Recipe
昆布出汁を徹底解説!基本のだしの取り方から種類ごとの比較まで Kombu Dashi / vegan broth
Ingredients
- 水1000ml
- 昆布(羅臼昆布推奨)10g
「昆布出汁」とは
和出汁の入門編である昆布出汁について、昆布の種類・特徴・等級による違いから、最適な昆布選びまでを解説します。羅臼昆布の活用方法、加熱温度や時間の科学的根拠、家庭での実践的な出汁取り方を紹介。昆布に含まれるグルタミン酸などのうま味成分の抽出方法も学べます。
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「昆布出汁」を美味しく作るコツ
-
昆布の種類選び
- 家庭用には羅臼昆布がおすすめ
- うま味が強く少量で出汁が出やすく、だしがらも食べられる
- 利尻昆布は上品だが家庭向きではない
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水出し
- 基本は1Lの水に昆布10gを30分以上置く水出し法
- ただし加熱して味を出し切ることが家庭では重要
-
加熱温度
- 「60℃で1時間」は京都の軟水と料亭向けの基準
- 家庭では100℃で5~10分の煮出しでも官能評価は高く大丈夫
-
昆布の下準備
- 表面の白い粉はマンニットで、汚れが気になれば乾いた布巾で拭く程度
- 水洗いは不要
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うま味成分の科学
- 昆布はグルタミン酸含有量が最も多い食材
- 等級による差はなく、15分水出しでも羅臼昆布と真昆布が最もうま味成分を抽出する
「昆布出汁」の材料
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- 水1000ml
- 昆布(羅臼昆布推奨)10g
「昆布出汁」の作り方・手順
- 1
昆布の表面が気になれば乾いた布巾で軽く拭く
- 2
鍋に1000mlの水と昆布10gを入れる
- 3
火加減は中火か弱火にして加熱を開始する
- 4
鍋の底や側面に小さな泡が出てきたら60℃に達した合図
- 5
羅臼昆布の場合、そのまま弱火で約10分加熱する
- 6
昆布が柔らかくなり、昆布を食べても味がしなくなれば出汁が出切った証拠
- 7
昆布を引き上げて出汁は使用、だしがらは細切りにして炒め物やきんぴら等に活用できる
料理の科学
昆布に豊富に含まれるグルタミン酸は代表的なアミノ酸系のうま味成分です。このうま味成分は、沸騰させずに60℃前後の温度帯でじっくりと加熱することで、雑味やぬめり成分の溶出を抑えながら効率よく抽出されます。中火や弱火で温度をコントロールし、泡が出始める温度を維持して時間をかけることで、すっきりとしながらも深みのある豊かなうま味を引き出すことができます。
「昆布出汁」の詳しい解説
※ 動画の内容をトピックごとに整理してまとめています。
和出汁の基本と昆布の基礎知識
作家・料理家の樋口直哉です。今回は日本料理の基本である和出汁、その中でも昆布出汁について解説します。そもそも出汁とは、素材のうま味や香りを水に溶かした液体で、あらゆる素材から抽出できます。例えば大根を水で煮出せば大根だしになります。一番広く使われているのは昆布とかつお節の合わせだしですね。昆布出汁は、水に昆布を入れておくだけでインスタントのように取れるため、和風出汁の入門にぴったりです。一方で「物足りない」と思われがちな出汁でもあります。昆布の品種は14属45種類あり、日本人はそのうち10種類ほどを食用にしています。昆布ほどグルタミン酸を多く含む食材は他になく、日本料理の根幹を支える存在です。昆布には天然と養殖の2種類があり、近年天然は激減しています。産地によって種類が異なり、太平洋側では長昆布や日高昆布、羅臼昆布、日本海側やオホーツク海側では利尻昆布、函館周辺では真昆布が採れます。
知っておきたい昆布の種類と特徴
スーパーに行くと色々な種類の昆布が並んでいて、何を買えばいいか迷いますよね。代表的な4種類を説明します。まず真昆布は別名山だし昆布とも呼ばれ、大阪で特に人気の昆布です。淡い色で甘みのある上品な出汁が取れます。次に利尻昆布は京都の料亭御用達で、形がよれているのが特徴です。肉質が硬いため出汁は出にくいですが、非常にクリアでクセのない出汁が引けます。そして羅臼昆布は正式名称がリシリ系エナガオニコンブといい、幅が広いのが特徴です。天日干しや湿らせて伸ばすなど、非常に手間をかけて作られており、黄色みがかった濃厚な出汁が取れます。僕が普段メインで使っているのもこの羅臼昆布です。最後に日高昆布は和名がミツイシコンブで、繊維質が柔らかく煮上がりが早いため、出汁だけでなく佃煮など食べる用途にも適しています。磯の香りが強い出汁が取れ、東京のおでんの出汁などによく使われます。
昆布の等級と科学的な選び方
昆布には種類だけでなく、葉幅や肉厚さによって1等から4等までの等級による分類もあります。当然、等級が低いほうが安価です。「高い昆布のほうが美味しいのか」という疑問に対し、女子栄養大学の松本仲子先生らの論文『昆布の等級とだし汁の成分の関係』では、利尻昆布の1等、2等、3等の成分を分析しています。その結果、アミノ酸やヌクレオチドなどのうま味成分には顕著な差が見られませんでした。つまり、出汁に使うのであれば等級はあまり関係ありません。また、うま味インフォメーションセンターのデータによると、100gあたりのグルタミン酸含有量は羅臼昆布が最も多く、次いで真昆布、利尻昆布、日高昆布の順となっています。15分水出しした場合の比較でも、羅臼昆布と真昆布はうま味成分であるグルタミン酸やアスパラギン酸、甘みをもたらすアラニンやグリシンが多く抽出されることが分かっています。
家庭での出汁取りに最適な昆布
家庭で出汁を取る場合、どの昆布が最適でしょうか。料亭で愛される利尻昆布は上品ですが、うま味が控えめなため、しっかりした味を出すには多くの量を使う必要があり、コストがかかります。また、家庭でのお味噌汁や煮物には、料亭のような極限の上品さは必要ありません。そのため、日常使いにはうま味が強く、少量でもしっかり出汁が出る羅臼昆布がおすすめです。羅臼昆布を推す理由はあと2つあります。1つ目は、繊維が柔らかいため出汁を取った後のだしがらも美味しく食べられる点です。ハサミで切ってお味噌汁の具にしたり、湯豆腐にそのまま入れて食べられます。2つ目は、出汁が出やすい点です。硬い利尻昆布は京都の軟水ならすぐ柔らかくなりますが、東京の水では時間がかかります。羅臼昆布は製造工程で繊維が柔らかくなっているため、東京の水でもすぐに豊かな出汁が出ます。スーパーで羅臼昆布がなければ真昆布を選ぶと良いでしょう。
昆布出汁の取り方と温度の秘密
基本的な昆布出汁の取り方は、1Lの水に昆布10gを入れ、30分以上置く水出し法が良質とされています。しかし、水出しだけではうま味成分が昆布に残ってしまいもったいないため、加熱するのが一般的です。ただし、煮立てすぎると昆布から粘り気や雑味が出てしまい、「昆布臭い」「くどい」状態になります。そのため、昔から「沸騰直前に昆布を取り出す」のが鉄則とされてきました。最近では、日本料理アカデミーの研究報告から「60℃で1時間」抽出するのが最も美味しくなるという基準も示されています。しかし、これが絶対正しいわけではありません。この実験は京都の軟水と利尻昆布を使った料亭向けの結論です。家庭では2番だしを取らないため、1回で味を出し切ることが重要です。また、松本先生の論文によれば、100℃で5分や10分煮出しても官能評価は高く、煮出しすぎなければ問題ありません。家庭ではもっと大らかに出汁を取って大丈夫です。
実践!羅臼昆布で出汁を取る方法
実際に羅臼昆布を使って出汁を取ってみましょう。水1000mlに対し、昆布10g(1%量)を用意します。昆布の表面にある白い粉は、うま味成分と誤解されがちですが、マンニットという糖アルコールの一種で、ごくわずかな甘みがあります。汚れが気になる方は乾いた布巾で拭いてもいいですが、僕はそのまま使います。時間があれば30分水に浸けますが、羅臼昆布は加熱に強いので、すぐに火にかけても大丈夫です。熱をかける時間を稼ぐため、火加減は中火か弱火にします。しばらくすると鍋の底や側面に小さな泡が出てきます。これが60℃に達したサインです。真昆布や利尻昆布ならここで極弱火にするか火を止めますが、羅臼昆布は強いのでそのまま弱火で10分加熱します。昆布が柔らかくなり、食べても味がしなくなれば出汁が出切った証拠です。出来上がった出汁は、非常に軽い口当たりながら濃厚なうま味があります。だしがらは細切りにして炒め物やきんぴら、甘酢漬けにして美味しくいただきましょう。
樋口直哉の料理論[Cooking theory]について
樋口直哉の料理論[Cooking theory]
登録者 7.9万人 ・ 家庭料理/調理科学
樋口直哉氏は、服部栄養専門学校卒業後、料理教室勤務や出張料理人などを経て、2005年に『さよならアメリカ』で群像新人文学賞を受賞した作家兼料理家です。同作は芥川賞候補にもなり、以降も小説やノンフィクションなど幅広い著作を発表しています。料理家としては調理科学をベースにしたレシピの考案・発信を行い、全国の食品メーカーや生産現場の取材記事の執筆、地域食材を活用したメニュー開発なども手がけています。主な著書には料理本『新しい料理の教科書』『ぼくのおいしいは3で作る』などがあり、東洋経済アワード2022も受賞しています。本チャンネルでは、調理科学の視点からおいしさを最大限に引き出すレシピを紹介しています。
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