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なぜ昔は雄鶏を赤ワインで煮たのか?|ブルゴーニュの郷土料理 コック・オ・ヴァン

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動画を追従表示中

Ingredients

ブルゴーニュの郷土料理コック・オ・ヴァンは、本来雄鶏を使用する赤ワイン煮込みです。この動画では丸ごと1羽の雄鶏を24時間赤ワインマリネしてから調理し、部位ごとの火入れ調整、フォンドボライユの活用、ガルニチュール・ブルギニョンの仕込みまで、伝統的な製法に則った本格的な調理プロセスを解説します。昔、硬い雄鶏肉をワインの酸と水分で柔らかく仕上げるために生まれた料理の歴史的背景も紹介します。

  • マリネ
    • 赤ワインに24時間漬け込むことで肉に深い風味を与え、ワインの酸によってコラーゲンを分解しやすくする
  • 火加減
    • もも肉と胸肉は肉質が異なるため、もも肉は1時間強煮込んでから胸肉を後半15分前に加えて別々に加熱する
  • アク取り
    • マリネ液を一度沸騰させて表面に浮いた大量のアクをしっかり取り除くことで、澄んだ雑味のない仕上がりになる
  • リソレ
    • 肉を焼き色がつくまで焼くことで香ばしい香りと焦げ(シュク)による旨味を引き出す
  • 味付け
    • 煮込み後に一晩寝かせることで味を馴染ませ、コーンスターチで濃度を調整してワインの色とツヤを活かす
24点

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  1. 1

    雄鶏を解体する

    丸ごと1羽の雄鶏(約2.4kg)を手羽先、手羽、もも肉、胸肉、ガラに切り分けます。もも肉は関節の筋に刃を当てるだけでペロッと外れます。胸肉は中に隠れた三つ叉の骨や軟骨を丁寧に取り除き、骨の端を事前にカットしておくことで煮込み後に骨が抜けやすくなります。ガラはフォンドボライユ用に大切に保存します。

    関節の筋に刃を当てる胸肉の骨の端を事前にカットガラは後でオーブン焼きに使用
  2. 2

    赤ワインでマリネする

    玉ねぎ、セロリ、人参(ミルポワ)をスライス、ニンニクを半分にカットします。バットに野菜を敷き、鶏肉を並べて上から残りの野菜をかぶせ、赤ワインピノ・ノワールをたっぷり注ぎます。セロリの葉、タイム、パセリの茎、黒コショウをお茶パックに詰めたブーケガルニを加え、落としラップをして冷蔵庫で24時間寝かせます。

    赤ワインを躊躇なく注ぐブーケガルニはお茶パックに詰める24時間冷蔵庫で寝かせる
  3. 3

    マリネ液を処理する

    翌日、肉と野菜、マリネ液をしっかり分けます。マリネ液を必ず一度沸騰させ、表面に浮き出た大量のアクを綺麗に取り除きます。このアク取りが澄んだ雑味のない仕上がりに直結する極めて重要なポイントです。

    マリネ液は必ず一度沸騰させる表面のアクを綺麗に取り除くアク取りで仕上がりが大きく変わる
  4. 4

    鶏肉をリソレする

    水気を拭き取った鶏肉に塩コショウし、薄力粉をまぶすファリネを行い、余分な粉をはたき落とします。フライパンに油を熱し、強火で皮目からしっかり焼き色をつけます。焼く目的は肉汁を閉じ込めるのではなく、香ばしい香りとフライパンに残る焦げ(シュク)の旨味を引き出すことです。

    強火で皮目から焼く余分な粉はしっかりはたき落とす焼き色で香りと旨味を引き出す
  5. 5

    野菜を炒めてフランベする

    同じフライパンでマリネした香味野菜を炒め、最後にコニャックを加えてフランベし、アルコールと香りを引き立たせます。

    コニャックでフランベして香りを立たせる
  6. 6

    デグラセして鍋に移す

    フライパンに残った旨味をマリネ液で溶かし出すデグラセを行い、その液体すべてを煮込み用の鍋へ移します。

    旨味をしっかり溶かし出す
  7. 7

    時間差で肉を煮込む

    鍋に炒めた野菜、デグラセした汁、フォンドボライユを注いでよく混ぜます。ここで重要なのは、胸肉以外(もも肉と手羽)だけを先に入れ、胸肉は後から加えることです。もも肉は結合組織が多いため1時間強の長時間加熱が必要ですが、胸肉は脂肪が少ないため最初から一緒に煮込むとパサパサになります。胸肉は煮込みの最後15分前に加えて優しく火を入れます。

    もも肉と胸肉を別々のタイミングで加熱もも肉は1時間強煮込む胸肉は最後の15分前に加える
  8. 8

    煮汁を整えて寝かせる

    火が通ったらすべての肉を取り出し、煮汁を濾して野菜を取り除きます。煮汁をさらに煮詰めてから肉を戻し、再び一晩冷蔵庫で寝かせて味を馴染ませます。

    肉を一度取り出して煮汁を濾す煮汁を煮詰める再び一晩寝かせて味を馴染ませる
  9. 9

    ペコロスを調理する

    丸くて小さいペコロス(小玉ねぎ)5~6個を鍋に入れ、水、塩、バター、グラニュー糖を加えて弱火でじっくり煮ます。

    弱火でじっくり煮るバターと砂糖を加える
  10. 10

    塩漬け豚バラとマッシュルームを焼く

    厚切りの塩漬け豚バラ100gを全面カリッと香ばしく焼き上げます。マッシュルーム100gも断面に綺麗な焼き色がつくようにソテーし、塩コショウで味を調えます。

    豚バラはカリッと焼くマッシュルームは断面に焼き色をつける
  11. 11

    ハート型クルトンを焼く

    パン・ド・ミ(食パン)をハート型にカットし、バターでカリカリに焼き上げます。この飾りは19世紀の文献にも登場する伝統的なものですが、ハート型の理由は現代でも明確な記録が残っていません。

    ハート型にカットバターでカリカリに焼く
  12. 12

    ソースの濃度を調整して盛り付ける

    温め直した煮込みの鍋にペコロス、ベーコン、マッシュルームを加えます。赤ワインの美しい色とツヤを活かすため、バターによるブールモンテは控えめにし、少量のコーンスターチでさらっとした濃度に仕上げます。お皿に美しく盛り付け、最後にハート型クルトンを添えて完成です。

    コーンスターチで濃度調整ワインの色とツヤを活かすハートクルトンで装飾
この料理が美味しくなる理由

赤ワインの酸(低pH)が硬い雄鶏の肉の結合組織を緩めて水分を保持しやすくし、煮込むことでコラーゲンがゼラチン化して柔らかく仕上がります。また、鶏肉に含まれるイノシン酸と、マッシュルームや野菜、フォン・ド・ヴォライユに含まれるグルタミン酸などのうま味成分が合わさることで相乗効果が生まれ、深いコクと豊かな味わいが引き出されます。

pH・酸性度の役割うま味成分

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※ 動画の内容をトピックごとに整理してまとめています。

雄鶏を丸ごとさばく伝統の技

今回はブルゴーニュの郷土料理である コック・オ・ヴァン を作っていきます。使用するのは、なんと丸ごと1羽の 雄鶏(オンドリ) です。重さは約 2.4kg もあり、非常に立派なサイズ感です。まずはこの雄鶏を丁寧に解体していきます。手羽先 の先端をカットし、手羽、もも肉、胸肉、そして ガラ に切り分けていきます。もも肉を外す際は、無理に力を入れず、関節の筋に刃を当てるだけでペロッと綺麗に取ることができます。胸肉の処理では、中に隠れている 三つ叉の骨 や軟骨を丁寧に取り除いていきます。この骨の端をあらかじめカットしておくことで、煮込んだ後に骨がするっと抜けやすくなるというプロならではの工夫があります。取り出したガラは、後でオーブンで焼いて フォンドボライユ(鶏の出汁) を取るために大切に取っておきます。

赤ワインで一晩じっくりマリネ

解体した雄鶏を、伝統的な手法に則って マリネ(漬け込み) していきます。まずは香味野菜である 玉ねぎ、セロリ、人参(これらを ミルポワ と呼びます)をスライスし、にんにく は半分にカットします。バットに野菜を敷き詰め、その上に鶏肉を並べたら、さらに上から残りの野菜を被せます。ここに、ブルゴーニュ産の赤ワイン ピノ・ノワール を躊躇することなくたっぷりと注ぎ込みます。さらに、セロリの葉、タイム、パセリの茎、黒コショウ をお茶パックに詰めて作った ブーケガルニ を加え、落としラップをして冷蔵庫で 一晩 じっくりと寝かせます。翌日、肉と野菜、そして マリネ液 をしっかりと分けます。このマリネ液は、煮込む前に必ず一度沸騰させて、表面に浮き出てくる大量の アク を綺麗に取り除きます。このひと手間が、雑味のない澄んだ仕上がりに直結する極めて重要なポイントです。

旨味を引き出すリソレとデグラセ

水気をしっかり拭き取った鶏肉に塩コショウをし、強力粉 をまぶす ファリネ という技法を行います。余分な粉はしっかりとはたき落としておきます。次に、フライパンに油を熱し、強火で肉の皮目からしっかりと焼き色をつける リソレ を行います。よく「旨味を閉じ込めるために焼く」と言われますが、科学的には肉汁を閉じ込める膜ができるわけではありません。ここでの本当の目的は、焼くことで生じる香ばしい香りと、フライパンの底にこびりつく旨味の焦げ(シュク)を作ることです。肉を焼き終えたら、同じフライパンでマリネした野菜を炒め、仕上げに コニャック を加えて フランベ し、アルコールと香りを引き立てます。そして、フライパンに残った旨味をマリネ液で溶かし出す デグラセ を行い、そのすべてを煮込み用の鍋へと移していきます。

部位に合わせた時間差の煮込み

鍋に炒めた野菜、デグラセした汁、そしてガラの骨から取った フォンドボライユ を注ぎ、よく混ぜ合わせます。ここに、先ほどリソレした鶏肉を加えていくのですが、ここで大きなこだわりがあります。それは、胸肉 以外の部位(もも肉や手羽など)だけを先に鍋に入れ、胸肉はまだ入れないということです。もも肉と胸肉では肉の構造が大きく異なります。もも肉は結合組織が多いため、長時間コトコトと 1時間強 煮込むことで柔らかくなりますが、胸肉は脂肪や結合組織が少ないため、最初から一緒に煮込むと水分が抜けてパサパサに硬くなってしまいます。そのため、胸肉は煮込みの後半、最後の 15分 ほど前にだけ加えて優しく火を入れます。火が通ったら一度すべての肉を取り出し、煮汁を濾して野菜を取り除き、さらに煮詰めてから肉を戻し、再び 一晩 寝かせて味を馴染ませます。

伝統の付け合わせとハートのクルトン

仕上げの段階に入り、伝統的な付け合わせ(ガルニチュール)を準備します。丸くて可愛らしい ペコロス(小たまねぎ) を鍋に入れ、水、塩、バター、グラニュー糖 を加えて弱火でじっくりと煮ていきます。さらに、厚切りの ベーコン を全面カリッと香ばしく焼き上げ、マッシュルーム も断面に綺麗な焼き色がつくようにソテーして塩コショウで味を調えます。そして、この料理に欠かせないのが、食パンを ハート型 にカットしてバターでカリカリに焼き上げた クルトン です。温め直した煮込みの鍋に、ペコロス、ベーコン、マッシュルームを合わせ、ソースの濃度を調整します。今回は赤ワインの美しい色とツヤを活かすため、バターによる ブールモンテ は控えめにし、少量の コーンスターチ でさらっとした濃度に仕上げました。お皿に美しく盛り付け、最後にハートのクルトンを添えれば完成です。

なぜ昔は雄鶏を赤ワインで煮たのか?

実食すると、お肉はフォークで簡単に崩れ、事前に骨の端をカットしておいたおかげで骨がするりと抜けます。赤ワインの深いコクが染み込んでいて、言葉を失うほどの美味しさです。さて、なぜ昔の人は 雄鶏 を赤ワインで煮たのでしょうか。実は、昔の雄鶏は筋肉が非常に発達しており、肉質が驚くほど硬かったのです。普通に焼いただけでは到底食べられない硬い肉を、ワインの酸と水分を利用して 長時間穏やかに加熱 することで、硬いコラーゲンを ゼラチン へと変化させ、柔らかく仕上げる知恵から生まれたのがこの料理です。「美味しい料理のために硬い肉を選んだ」のではなく、「手元にある硬い肉をいかに美味しく食べるか」という生活の知恵の結晶なのです。また、ハート型のクルトンは 19世紀 の文献にも登場する伝統的な飾りですが、なぜハート型なのかという理由は、実は現代でも明確な資料が残っておらず、歴史のロマンを感じさせます。

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高御仁(たかみ じん)は、フランス料理の技術と理論をベースに活動する料理人Vtuberです。世界のレシピを深掘りしながら、料理の背景にある「なぜ?」という哲学までわかりやすく解説することを特徴としています。視聴者の料理レベルアップを目標に掲げており、将来的にはプロ仕様のキッチンスタジオの設立や、ライブ配信を通じた視聴者との同時調理イベントの実現を目指しています。2025年8月に動画を初投稿し、2026年5月には登録者数5000人を突破しました。

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