Recipe
同じ店なのに、なぜ味が違う?|温度・発酵・粉の状態で変わる粉モノの難しさ|魚の熟成につながる話
「ピッツァ」とは
この動画では、ピッツァ店での実体験をきっかけに、粉ものの調理における奥深さを探ります。大将が 生地の寝かし時間・温度管理・酵母の働き・小麦粉の保管状態 といった要素が、毎回の仕上がりに大きく影響することを、蕎麦やうどん経営での経験をもとに詳しく語ります。同じお店の料理でも日によって味が変わるのは、作り手の気遣いと職人としての勘がいかに重要かを示す事例として紹介されます。
「ピッツァ」を美味しく作るコツ
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発酵管理
- 生地を寝かせる際の温度管理が極めて重要
- 冷蔵庫に入れると酵母が働かなくなり、美味しく仕上がらない
- 発酵を促すには最低限必要な温度が存在する
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生地の熟成
- 内麦を使った生地は12時間から24時間かけて熟成させるが、この時間と温度のコントロールが作り手の腕の見せ所
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小麦粉の保管
- 小麦粉を一定の温度で管理せず放置すると、温度上昇で粉自体の状態が悪化する
- 倉庫管理が不可欠
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粉の特性理解
- 小麦粉には温度によって性質が変わるものがある
- 温めるとコシが抜けるものもあれば、冷やすことで強いコシが出るものもある
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環境への配慮
- 調理場の気温や外気の変化によって生地の状態は大きく変わる
- 毎回同じ味を保つには相当な気遣いと職人としての勘が必要
「ピッツァ」の詳しい解説
※ 動画の内容をトピックごとに整理してまとめています。
ピッツァ店での違和感と意外な出会い
和食料理人歴50年の大将が、先日お気に入りのピッツァ店を訪れた際のエピソードから始まります。そこは美味しいワインやシャンパンがグラスでも楽しめ、月に1回ほど通うお気に入りのお店でした。その日も料理を楽しんでいた大将ですが、いつもと違って生地の仕上がりに違和感を覚えます。「あれ?なんかいつもと違うな、いつもより美味しくないかも」と感じたそうです。そんな中、隣の席には楽しそうに食事をする韓国人の親子が座っていました。大将は、この親子との思いがけないやり取りをきっかけに、粉モノの調理における温度管理や発酵の難しさ、そしてそれが和食における魚の熟成にも通じる深いテーマであることに気づかされたと語ります。
蕎麦とうどんの経験から語る寝かす技術
大将は長年、蕎麦やうどんのお店も経営していた経験から、粉モノの難しさを熟知しています。国内産の小麦である内麦(ないばく)を使い、様々な材料を加えて生地を「寝かす」工程について語ります。生地は12時間から24時間ほどかけて熟成(寝かす)させますが、この時の温度管理が極めて重要です。例えば、安易に冷蔵庫に入れてしまうと酵母が全く働かなくなり、美味しく仕上がらなくなってしまいます。発酵を促すためには、最低限必要な温度が必ず存在します。大将は、粉モノの味は仕込むたびに変化するのが当然であり、それをいかにコントロールするかが作り手の腕の見せ所であると、自身の経験を振り返りながら熱く語ります。
隣の韓国人親子から飛び出したまさかの質問
ピッツァの味に違和感を抱きながら食べ終えた大将に、隣の席の韓国人親子の母親から、片言の日本語で「美味しいですか?」と突然質問されました。大将が驚いて「え、なんでですか?」と聞き返すと、母親は「あまり美味しくない」と率直な感想を口にしたのです。さらに「もっと美味しいピッツァを食べに行きたいけれど、どこか知っているところはないですか?」と、そのお店の中で聞かれるという驚きの展開になりました。大将が感じていた「いつもより美味しくない」という感覚を、初めてその店に来たであろう親子も同様に感じ取っていたのです。大将はこの歳になるまでそんな質問を店内でされた経験がなく、非常に驚いたと語ります。
毎回同じ味に仕上げるという職人の高等技術
大将は、同じお店なのに日によって味が変わってしまう原因について、酵母の働きや調理場の環境が大きく影響していると指摘します。調理場の気温や外気の変化によって、生地の状態はいかようにも変わってしまいます。聞き手の浅見さんも「美味しい蕎麦屋やラーメン屋は毎回同じ味だけど、微妙な店は日によって味が違う。同じ味を保つのは実は凄い技術なのでは」と同意します。大将は、作り手が相当な気遣いと職人としての「勘」を働かせなければ、味のばらつきを抑えることはできないと語ります。この、ばらつきを出さないための細やかな配慮こそが、プロの料理人に求められる重要な資質です。
小麦粉の管理と温度で劇的に変わるコシの秘密
話は小麦粉の管理方法に及びます。夏場など、小麦粉を一定の温度で管理せず倉庫に放置すると、温度が上がって粉自体の状態が悪くなってしまいます。大将はかつて日本製粉(ニップン)の研究所を訪れ、料理に合わせた小麦粉の選び方を学んだ経験を明かします。小麦粉には、温めて使うとコシが抜けてしまうものや、逆に冷やすことでギュッと強いコシが出るものなど、温度によって全く異なる性質を持つものがあります。大将が当時使用していた「麺匠(めんたく)」という粉は、打った段階では非常に柔らかいものの、氷水で締めると驚くほどのコシが出たそうです。粉の性質を理解し、環境や管理に配慮することが不可欠です。
ピザとピッツァの違いとそれぞれの魅力
最後に、動画内でも触れられた「ピザ」と「ピッツァ」の違いについて解説されます。アメリカ生まれのピザは、厚手の生地にたっぷりの具材とチーズをのせ、オーブンで焼いてみんなでシェアして食べるのが特徴です。一方、イタリア・ナポリ起源のピッツァは、薄手でもちもちした生地が主役で、薪窯を使って高温短時間で香ばしく焼き上げます。小麦の風味を活かしたシンプルな具材で、ナイフとフォークを使って素材そのものの味わいを堪能します。大将は、生地にオリーブオイルや糖分を加えるピザに対し、ピッツァは粉本来の味で勝負するため、より繊細な管理が求められると締めくくります。
大将に聞いてみた!について
大将に聞いてみた!
登録者 2.1万人 ・ 日本料理・和食
1958年福島県生まれ。中学卒業後に日本料理の世界へ入り、日本三大料亭の一つ『金田中』や懐石料理の名店『胡蝶』などで修行を積んだ。33歳で新宿歌舞伎町に割烹をオープンし、その後も蕎麦割烹・焼肉店・すっぽん料理屋など多業態の店舗を展開。調理師専門学校の特別講師や独立開業コンサルティングにも携わり、ミシュランの星シェフを含む数百人の弟子を育てた。現在はこの道50年の経験をもとに、日本料理の知識・技術・業界事情を発信するYouTubeチャンネル『大将に聞いてみた!』を運営している。
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