うなぎを一度蒸してから焼くのが一般的ですが、「川二郎」では蒸す工程を挟まず、生のまま素焼きにして提供しています。目の前の炭火で豪快に焼き上げられるうなぎは、香ばしさと素材本来の力強い味わいがダイレクトに伝わります。また、部位によっては、ただ生から焼くだけでなく、圧力釜などを用いて一度「戻す」(柔らかくする)という下処理を行ってから、丁寧に串に打って塩焼きにする技術も取り入れられています。このように、部位ごとの特徴に合わせて最適な仕込みを行い、最高の状態で提供するための職人のこだわりと技術が、一串一串に凝縮されているのです。

『美味しんぼ』にも登場した初代と部位分けの妙

「川二郎」は、有名な料理漫画『美味しんぼ』の第80巻でも紹介された名店です。作中には名物である初代の親父さんが登場しますが、大将によると、その親父さんは現在も別の場所で現役としてうなぎを焼いているそうです。大将はそちらの店舗にも足を運んでいるとのこと。このお店の素晴らしさは、うなぎ1本をマグロのように細かく部位分けし、それぞれの部位を活かした串焼きのメニューとして体系化した点にあります。店内にはうなぎの部位を分かりやすく説明した図解が貼られており、漫画の中でも紹介されたその独自の部位分けと仕込みの技術は、今もなお色褪せることなく受け継がれています。

ほろ苦さがクセになる「肝焼き」と鮮度の証

コースの最初に登場するのが、タレで味付けされた「肝焼き」です。口に運ぶと独特のほろ苦さが広がりますが、この苦味の正体は「苦玉(胆嚢)」にあります。一般的なうなぎ屋では、苦味が強すぎるため苦玉を取り除いてから焼くことが多いのですが、川二郎では苦玉をあえて取らずにそのまま串に打ち込んで焼き上げます。これができるのは、捌きたてで抜群に新鮮なうなぎを使用しているからこそ。大将によると、もしこの肝を冷蔵庫で1日半から2日ほど置いてから焼くと、美味しい苦味ではなく不快な「渋み」に変わってしまい、全く別物になってしまうそうです。新鮮だからこそ味わえる、極上のほろ苦さです。

職人も驚く希少部位「えり焼き」のぬるっと食感

続いて提供されるのが、塩でシンプルに焼き上げられた「えり焼き」です。これはうなぎの頭やエラの周りの部位を指します。大将のような和食の料理人は、通常この部位をそのまま料理として使うことはなく、エラを取り除いて干し、焼いてからうなぎの出汁(スープ)を取るために使用するのが一般的です。しかし、川二郎のえり焼きは、一度蒸すか戻すかの下処理が施されているため、口に含むとぬるっとした独特の食感と濃厚な旨味が広がり、非常に美味しく仕上がっています。口の中で少し骨を出しながら食べる必要がありますが、その面倒さを忘れさせるほどの魅力的な味わいです。

旨味が詰まった「ヒレ焼き」とすっきり秘伝タレ

3品目は、タレで香ばしく焼かれた「ヒレ焼き」です。うなぎを割いて骨を取った後、背びれや腹びれの部分を包丁で綺麗に引き、湯通ししたニラと一緒に串にぐるぐると巻きつけて仕上げています。うなぎのヒレには独特のぬめりがあり、これが加熱されることでふわふわとした食感と濃厚な旨味成分に変わります。合わせるタレは、うな重に使われるような甘ったるいものではなく、お酒を飲みながらつまむのに最適な、非常にすっきりとした味わいに調整されています。このタレがヒレとニラにしっかりと絡み、ジューシーな美味しさを引き立てています。お土産用の「うなむす」も人気です。

トロの脂がのった「串巻き」と計算された「八幡巻き」

4品目の「串巻き(塩)」は、うなぎのお腹の部分、マグロでいう「トロ」に当たる最も脂がのった部位を使用しています。皮目が白っぽく仕上がるのが特徴で、わさび醤油や塩で食べると、口いっぱいに上質な脂の甘みが広がります。5品目の「八幡巻き(タレ)」は、ゴボウにうなぎの背中側の身を巻きつけた一品です。ゴボウは生ではなく、一度茹でてアクを抜き、蒸すなどの熱入れが施されています。これにより、うなぎが焼き上がった瞬間に、ゴボウも硬すぎずサクッと一緒に食べられる絶妙な柔らかさになり、さらにゴボウ本来の強い香りもしっかりと残るよう計算されています。

パチパチ弾ける浮き袋の音と生焼きに最適なサイズ

川二郎でうなぎを焼いている最中、パチパチ、パンパンと風船が破裂したような小気味よい音が響きます。これは炭が弾けているのではなく、うなぎの「浮き袋」が熱で膨らんで弾ける音です。この音は、捌きたてで浮き袋がパンパンに張っている新鮮なうなぎでなければ決して鳴りません。また、蒸さずに生のまま美味しく焼き上げるためには、うなぎの「サイズ」が極めて重要になります。例えば400gもあるような肉厚で大きすぎるうなぎでは、生から同じように焼くことは不可能です。川二郎が骨も気にならず柔らかく焼き上げられるのは、生焼きに最適なサイズを厳選し、職人の確かな技術で仕込んでいるからです。

大将に聞いてみた!

大将に聞いてみた!

登録者 2.1万人 ・ 日本料理・和食

1958年福島県生まれ。中学卒業後に日本料理の世界へ入り、日本三大料亭の一つ『金田中』や懐石料理の名店『胡蝶』などで修行を積んだ。33歳で新宿歌舞伎町に割烹をオープンし、その後も蕎麦割烹・焼肉店・すっぽん料理屋など多業態の店舗を展開。調理師専門学校の特別講師や独立開業コンサルティングにも携わり、ミシュランの星シェフを含む数百人の弟子を育てた。現在はこの道50年の経験をもとに、日本料理の知識・技術・業界事情を発信するYouTubeチャンネル『大将に聞いてみた!』を運営している。

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