Recipe
金目鯛の仕上がりは蒸す前で決まる|和食職人歴50年の大将が語る、ウロコ取りの技と酒蒸しの下処理|金目鯛 Part.2
Ingredients
- 金目鯛1尾
- 昆布1枚
- 純米酒適量
- 塩適量
- ラップ
「金目鯛の酒蒸し」とは
和食職人50年の大将が、金目鯛の酒蒸しの仕上がりを左右する下処理の技法を詳細に解説する動画です。75度のお湯を使ったウロコ取り、塩による汗出しで臭みを抜く工程、そして蒸す前の準備がいかに重要かを実演しながら語ります。アラの活用や蒸し方のコツも含め、料理人が当たり前に守っている要点を丁寧に掘り下げた内容です。
「金目鯛の酒蒸し」を美味しく作るコツ
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下準備
- バラ引きだけでなく、約75度のお湯に浸して頭や尾びれの細かいウロコを確実に取り切る
- 赤い皮を傷めないよう浸けたらすぐに冷水で身を締める
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味付け
- 塩による汗出しが極めて重要
- 1~2時間塩漬けにして水分と臭みを抜き、身を引き締めることで最終的な仕上がりが決まる
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下準備
- アラは絶対に捨てず、昆布と一緒に蒸して出汁を取り、酒蒸しのスープに加える
- また串に打って干してから炙ると格別
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火加減
- 蒸し器を一度沸騰させた後、中火で15分間蒸す
- 蒸し上がった金目鯛からの脂と旨味が溶け出したスープが極上の味わいを生む
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調理のコツ
- 盛り付ける器ごと蒸し器に入れて直接蒸すことで、魚の水分と旨味がお皿に溜まり、それが仕上げの核となる
「金目鯛の酒蒸し」の材料
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「金目鯛の酒蒸し」の作り方・手順
- 1
金目鯛の頭のウロコ取り
約75度のお湯を準備し、金目鯛の頭をさっと浸してウロコを浮かせる。赤い皮をズル剥けにしないよう注意しながら、包丁の先などを使って浮いたウロコを丁寧に取り除く。ウロコが取れたらすぐに冷水に落として身を締める。
- 2
尾びれのウロコ取り
湯沸かし器のお湯を75度に設定して使用。尾びれをお湯に浸してウロコを浮かせ、細かい隙間のウロコもこそげ落とす。尾びれにも美味しい肉が付いているため、丁寧に処理する。
- 3
塩による下味(汗出し)
綺麗にウロコが取れた金目鯛に塩を振り、1~2時間置く。この工程で余分な水分と臭みが抜け、身が引き締まる。この塩が最終的な仕上がりを大きく左右する。
- 4
金目鯛のアラの準備
金目鯛を三枚おろしにした後のアラは絶対に捨てない。酒蒸しを作る際に昆布と一緒に添えて蒸すことで、より濃厚なスープが出来上がる。アラに薄く塩をして串に打ち、調理場で1時間ほど干してから炙って食べるのも格別。
- 5
酒蒸しの調理準備
お皿に昆布を1枚敷き、その上に下処理を終えた金目鯛をのせる。純米酒を直接回しかけ、ラップをして蒸し器に入れる。盛り付ける器ごと蒸し器に入れて直接蒸すのがコツ。
- 6
蒸し器での加熱
蒸し器を一度沸騰させた後、中火で約15分間蒸し上げる。蒸している間に、魚自体の水分や旨味、脂が溶け出してお皿の底に極上のスープが溜まる。
- 7
スープ合わせと仕上げ
蒸し上がった金目鯛から出たスープと、アラを焼いて昆布出汁で取ったスープを合わせる。これにより旨味が何倍にも凝縮された極上のスープが完成。かんずりをポン酢に溶かしていただく。
料理の科学
金目鯛に塩を振ることで、浸透圧による水分コントロール(脱水)が行われ、余分な水分とともに生臭さが抜けて身が引き締まります。また、金目鯛に豊富に含まれるうま味成分「イノシン酸」と、敷いた昆布に含まれる「グルタミン酸」が合わさることで、うま味の相乗効果が生まれ、料理の美味しさが飛躍的に向上します。
「金目鯛の酒蒸し」の詳しい解説
※ 動画の内容をトピックごとに整理してまとめています。
金目鯛の頭のウロコ取り:75度のお湯で皮を傷つけずに取る技
大将が金目鯛の頭のウロコ取りの技を実演します。使用するのは約75度のお湯です。この温度はウロコが綺麗に取れる絶妙な温度ですが、手を入れると非常に熱いのが特徴です。大将は「赤い皮をズル剥けにしたくない」というこだわりから、お湯にさっと浸けてウロコを浮かせる方法をとります。一般的なバラ引き(ウロコ引き)では頭の細かいウロコを取りきることが難しいため、このお湯を使った下処理が欠かせません。お客さんが頭をしゃぶった時にウロコが口に残ると不快感を与えてしまうため、職人として絶対に妥協できない工程です。ウロコが浮いたら、包丁の先などを使って丁寧に取り除き、すぐに冷水に落として身を締めます。
下味の塩(汗出し・脱水)がもたらす重要な役割
綺麗にウロコが取れた金目鯛の頭を前に、大将は下味の塩の重要性について語ります。この塩は単に味を付けるだけでなく、魚の臭みの原因となる水分を抜く「汗出し(脱水)」という極めて重要な役割を持っています。塩をして1時間から2時間ほど置くことで、余分な水分とともに臭みが抜け、身が引き締まります。もし塩味が薄いと感じる場合は、焼き物にする際などに「追っかけの塩」をすれば良いとのこと。しかし、この最初の下処理の塩がしっかりと身に入っていないと、どんなに良い食材であっても最終的な仕上がりが美味しくならないと大将は力説します。
尾びれのウロコ取りと文明の利器(湯沸かし器)の活用
続いて、煮物などに使用する尾びれのウロコ取りを行います。ここで大将が紹介するのは、なんと湯沸かし器のお湯を使うという現代的なアイデアです。温度計で測る代わりに、湯沸かし器の温度設定を75度に合わせることで、常に最適な温度のお湯をすぐに使うことができます。大将は「僕たちは慣れているから、この熱さでも一瞬なら手を入れてウロコを取っちゃう」と笑いながら話します。尾びれの細かい隙間にあるウロコもお湯に浸けることで綺麗に浮き上がり、簡単にこそげ落とすことができます。この部分にも美味しい肉がたくさんついているため、無駄にせず綺麗に処理して料理に活かします。
金目鯛のアラの活用法:出汁や炙り、酒蒸しのスープに
大将は金目鯛を三枚おろしにした後、残ったアラ(中骨など)の活用法を解説します。「絶対に捨てません」と断言する大将。アラは素晴らしい出汁が出るため、酒蒸しを作る際に昆布と一緒に添えて蒸すことで、より濃厚なスープを作ることができます。また、アラに薄く塩をして、串に打って調理場の片隅で1時間ほど干し、さっと炙って食べるのも格別です。お吸い物やお椀のベースとしても非常に優秀で、一手間加えるだけで極上の料理に生まれ変わります。食材を無駄なく美味しく使い切る、職人の知恵とこだわりが詰まった工程です。
酒蒸しの準備と蒸し器での調理:中火で15分
いよいよ酒蒸しの調理に入ります。お皿に昆布を1枚敷き、その上に下処理を終えた金目鯛をのせます。そこに純米酒を直接回しかけ、ラップをして蒸し器に入れます。大将によると、盛り付ける器ごと蒸し器に入れて直接蒸すのがコツだそうです。火加減は一度沸騰させた後、中火で約15分間蒸し上げます。蒸している間に、魚自体の水分や旨味、そして脂が溶け出して、お皿の底に極上のスープが溜まります。このスープこそが、後ほど料理の仕上げに重要な役割を果たすことになります。
蒸し上がった金目鯛のスープ合わせと実食
蒸し上がった金目鯛からは、豊かな脂と旨味が溶け出したスープが出ています。大将は、このスープと、先ほどアラを焼いて昆布出汁で取ったスープを合わせます。これにより、旨味が何倍にも凝縮された極上のスープが完成します。実食では、新潟の伝統的な発酵調味料である「かんずり(8年熟成もの)」をポン酢に溶かしていただきます。一口食べた撮影スタッフは「うまっ!めちゃくちゃ美味い!」と大絶賛。下処理の塩がしっかり効いているため、身がポロッと綺麗に骨から外れます。大将は「下処理の塩がちゃんとできているからこそ、この仕上がりになる」と、蒸す前の工程の重要性を改めて語りました。
大将に聞いてみた!について
大将に聞いてみた!
登録者 2.1万人 ・ 日本料理・和食
1958年福島県生まれ。中学卒業後に日本料理の世界へ入り、日本三大料亭の一つ『金田中』や懐石料理の名店『胡蝶』などで修行を積んだ。33歳で新宿歌舞伎町に割烹をオープンし、その後も蕎麦割烹・焼肉店・すっぽん料理屋など多業態の店舗を展開。調理師専門学校の特別講師や独立開業コンサルティングにも携わり、ミシュランの星シェフを含む数百人の弟子を育てた。現在はこの道50年の経験をもとに、日本料理の知識・技術・業界事情を発信するYouTubeチャンネル『大将に聞いてみた!』を運営している。
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