Table Ogino 荻野シェフに教わる【パテ・ド・カンパーニュ/Pâté de campagne】前編

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Ingredients


荻野シェフのパテ・ド・カンパーニュを支える「レデュクション」は、玉ねぎ・ニンニク・マッシュルーム・パセリを牛乳とともに煮詰め、フードプロセッサーでペースト化した野菜エキスです。これを肉に混ぜ込むことで、スパイスだけでは出せない奥深く複雑な風味を実現します。澱粉は使わず、肉々しいザクザクした食感を重視した仕上がりを目指します。また、トマトなど酸味のある食材はpHの問題から離水の原因になるため使用しません。完成したレデュクションは必ず冷やしてから使用することが重要です。

  • 切り方

    最終的にミキサーでペースト状にするため、野菜の切り方は大雑把で問題ない。玉ねぎは繊維に逆らってスライスすることで、熱が通りやすく早く柔らかくなる。

  • 炒め方

    パセリは最初フライパンから溢れるほどの量でも、火が通ると一気にしんなり縮む。全体がしんなりするまでオリーブオイルでじっくり炒める。

  • 煮詰め方

    野菜が十分に炒まり旨味がフライパンの底にこびりつく一歩手前で牛乳200ccを加え、弱火でさらに水分を飛ばす。ヘラで混ぜた時にフライパンの底が見えるほど濃厚になるまで煮詰める。

  • 代替食材

    牛乳の代わりに赤ワイン・ポートワイン・ベルモットなどを使うと、より複雑な大人の風味に仕上がる。

  • 使用しない食材

    じゃがいもなどの澱粉質の野菜、ゴボウなどアクの強いもの、人参(断面に赤い粒が残る)はレデュクションに不向き。トマトやパプリカなど酸味のある食材は肉のpHを酸性に傾け離水の原因になるため、どうしても使う場合はドライトマトを細かく刻んで後から肉に直接混ぜ込む。

  • 澱粉について

    肉の重量の2〜2.5%ほどの澱粉(片栗粉・コーンスターチ等)を加えると断面が美しくなるが、肉の風味がぼやける。荻野シェフは肉々しいザクザクした食感を優先し、あえて澱粉を使わない。

  • 冷却

    ペースト化したレデュクションは、ボウルの下に氷水を当ててキンキンに冷やすことが必須。温かいまま肉に混ぜると脂が溶け出して分離しパテがうまく繋がらない。前日に作って冷蔵庫で完全に冷やしておくのがベスト。

6点

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  1. 01

    玉ねぎは繊維に逆らう方向にスライスする。ニンニク、マッシュルームも大雑把にカットする(最終的にミキサーにかけるため粗くて良い)。

  2. 02

    フライパンにオリーブオイルを入れ、玉ねぎ・ニンニク・マッシュルームを加えて炒める。

  3. 03

    野菜がしんなりしてきたら、大量のパセリを加える。最初はボリュームがあるが、火が通るとしんなり縮むのでそのまま炒め続ける。

  4. 04

    全体がしんなりし、旨味がフライパンの底にこびりつく一歩手前まで炒めたら、牛乳200ccを加える。

  5. 05

    弱火にしてさらに煮詰め、ヘラで混ぜたときにフライパンの底が見えるほど水分が完全に飛んだら火を止める。

  6. 06

    煮詰めた野菜をフードプロセッサー(ロボクープ)に移し、滑らかなペースト状になるまで撹拌する。

  7. 07

    ペースト状になったレデュクションをボウルに移し、ボウルの底に氷水を当てて急冷する。または保存容器に移して冷蔵庫で一晩しっかり冷やす。完全に冷えたものを肉に混ぜ込む(後編へ続く)。

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※ 動画の内容をトピックごとに整理してまとめています。

荻野シェフ流パテカンの真髄

視聴者からの熱い要望に応え、荻野シェフが「パテ・ド・カンパーニュ(パテカン)」の作り方を一から伝授します。シェフは過去に本を出版し、NHKなどのメディアでもレシピを紹介してきましたが、「未だに質問が来るということは、僕の教え方が悪いということですね」と自虐的なジョークを交えて笑いを誘います。そもそもパテカンとは、余った豚肉や端肉、スジ肉などをミンチにして型に入れて焼いた、家庭の残り物整理から生まれた料理。特別な材料を揃えて作るものではなかったという歴史的背景を説明しつつ、今回はレストランのプロの味として、家庭でも最高に美味しく作れる本格的なアプローチを紹介していきます。

旨味を凝縮するレデュクション

荻野シェフのパテカンの最大のこだわりであり、美味しさの鍵を握るのが「レデュクション(煮詰めたもの)」という野菜のエキスです。通常は肉にスパイスを混ぜて焼くだけでも作れますが、個性を出すためにこの手法を用います。使用する材料は、玉ねぎ大1個、ニンニク60g、マッシュルーム60g、パセリの葉40g、そして牛乳200cc。これら香りと味の強い野菜を牛乳と一緒にじっくり煮詰めることで、野菜の旨味が凝縮されたペースト状のエキスが完成します。これを肉に混ぜ込むことで、単に肉を丸めて焼いただけでは出せない、奥深く複雑な味わいを生み出すことができるのです。

食材の切り方と炒め方のコツ

レデュクションに使う野菜の下処理に入ります。最終的にミキサーでペースト状にするため、切り方は大雑把で構いません。玉ねぎは繊維に逆らってスライスすることで、熱が通りやすく早く柔らかくなります。カットした玉ねぎ、ニンニク、マッシュルームをフライパンに入れ、オリーブオイルで炒めていきます。フランス料理は「足し算の料理」と言われ、様々な要素を重ねることで複雑な美味しさを作ります。ここに大量のパセリを加えますが、最初はフライパンから溢れそうなボリュームでも、火が通ると空気が抜けて一気にしんなりと縮んでいきます。全体がしんなりするまでじっくりと炒め進めます。

美しさと美味しさのトレードオフ

ここでシェフは、パテの食感と仕上がりに関する重要な技術論を語ります。パテの断面をきれいに、崩れにくく仕上げるために、肉の重量に対して2〜2.5%ほどの澱粉(片栗粉やコーンスターチなど)を加える技法があります。澱粉を入れると保水性が高まり、カットした際にツルッとした美しい断面になりますが、一方で肉本来の味わいが少しぼやけてしまいます。荻野シェフが目指すのは、肉本来の旨味がダイレクトに伝わり、噛んだ瞬間に肉汁がジュワッと溢れ出すような、ザクザク・ボロボロとした肉々しい食感。そのため、今回のレシピではあえて澱粉を使わないこだわりを通しています。

牛乳を加えて極限まで煮詰める

野菜が十分に炒まり、旨味がフライパンの底にこびりつく一歩手前まで来たら、牛乳200ccを加えます。動画内でシェフは「明治おいしい牛乳」のパックを掲げ、「大人の事情です」とニヤリ。この牛乳を入れてから、さらに弱火でじっくりと水分を飛ばしていきます。牛乳の代わりに赤ワインやポートワイン、ベルモットなどを使えば、また違った大人の複雑な風味に仕上げることも可能です。ただし、じゃがいもなどの澱粉質の野菜や、ゴボウなどのアクの強いもの、断面に赤い粒が残って美しくない人参などは、この段階で一緒に煮詰めるのには向いていないとアドバイスします。

トマトをパテに入れない理由

アシスタントから「トマトを入れたら美味しそう」という意見が出ると、シェフは科学的な理由からそれを否定します。トマトやパプリカなどの酸味がある食材は、肉のpH(ペーハー)をアルカリ性から酸性へと傾けてしまい、肉のタンパク質が凝固して水分と油分が分離(離水)する原因になります。どうしてもトマトの風味を加えたい場合は、ペーストを混ぜるのではなく、ドライトマトを細かく刻んだものを、後から肉を練る段階で直接混ぜ込むのが正解です。料理の見た目の華やかさだけでなく、肉の化学変化まで計算し尽くされたプロならではの知識が光ります。

ペースト化と徹底的な冷却の重要性

水分が完全に飛び、ヘラで混ぜた時にフライパンの底が見えるほど濃厚に煮詰まったら火を止めます。これをフードプロセッサー(ロボクープ)に移して滑らかなペースト状にします。シェフは愛用の古いミキサーを「シルバニアファミリーのおもちゃみたい」と自虐しつつ、20年以上現役で使っている愛着を語ります。ペーストにしたレデュクションは、ボウルの下に氷水を当てて「キンキンに冷やす」ことが極めて重要です。温かいまま肉に混ぜてしまうと、肉の脂が溶け出して分離し、パテがうまく繋がらなくなってしまいます。前日に作って冷蔵庫で完全に冷やしておくのがベストです。

荻野フレンチアカデミー

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