Recipe
#372 柔らか牛肉でジェノベーゼ|ネオクラシコ|パスタ|古典料理|イタリアン
Ingredients
- リングイネリガーテ160g
- 牛ネック1kg(煮込み用)、80g(盛り付け用)
- 玉ねぎ100g
- 人参50g
- セロリ50g
- 赤ワイン100g
- 皮付きにんにく1片
- インゲン豆60g
- じゃが芋80g
- EXVオリーブオイル適量
- バジル80g
- 松の実60g
- パルミジャーノ55g
- ペコリーノロマーノ30g
- にんにく適量
- 塩適量
- 胡椒適量
「柔らか牛肉のジェノベーゼパスタ」とは
バジルの爽やかさと牛肉の濃厚な旨味が特徴の、古典的なジェノベーゼパスタを現代の調理技術で再構築した一品です。92度の低温真空調理で牛肉を柔らかく仕上げ、冷やしたジェノベーゼソースとの対比が至高の味わいをもたらします。バジルの美しい緑色を保つため、材料とプロセッサーを徹底的に冷やすのが最大のポイントです。
「柔らか牛肉のジェノベーゼパスタ」を美味しく作るコツ
-
下準備
- バジル、オリーブオイル、フードプロセッサーの容器をキンキンに冷やしておく
- 摩擦熱でバジルが酸化して黒くなるのを防ぐため
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下準備
- 牛肉は繰り返し開発された秘密兵器「Dカッター」で繊維に垂直に刃を入れ、繊維を細かく断ち切る
- これにより加熱時間を短縮し、旨味の流出を防ぐ
-
火加減
- 牛肉は92度で約2時間の低温加熱
- コラーゲン溶解に90度以上必要だが、沸騰させると繊維が硬くなるため、沸騰直前の92度でじっくり加熱
-
味付け
- ジェノベーゼは完全に混ぜ合わせず『ヘテロ』な状態(ソースがかかった部分と未使用の部分が混在)で食べるのがイタリア料理として最も美味しい
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食材選定
- リングイネ・リガーテは表面に細かい溝が入っているため、ソースが非常によく絡む高級パスタ
「柔らか牛肉のジェノベーゼパスタ」の材料
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「柔らか牛肉のジェノベーゼパスタ」の作り方・手順
- 1
牛肉の下処理
牛肉の繊維に垂直にDカッターで刃を入れ、繰り返し繊維を細かく断ち切る。余分な脂身と硬い筋は取り除き、適度な筋は残す。全体に軽く塩とコショウを振る。
- 2
牛肉の表面焼き
フライパンにオリーブオイルを熱し、牛肉の表面だけを軽く焼いて香ばしい焼き色をつける。中まで火を通さない。
- 3
ミルポワの準備
焼いた牛肉を取り出したフライパンで、細かく刻んだ玉ねぎ、セロリ、にんじんを炒めて香りを引き出す。潰したニンニクを加え、赤ワインを注ぐ。
- 4
牛肉の低温加熱
焼いた牛肉とミルポワを真空袋に入れ、92度で約2時間加熱する。ご家庭で真空調理器がない場合は、少量のブイヨンを加えて鍋で弱火で炊く。
- 5
ジェノベーゼソースの準備
バジル、パルミジャーノ、ペコリーノ、松の実、すりおろしたニンニク、キンキンに冷やしたオリーブオイルをフードプロセッサーに入れる。最初はパルス状に少しずつ回して全体を馴染ませ、最後に一気に滑らかになるまで回す。塩とコショウで味を整え、使う直前まで冷蔵庫で冷やす。
- 6
具材の準備
サヤインゲンを蒸し煮にしておく。ジャガイモを電子レンジで加熱する。牛肉の煮込みが完了したら、袋の中の旨味が詰まった汁をフライパンに移し、少し赤ワインとブイヨンを足して軽く煮詰め、濾す。牛肉をカットする。
- 7
パスタの茹で上げと和え
塩分濃度1%のお湯でリングイネ・リガーテを9分間茹でる。フライパンに濾したソース、カットした牛肉、ジャガイモ、インゲンを入れ、茹で上がったパスタを加えて手早く和える。全体にソースが絡めば火を止める。
- 8
盛り付けと仕上げ
お皿にパスタと具材を盛り付け、その上に冷たいジェノベーゼソースをたっぷりと盛る。ペコリーノとパルミジャーノを削りかけ、仕上げにオリーブオイルを回しかける。ジェノベーゼは全体を完全に混ぜ合わせず『ヘテロ』な状態で食べる。
料理の科学
牛ネック肉に豊富なイノシン酸と、パルミジャーノやペコリーノチーズに含まれるグルタミン酸が合わさることで、うま味の相乗効果が生まれます。また、硬いネック肉をじっくり加熱することで、コラーゲンが可溶性のゼラチンへと変化し、繊維がほどけて柔らかい食感になります。
「柔らか牛肉のジェノベーゼパスタ」の詳しい解説
※ 動画の内容をトピックごとに整理してまとめています。
古典を現代の知見で再構築する「ネオクラシコ」
ポンテベッキオの山根大助です。今回は、以前作ってお客様から非常に評判が良く、自分自身も美味しいと感じた ジェノベーゼ をご紹介します。ただし、普通のジェノベーゼを作るのではなく、少しアレンジを加えた古典料理に挑戦します。最近、私は ネオクラシコ というテーマを掲げています。これは、クラシック(トラディショナル)な古典料理をベースにしながらも、現代の調理技術や知見を活かしてもう一度再構築するという考え方です。単なる懐古主義ではなく、昔からあるメニューを「もっと美味しくできないか」と突き詰めるアプローチです。今回はそのネオクラシコの精神を体現した、特別なパスタに仕上げていきます。
厳選された食材と冷やすことへのこだわり
ジェノベーゼの材料には、新鮮な バジル 、 パルミジャーノ 、そして ペコリーノ チーズを使用します。最近、ペコリーノの持つ独特の風味が極めてイタリア料理らしさを引き立てると感じており、少し加えるのがこだわりです。ナッツには、少し炒った 松の実 を使いますが、なければくるみやピーナッツ、カシューナッツでも代用可能です。そして、今回の最大のポイントは「冷やすこと」です。 オリーブオイル やバジル、さらにはミキサーの容器までキンキンに冷やしておきます。これは、調理中の熱によってバジルの美しい緑色が飛んでしまうのを防ぐためです。アレンジ用の具材には、硬い部位ながら旨味の強い牛肉のネックや肩肉、エチュベ(蒸し煮)した サヤインゲン 、電子レンジで加熱した ジャガイモ を用意します。
開発に5年をかけた「Dカッター」での肉処理
今回は牛肉を驚くほど柔らかく仕上げるため、私が考案し、開発に5年をかけた秘密兵器 Dカッター を使用します。牛肉の繊維に対して垂直に刃を入れ、繊維を細かく断ち切っていきます。この処理を行うことで、加熱時間を大幅に短縮できるだけでなく、肉の旨味が外に逃げ出すのを防ぐことができます。刃を入れすぎると肉がボロボロになってしまうため、力加減には少し慣れが必要です。また、下のまな板に刃が当たると傷んでしまうので注意してください。余分な脂身や特に硬い筋は取り除きますが、適度な筋は加熱することでトロトロになり、非常に美味しくなります。下処理を終えたら、全体に軽めの塩とコショウを振っておきます。
旨味を閉じ込める92度の真空煮込み
フライパンに オリーブオイル を熱し、牛肉の表面だけを軽く焼きます。肉を硬くしたくないので、中まで火を通すのではなく、表面に香ばしい焼き色をつけるだけで十分です。肉を取り出したフライパンで、細かく刻んだ玉ねぎ、セロリ、にんじんの ミルポワ を炒めて香りを引き出し、潰したニンニクと 赤ワイン を加えます。赤ワインの水分がほぼなくなり、エキス状になるまでしっかりと煮詰めるのがポイントです。これを焼いた牛肉と一緒に真空袋に入れます。ご家庭に真空調理器がない場合は、少量のブイヨンを加えて鍋で弱火で炊いても同様に作れます。今回は92度の低温で約2時間加熱します。コラーゲンを溶かすには90度以上の温度が必要ですが、沸騰させると肉の繊維が硬くなるため、沸騰直前の92度でじっくり加熱するのがベストなのです。
摩擦熱を徹底的に排除するソース作り
牛肉を煮込んでいる間に、ジェノベーゼソースを作ります。まず、 バジル を包丁で荒く刻んでおきます。これは、フードプロセッサーにかける時間をできるだけ短縮するためです。プロセッサーの金属刃が高速で回転すると、摩擦熱が発生し、バジルが酸化して黒っぽく変色してしまいます。刻んだバジル、キンキンに冷やした オリーブオイル 、パルミジャーノ、ペコリーノ、松の実、あるいはすりおろしたニンニクをプロセッサーに入れます。最初はパルス状に少しずつ回して全体を馴染ませ、最後に一気に滑らかになるまで回します。出来上がったソースに塩とコショウを少々加えて味を調え、使う直前まで冷蔵庫でしっかりと冷やして、鮮やかな緑色をキープしておきます。
溝付きパスタ「リングイネ・リガーテ」の仕上げ
パスタには、イタリアのプレミアムパスタブランドであるボイエロの リングイネ・リガーテ を使用します。このパスタは平たいリングイネの表面に、縦に細かい溝(リガーテ)が入っているのが特徴で、ソースが非常によく絡みます。牛肉の煮込みが完了したら、袋の中の旨味が詰まった汁をフライパンに移し、少し赤ワインとブイヨンを足して軽く煮詰めて濾します。牛肉をカットする際、スタッフから「チャーシューっぽい」とツッコミが入り、ルクア大阪のラーメン店にある「D-麺」(Dは大助のD)の茶番で盛り上がる一幕も。パスタを塩分濃度1%のお湯で9分間茹で、フライパンに濾したソース、カットした牛肉、ジャガイモ、インゲンを入れ、茹で上がったパスタを加えて手早く和えます。全体にソースが絡めば火を止めます。
「ヘテロ」な混ざり具合がもたらす至高の味わい
お皿にパスタと具材を盛り付け、その上に冷たいジェノベーゼソースをたっぷりと盛り、ペコリーノとパルミジャーノを削りかけ、仕上げに オリーブオイル を回しかけます。ジェノベーゼは、全体を完全に混ぜ合わせてしまう「ホモ」な状態よりも、ソースがかかっている場所とかかっていない場所が混在する「ヘテロ」な状態で食べるのが、イタリア料理として最も美味しいと私は考えています。一口ごとにバジルの爽やかさ、牛肉の濃厚な旨味、ジャガイモやインゲンの食感が変化し、最後まで飽きずに楽しめます。まさに、古典を現代の技術で昇華させた ネオクラシコ の味わいです。番組が面白いと思った方は、ぜひチャンネル登録や高評価をお願いします。そして、ぜひお店にも食べに来てください!
ポンテベッキオ山根大助の全力イタリアンについて
ポンテベッキオ山根大助の全力イタリアン
登録者 3.6万人 ・ イタリアン
山根大助氏は1961年大阪生まれのイタリア料理シェフ。大阪あべの辻調理師専門学校卒業後、神戸のレストランを経て1984年にイタリアへ渡り、ミラノ「グアルティエロ・マルケージ」などで修業。1986年に帰国後、大阪にリストランテ・ポンテベッキオを開店し、現在は北浜本店を含む計4店舗を展開している。1999年・2002年にはガンベロロッソ誌で日本のイタリアン最高点を獲得、2004年にはイタリア政府よりカヴァリエーレ章を受勲するなど、数多くの実績を持つ。辻調グループ校友会会長やRED U-35審査員など、食に関わる多方面でも活動している。
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