#124 Georgeシェフとコラボ企画 ポール・ボキューズの伝統料理を金沢のバイ貝を使って再構築 作り込まれたガストロノミーの料理を実食します|星野晃彦

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Ingredients


金沢の近江町市場で仕入れたバイ貝とスズキを使い、ポール・ボキューズのクラシックなスペシャリテ(グルヌイユと鯉のクネル)を再構築したガストロノミー料理です。スズキのムースリーヌはニンニクピューレを加えて90度のスチームで蒸し上げ、バイ貝は70度の低温でコンフィにすることで驚くほど柔らかく仕上げます。仕上げに米粉をまぶしたムニエルにして食感を加え、鮮やかなクレソンのソースと合わせた一皿です。Georgeシェフとのコラボ企画として、調理哲学や食材への考え方についても深く語られています。

  • 下準備

    バイ貝は沸騰したお湯に約30秒くぐらせて霜降りにすることで、余分な脂・汚れ・臭みを除去し殺菌効果も得られる。その後氷水で急冷してから殻を割り、内臓は使わず身のみを掃除して約6〜7gの一口大にカットする。

  • 下準備

    ニンニクのピューレは、スライスしたニンニクを水から3回茹でこぼし(ブランシール)て辛味・臭みを抜いた後、牛乳とひとつまみの塩でコトコト約10分煮て、手で潰せる柔らかさになったらピューレにする。

  • 火加減

    バイ貝のコンフィは70度の低温で1時間加熱する。火を入れすぎると硬くなるため、この低温・長時間の火入れで繊維をほぐし柔らかく仕上げる。いわば『ミ・コンフィ(半コンフィ)』に近いアプローチ。

  • 火加減

    スズキのムースリーヌ(フラン)は生地をOPPシートを敷いたバットに7ミリの厚みで伸ばし、90度に設定したスチームオーブン(ヴァプール)で15分間蒸し焼きにして卵の凝固力で優しく固める。

  • 成形・盛り付け

    蒸し上がったフランは5cmのセルクルで丸くくり抜き、同サイズのパセリのクルートを重ねてサラマンダーで表面を香ばしく焼く。生地の厚みは7ミリが理想で、ミリ単位の差が料理全体のスタイルと美しさを左右する。

  • ムースリーヌの作り方

    スズキ300gと塩をロボクープでしっかり粘りが出るまで攪拌し、卵白・生クリーム・常温バターを順に加えてさらに混ぜる。生地はリキッド(緩い)状態が正常。シノワで裏ごし(タミゼ)してなめらかにしてからニンニクピューレ約50gを加え均一に混ぜる。

  • 仕上げ

    コンフィしたバイ貝には小麦粉ではなく米粉をまぶし、泡立てたバターで優しく温めながら、みじん切りにしたニンニク・エシャロット・パセリを加えてムニエルに仕上げることで軽くサクサクとした食感が生まれる。

22点

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  1. 01

    【ニンニクのピューレ】にんにくを薄くスライスし、鍋に入れて水から3回茹でこぼす(ブランシール)。

  2. 02

    茹でこぼしたにんにくに牛乳をひたひたに注ぎ、塩ひとつまみを加えてコトコトと約10分間、手で潰せるほど柔らかくなるまで煮込む。煮たにんにくをピューレ状にする。

  3. 03

    【スズキのムースリーヌ】スズキを三枚におろし、身300gを計量する(端材もムースリーヌに活用)。

  4. 04

    ロボクープにスズキの身300gと塩6gを入れ、しっかりと粘りが出るまで攪拌する。

  5. 05

    卵白270g、生クリーム150g、常温に戻したバター120gを順に加えながらさらに攪拌する(生地はリキッドな状態で正常)。

  6. 06

    出来上がった生地をシノワ(網)で裏ごし(タミゼ)してなめらかにする。

  7. 07

    裏ごしした生地にニンニクのピューレ約50gを加え、ホイッパーで均一に混ぜ合わせる。

  8. 08

    OPPシートを敷いたバットに生地を流し入れ、パレットナイフで厚み7ミリに均一に伸ばす。

  9. 09

    バットに蓋をして、90度に設定したスチームオーブン(ヴァプール)で15分間蒸し焼きにして固める。

  10. 10

    【バイ貝のコンフィ】生きているバイ貝を沸騰したお湯に約30秒くぐらせて霜降りにし、氷水で急冷する。

  11. 11

    殻を器具で叩き割って身を取り出し、内臓(肝)は使わず身のみを掃除する。身を半分に割り、一口大(約6〜7g)にカットする。

  12. 12

    真空袋にバイ貝を入れ、全体量の約0.5%の塩で薄く下味をつける。タイムとひたひたのオリーブオイルを加えて真空パックにする。

  13. 13

    70度の低温で1時間加熱してコンフィにする。

  14. 14

    【仕上げ・盛り付け】蒸し上がったフランを5cmのセルクルで丸くくり抜く。同じ大きさに抜いたパセリのクルートを重ね、サラマンダーで表面を香ばしく焼き上げる。

  15. 15

    コンフィしたバイ貝に米粉をまぶし、泡立てたバターで優しく温めながら、みじん切りにしたにんにく・エシャロット・パセリ・タイムを加えてムニエルに仕上げる。

  16. 16

    温めたクレソンのソース(ソース・クレソニエール)を皿に敷き、中央にフランを置き、その上にバイ貝のムニエルを盛り付け、マイクロクレソンを飾って完成。

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※ 動画の内容をトピックごとに整理してまとめています。

金沢の恵みで再構築する伝統料理

金沢の台所・近江町市場でGeorgeシェフと合流した星野晃彦シェフ。今回の特別コラボ企画では、フランス・リヨンの巨匠ポール・ボキューズの伝統料理を、金沢の素晴らしい地元食材を使って再構築します。本国フランスでは「グルヌイユ(カエル)」と「鯉」を使うクラシックなスペシャリテを、今回は近江町市場で仕入れた新鮮な「バイ貝」と「スズキ」に置き換えて表現します。星野シェフは「石川県産の今一番旬の食材を使って、夏らしくてワインが飲みたくなるような一皿に仕上げたい」と意気込みを語り、自身のスペシャリテの1つに育て上げたいという熱い想いを明かします。東京でのコラボ以来、久しぶりの共演となる二人は、和気あいあいとした雰囲気の中で特別なガストロノミーの世界へと足を踏み入れます。

「作り込む料理」へのこだわり

厨房に入り、まずはベースとなるスズキの処理からスタートします。立派なスズキを前に、星野シェフはGeorgeシェフにニンニクの掃除を依頼し、自身は手際よく魚をおろしていきます。作業を進めながら、星野シェフは自身の料理に対する心境の変化を語ります。「以前はワサッと盛り付けるようなナチュラルなスタイルが好きだったけれど、この金沢のレストランを任されてからは、しっかりと作り込んだ構築的な料理でなければダメだと思うようになった」と告白。美しく成形する過程でどうしても出てしまう端材やクズ肉も、ムスリーヌなどの別のパーツとして余すことなく使い切るのがフランス料理の真髄です。食材への深い敬意と、ミリ単位の美しさを追求するプロフェッショナルとしての覚悟が垣間見える瞬間です。

味の骨格を作るニンニクピューレ

料理の味わいに深い骨格を与えるため、丁寧なニンニクのピューレ作りが行われます。Georgeシェフが高速でスライスしたニンニクを鍋に入れ、水から3回茹でこぼす「ブランシール」という作業を繰り返します。星野シェフは「この作業によって余分な辛味や臭みを取り除き、ニンニクの純粋な旨味だけを抽出できる」と説明。その後、牛乳と一ずつまみの塩を加えてコトコトと約10分間、手で潰せるほど柔らかくなるまで煮込んでいきます。Georgeシェフは「家庭ではプロのようにブイヨンを贅沢に使えないからこそ、ニンニクや玉ねぎといったアロマネギューム(香味野菜)で味の土台を決めることが本当に重要。醤油のような感覚で使っている」と、自身のYouTube動画でもニンニクを多用する理由を熱く語り、二人は香味野菜の持つ役割の大きさに深く共感し合います。

筋肉が唸るタミゼの共同作業

続いて、スズキの身を使った極上のムスリーヌ(フラン)を作ります。ロボクープにスズキ300gと塩を入れ、しっかりと粘りが出るまで回します。そこに卵白、生クリーム、常温に戻したバターを順に加え、さらに攪拌します。出来上がった生地は非常にリキッド(緩い)な状態ですが、これは卵の凝固力を利用して滑らかなフランに仕上げるための計算された配合です。この生地をよりなめらかにするため、シノワ(網)で濾す「タミゼ(裏ごし)」の作業に入ります。ここでGeorgeシェフが裏ごしを手伝うと、その逞しい腕 of 筋肉に星野シェフは大興奮。「めちゃくちゃマッチョな腕が一番映えるかも!」「腕もカメラでしっかり撮ってください!」と現場は大盛り上がり。Georgeシェフは「筋肉はついたけど持久力がなくなって、ベジータみたいに瞬発力しかない」と笑いを誘います。

ミリ単位の美学とヴァプール

裏ごしした美しいスズキのムスリーヌに、先ほど作ったニンニクのピューレを約50g加えてホイッパーで均一に混ぜ合わせます。これをOPPシートを敷いたバットに流し入れ、パレットナイフを使って丁寧に平らに伸ばしていきます。星野シェフのこだわりは、この時の生地の厚みを「7ミリ」にすること。「5ミリでも8ミリでもなく、7ミリが理想。お皿に盛ったときのミリ単位の高さやセルクルの大きさの違いで、料理全体のスタイルや美しさが全く変わってしまう」と、ガストロノミーにおける造形美の重要性を語ります。生地を流したバットに蓋をし、90度に設定したスチームオーブン(ヴァプール)で15分間じっくりと蒸し焼きにし、卵の力で優しく固めて極上のフランを完成させます。

バイ貝の霜降りと丁寧な下処理

メイン食材である金沢のバイ貝の下処理に移ります。まだ生きている新鮮なバイ貝を、沸騰したお湯に約30秒間くぐらせて「霜降り」にします。星野シェフは「お肉でもお魚でも、霜降りをすることで余分な脂や汚れ、砂、独特の臭みを取り除くことができ、殺菌効果もある」と、このひと手間の重要性を力説します。お湯から引き上げて氷水で急冷したバイ貝の殻を、器具を使って叩き割り、身を取り出します。今回は内臓(肝)は使用せず、美味しい身の部分だけを贅沢に使用。半分に割って汚れを綺麗に掃除し、一口大(約6〜7g)にカットします。Georgeシェフが「金沢ではおでんの具材としても定番ですよね」と話すと、星野シェフも頷き、地元で愛されるバイ貝の魅力を再確認します。

旨味を閉じ込める低温コンフィ

カットしたバイ貝を、フランス料理の技法である「コンフィ」で仕上げていきます。真空袋にバイ貝を入れ、全体の重量に対して約0.5%の塩で薄めに下味をつけます。そこに爽やかな香りのタイムと、ひたひたになる程度のオリーブオイルを注ぎ、真空パックにします。これを70度の低温で1時間じっくりと加熱します。星野シェフは「貝類は火を入れすぎると硬くなってしまうが、この低温でじっくりコンフィにすることで、バイ貝の繊維が程よくほぐれて驚くほど柔らかく仕上がる」と、その科学的なアプローチを説明。Georgeシェフも「通常のコンフィよりも短時間で仕上げる、いわば『ミ・コンフィ(半コンフィ)』のようなアプローチですね」と、その繊細な火入れ技術に深く感心します。

伝統の再構築、至高の実食

いよいよ仕上げと盛り付けです。蒸し上がったフランを5cmのセルクルで丸くくり抜き、その上に同じ大きさに抜いた鮮やかな緑色の「パセリのクルート」を重ねてサラマンダーで表面を香ばしく焼き上げます。コンフィしたバイ貝には小麦粉ではなく「米粉」をまぶし、バターを泡立てながら優しく温め、ニンニク、エシャロット、パセリのみじん切りを加えてサクサクとした軽い食感のムニエルに仕上げます。温めた鮮やかなクレソンのソースを皿に敷き、中央にフランを置き、その上にバイ貝のムニエルを美しく盛り付け、マイクロクレソンを飾って完成です。実食したGeorgeシェフは「めちゃくちゃ美味い!米粉のサクサク感とバイ貝の旨味、そしてスズキ of フランの滑らかなコクが完璧に調和している。ストーリーがしっかりしていて本当に素晴らしい料理」と大絶賛。星野シェフも「地方の素晴らしい食材を使い、レシピに落とし込んで記憶に残る料理を伝えていきたい」と、料理人としての深い情熱を語り、コラボを締めくくりました。

星野晃彦シェフ Teruhiko Hoshino

星野晃彦シェフ Teruhiko Hoshino

登録者 12.3万人 ・ フランス料理

星野晃彦シェフによる料理系YouTubeチャンネルです。もともと東京・銀座で活動していましたが、現在は石川県金沢市の「ジャルダン ポール・ボキューズ」にシェフとして拠点を移しています。チャンネルでは、レストランで実際に提供しているフランス料理のレシピを忠実に紹介することをコンセプトとしており、これまでに100本以上の伝統的なフランス料理レシピを公開しています。日本語と英語で発信されており、国内外の視聴者に向けて情報を届けています。

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