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Table Ogino 荻野シェフに教わる"粗挽きソーセージ" 【フランス料理プロ養成講座】

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Ingredients

フランス料理プロの荻野シェフが教える粗挽きソーセージは、乳化したフランクフルト生地と粗挽き肉の二層構造が特徴です。豚モモ肉で作った塩溶性タンパク質による乳化生地に、豚バラ肉の粗挽き肉を混ぜ、65℃〜80℃の低温でボイルして冷却することで、ジューシーでプリッとした食感を実現します。

  • 下準備
    • 赤身肉(モモ肉)の筋や血の塊を徹底的に取り除く掃除作業が、雑味のない美味しさの基本
  • 計量・塩加減
    • 掃除後の正確な肉の重量に対して1.5%〜1.9%の塩分濃度が黄金比
    • 1.4kgなら28g
  • 温度管理
    • フードプロセッサーと材料をあらかじめ冷やし、ミキシング中の摩擦熱で温度が上がらないようにする
  • 乳化
    • でんぷん(片栗粉またはじゃがいも澱粉)を加えることで失敗を防ぎ、確実な結着力を生む
  • 火加減
    • ボイルは65℃〜80℃の低温で15〜20分
    • 沸騰させると内部の空気が膨張して破裂する
  • 仕上げ
    • ボイル直後に流水または氷水で急冷して状態を固定し、旨味を閉じ込める
8点

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  1. 1

    赤身肉の掃除

    豚モモ肉の表面にある筋、余分な脂、血管周りの血の塊を丁寧に取り除き、綺麗な赤身の状態に仕上げます。筋が残ったままミートミンサーにかけると摩擦熱で温度が上がり、風味が悪くなるため徹底的に排除することが重要です。

    筋や血塊を完全に除去摩擦熱防止が目的
  2. 2

    掃除後の肉を計量

    掃除後の赤身肉の正確な重量を計量します。掃除前に塩の分量を決めると、取り除いた分だけ肉が減るため最終的に塩辛くなってしまうため、この工程は絶対に必要です。

    掃除後の重さで計量する塩の配合比計算の基準
  3. 3

    器具と材料を冷やす

    フードプロセッサーとボウルをあらかじめ冷やし、赤身肉も半冷凍状態になるまでキンキンに冷やします。ミキシング中の摩擦熱で温度が上がると、脂と水分が分離してボソボソになるため、温度管理が最優先です。

    全ての器具と材料を冷やす摩擦熱による分離を防止
  4. 4

    フランクフルト生地の乳化

    冷たいミンチ肉、塩28g、細かくしたニンニクをフードプロセッサーに入れて回し、粘り気を出します。その後、冷たい氷水280ccを2回に分けて加え、マグロのネギトロのようなピンク色でしっとりとなめらかな乳化生地に仕上げます。最終的な練り上げ温度は8℃〜10℃を目指します。

    氷水は2回に分けて加える最終温度8℃〜10℃でんぷんを忘れずに加える
  5. 5

    散らし肉の準備

    豚バラ肉を粗挽きにし、塩(1.5%〜1.9%)、コショウ、片栗粉をまぶして下味をつけます。赤身と脂身のバランスが良いバラ肉を使用することで、心地よい噛みごたえとジューシーな旨味が生まれます。

    バラ肉を粗挽きにする塩は1.5%〜1.9%
  6. 6

    乳化生地と散らし肉を混ぜ合わせる

    乳化生地と散らし肉を1:1の同量で卓上ミキサーに入れ、全体に肉が均一に散るようにさっくりと混ぜ合わせます。練りすぎるとせっかくの粗挽き肉の食感が失われるため、混ぜ合わせる程度に留めるのがプロのコツです。

    乳化生地:散らし肉=1:1練りすぎない
  7. 7

    生地を豚腸に詰める

    出来上がった生地を豚腸に詰め、1個飛ばしでねじって成形します。

    1個飛ばしでねじる
  8. 8

    低温ボイル

    65℃〜80℃のお湯(目安は75℃)で15〜20分間茹でます。沸騰したお湯に入れると中の空気が膨張して皮が破裂するため、絶対に避けなければなりません。中心温度が75℃以上で2分間キープできれば完全に火が通ります。

    65℃〜80℃の低温ボイル沸騰させない中心温度75℃以上で2分
  9. 9

    急冷

    茹で上がったら即座に流水または氷水で一気に急冷して状態を固定します。乳化が成功していれば、茹で汁に油が一切浮きません。旨味をしっかりと閉じ込め、プリッとした弾力のある完璧なソーセージに仕上がります。

    すぐに急冷する流水か氷水使用
  10. 10

    提供方法

    冷蔵庫で保存し、提供時は一度お湯で温めてから、少量の油をひいたフライパンで表面に焼き色をつけます。すでに中まで火が通っているため、皮をパリッとさせるだけで完成です。

    事前に温める表面に焼き色をつける
この料理が美味しくなる理由

塩の作用で豚肉のタンパク質が溶出し、氷水や脂質を取り込んで乳化します。じゃがいも澱粉は加熱時に水分を抱え込む水分コントロールの役割を果たし、肉汁の流出を防ぎます。また、氷水で低温を保ちながら練ることで脂質の融解を防ぎ、加熱時にタンパク質が適切に熱凝固するため、ジューシーで弾力のある食感に仕上がります。

水分コントロール温度帯・加熱反応

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※ 動画の内容をトピックごとに整理してまとめています。

「乳化」が鍵を握るレベル2のソーセージ

荻野シェフが教える今回のソーセージ作りは、難易度で言うと「レベル2」に位置します。手軽に作れる サルシッチャ がレベル1だとすれば、今回は少し技術が必要なステップアップ編です。一般的にソーセージと聞くと、粗挽き肉をただ腸に詰めて焼いたものを想像しがちですが、プロが作る本物の粗挽きソーセージは構造が異なります。実は、しっかりと 乳化 させたなめらかな肉の生地( フランクフルト生地 )を作り、その中に食感を出すための粗挽き肉を散りばめるという、二段階の構成になっているのです。この乳化の技術こそが、噛んだ瞬間に肉汁が弾けるジューシーなソーセージを生み出すための、避けては通れない最も重要なポイントとなります。

命とも言える「赤身肉」の丁寧な掃除

ソーセージのベースとなる フランクフルト生地 には、豚の モモ肉 などの 赤身肉 を使用します。なぜ脂身の多いバラ肉ではなく赤身肉なのかというと、赤身肉に含まれるタンパク質が塩と反応することで、強力な粘り気( 塩溶性タンパク質 )を生み出すからです。調理の第一歩は、このモモ肉の表面にある筋や余分な脂を丁寧に取り除く「掃除」の作業です。筋が残ったまま ミートミンサー にかけてしまうと、機械の出口に筋が詰まって摩擦熱が発生し、お肉の温度が上がってしまいます。また、血管の周りにある血の塊なども臭みの原因になるため、徹底的に排除して綺麗な赤身の状態に仕上げることが、雑味のない美味しいソーセージを作るためのプロのこだわりです。

正確な計量と黄金比の塩加減

お肉の掃除が終わったら、必ず「掃除後の重さ」を正確に 計量 します。掃除前の段階で塩の分量を計算してしまうと、取り除いた筋や脂の分だけお肉が減るため、最終的な仕上がりがしょっぱくなってしまうからです。プロの現場では、お肉の重量に対して 1.5%〜1.9% (お肉1kgに対して 15g〜19g )の塩分濃度が黄金比とされています。今回はお肉1.4kgに対して1.9%にあたる 28g の塩を使用します。この塩加減はソーセージ作りにおいて絶対にブレてはいけない基準であり、これによって肉のタンパク質がしっかりと引き出され、極上の結着力とジューシーな食感が生まれるのです。

失敗を防ぐ温度管理とでんぷんの役割

生地作りにおいて、最も気を使うべきなのが 温度管理 です。ミキシング中にお肉の温度が上がってしまうと、せっかく繋がった脂と水分が分離してしまい、ボソボソとした仕上がりになってしまいます。そのため、使用する フードプロセッサー やボウルなどの器具はあらかじめ冷やしておき、お肉も半冷凍状態になるくらいキンキンに冷やした状態で作業を行います。さらに、結着を助けるために でんぷん ( 片栗粉 )を加えるのが失敗を防ぐ最大のコツです。でんぷんを入れないとほぼ100%分離して失敗してしまいます。今回は、約65℃という比較的低い温度から粘り気(結着力)を発揮してくれる じゃがいも澱粉 を使用し、確実な乳化を狙います。

氷水を加えて「ネギトロ状」に乳化させる

ミキシングの工程では、まず細かくしたニンニクと冷たいミンチ肉、そして塩を フードプロセッサー に入れて回し、お肉に粘り気を出します。そこに、お肉の重量の2割にあたる冷たい 氷水 (今回は 280cc )を2回に分けて加えていきます。お肉に水分を吸わせることで、まるでマグロの ネギトロ のような、しっとりとなめらかなピンク色の乳化生地が完成します。水分を加えることで肉の組織が膨らみ、ジューシーさが格段にアップするのです。最終的な練り上げ温度は 8℃〜10℃ を目指します。塩が入ってしっかりと粘りが出た後は、摩擦熱で少し温度が上がった方が、より綺麗に生地が繋がっていくという科学的なアプローチも解説されています。

旨味と食感をプラスする「散らし肉」の黄金比

なめらかな乳化生地が完成したら、次はソーセージに心地よい噛みごたえとジューシーな旨味をプラスするための「 散らし肉 」を準備します。これには、赤身と脂身のバランスが抜群に良い豚の バラ肉 を使用し、粗挽きにしておきます。この粗挽き肉にも、生地と同様に塩(1.5%〜1.9%)、コショウ、そして 片栗粉 をまぶして下味をつけておきます。乳化生地と散らし肉の配合比率は 1:1 の同量がベストです。これらを 卓上ミキサー に入れ、全体に肉が均一に散るようにさっくりと混ぜ合わせます。ここで練りすぎてしまうと、せっかくの粗挽き肉の食感が失われてしまうため、あくまで「混ぜ合わせる」程度に留めるのがプロの技です。

破裂を防ぐ絶妙な温度でのボイルと急冷

出来上がった生地を 豚腸 に詰め、1個飛ばしでねじって成形したら、いよいよ加熱の工程です。茹でる(ボイルする)際の温度は、上限を 80℃ ( 65℃〜80℃ の間)に保つことが絶対条件です。沸騰したお湯に入れてしまうと、中の空気が膨張して一気に皮が破裂してしまいます。目安としては 75℃ のお湯で 15分〜20分 茹で、中心温度が75℃以上で2分間キープできれば完全に火が通ります。茹で上がったらすぐに 流水 (または氷水)で一気に急冷して状態を固定します。乳化が成功していれば、茹で汁に油が一切浮きません。冷やすことで旨味をしっかりと閉じ込め、プリッとした弾力のある完璧なソーセージに仕上がります。

お店での提供方法と無限に広がるアレンジ

茹で上がったソーセージは冷蔵庫で保存します。お店で提供する際は、一度お湯で温めてから、少量の油をひいたフライパンで表面に美味しそうな焼き色をつけます。すでに中まで火が通っているため、皮をパリッとさせるだけで、噛んだ瞬間に口の中で肉汁が弾ける極上の味わいを楽しめます。また、このソーセージは シュークルート やトマト煮込みなどの料理で1時間以上煮込んでも、旨味が逃げずボソボソになりません。この基本の生地作りさえマスターすれば、ハーブやスパイスを加えたり、散らし肉を鴨肉や鹿肉に変えたりすることで、自分だけのオリジナルソーセージを無限に作り出すことができるようになります。

荻野フレンチアカデミー

荻野フレンチアカデミー

登録者 2,010人 ・ フランス料理

「荻野フレンチアカデミー」は、フランス料理に特化したプロ養成を目的としたYouTubeチャンネルです。フランス料理の技術や知識をプロレベルで学べるコンテンツを提供しています。概要欄によると、プロを目指す方向けの講座として位置づけられています。

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