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#105 ヒラメが姿を変える ムニエル、グラチネ、ブールノワゼット、ムースリーヌ Flounder Meuniere 星野晃彦シェフ | Bocuse at Home

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Ingredients

フランスの古典料理「舌平目のムニエル」をヒラメで現代風にアレンジした上級フレンチ。ムニエルで焼いたヒラメに、ソースムースリーヌ(オランデーズソースとソースヴァンブランの合わせソース)とソースブールノワゼット(焦がしバターケッパーソース)の2つのソースを合わせ、グラチネで仕上げます。バターの乳化、火加減、温度管理といったフレンチ料理の基本技法が詰まった逸品です。

  • 下準備
    • ヒラメを5枚おろしする際は、えんがわに事前に切れ目を入れると後でおろしやすくなる
    • 人差し指を包丁の背に添わせ、包丁の先端があるかのように神経を尖らせて優しく骨に沿わせるのが美しくおろすコツ
  • ソース作り
    • オランデーズソースは卵黄と水を60:40の比率にするとソースが固めに仕上がる
    • 火は約60~70℃をキープし、沸騰したソースヴァンブランを加えるのは厳禁(卵が固まって分離する)
  • 火加減
    • ムニエル時のバターは細かく泡立ってムース状になったタイミングで魚を投入し、スプーンでバターの泡をかける『アロゼ』を行う
    • 火が強すぎると泡が消え、弱すぎると香ばしくならない
  • 味付け
    • ソースブールノワゼットは焦がしバターにケッパー、グラス・ド・ヴィアンド、レモンコンカッセ、パセリを加えてバターの濃厚さを引き締める
    • 酸味とバターのコントラストが重要
16点

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  1. 1

    ヒラメの下処理と5枚おろし

    ヒラメのエラとウロコを取り除き、頭を落として内臓をきれいに洗い流す。真水で洗った後にしっかり水分を拭き取る。頭を左、お腹を手前に置き、中央の大きな骨に沿って包丁を入れていく。事前にえんがわに切れ目を入れておくと後でおろしやすい。人差し指を包丁の背に添わせて優しく骨に沿わせることが美しい5枚おろしのコツ。

    包丁の先端があるかのように神経を尖らせるえんがわに事前に切れ目を入れる水気をしっかり拭き取る
  2. 2

    ヒラメの準備と味付け

    下ろしたヒラメの皮を引き、長方形に整えたアンフィレ(切り身)を作る。素材の良さを活かすため、塩のみで味付けし、小麦粉をまぶしてムニエルの準備をする。

    皮を丁寧に引く塩のみで味付け小麦粉は余分な粉を叩き落とす
  3. 3

    オランデーズソースの作成

    卵黄3個(約60g)に対し、20ccレードルで2杯のお湯(40cc)を加える。鍋を火にかけ弱火から中火で泡立てる。右手で泡立て器を8の字に動かし、左手で鍋を回すことで熱の入り方を均一にする。鍋の側面を触り、熱くて2秒以上触れない温度(約60~70℃)をキープしながら卵黄に火を入れ、温かいブールクラリフィエを少しずつ加えて乳化させる。

    卵黄と水の比率を60:40にして固めに仕上げる火は約60~70℃をキープブールクラリフィエを少しずつ加える
  4. 4

    ソースムースリーヌの完成

    オランデーズソースが乳化したら火から下ろし、ぬるめに温めておいたソースヴァンブラン200gを加える。沸騰したソースを入れると卵が固まって分離するため、温度管理が極めて重要。塩で味を調えて完成。

    沸騰したソースを入れないソースヴァンブランはぬるめに温める塩で味を調整
  5. 5

    付け合わせの準備

    ほうれん草を焦がしバターで炒め、生クリームを加える。

    焦がしバターを使う
  6. 6

    ヒラメのムニエルと『アロゼ』

    銅鍋にたっぷりのバターを入れて熱し、バターが細かく泡立ってムース状になったタイミングで、小麦粉をまぶして余分な粉を叩き落としたヒラメを投入する。スプーンでバターの泡をすくい、魚の表面にかけながら火を入れるアロゼを行う。途中で冷たいバターを足して温度を調節し、ひっくり返してさらにアロゼを続ける。金串を刺してすっと通り、唇に当てて温かければ火が入っている。

    バターが泡立つまで待つアロゼで均一に火を入れる泡の状態をキープする火加減が重要
  7. 7

    ソースブールノワゼットの作成

    ヒラメを取り出した後の鍋に残ったバターをさらに加熱して焦がしバター(ブールノワゼット)に仕上げる。そこにケッパーを加えてパチパチと弾けさせ、深みのある旨味を加えるためにグラス・ド・ヴィアンド(フォンドヴォーを煮詰めたもの)を少量加える。塩で味を調整し、レモンのコンカッセ(粗みじん切り)を加えて爽やかな酸味をプラスする。最後に刻んだパセリを加える。

    焦がしバターを香ばしく仕上げるケッパーで爽やかさを加えるレモンの酸味でバターを引き締める
  8. 8

    盛り付けとグラチネ

    温めた皿にほうれん草を敷き、その上に焼き上がったヒラメをのせる。ヒラメの上には、チーズ、アーモンドパウダー、バター、デュクセル・ド・シャンピニオンを合わせた特製のクルート(シート状の薄い生地)をのせ、サラマンダーで軽く温める。そこに温かいソースムースリーヌをたっぷりとかけ、再びサラマンダーに入れて表面を美しくグラチネ(焼き色をつける)する。仕上げに、ソースブールノワゼットを周りに流し、パセリ、ローストしたアーモンドエフィレ、粉チーズを散らして完成。

    サラマンダーで丁寧にグラチネするソースムースリーヌは温かいまま使用最後に飾りで華やかに仕上げる
この料理が美味しくなる理由

ヒラメのイノシン酸に、シャンピニオンやチーズのグルタミン酸・グアニル酸が合わさることで、うま味の相乗効果が生まれます。また、ムニエルや焦がしバターの加熱プロセスにおいて、アミノ酸と糖が反応するメイラード反応が起こり、豊かな風味とコクが引き出されます。さらに、レモンやケッパーの酸味が加わることで、濃厚なソースの味わいに五味のバランスをもたらします。

うま味成分温度帯・加熱反応五味・六味のバランス

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※ 動画の内容をトピックごとに整理してまとめています。

伝統料理の現代風アレンジとヒラメの魅力

ブラッスリー ポール・ボキューズ 銀座の料理長、星野晃彦シェフが紹介するのは、フランスの古典料理「舌平目のムニエル」を現代風にアレンジしたヒラメのソースムースリーヌです。フランスでは非常にポピュラーな舌平目ですが、日本では手に入りにくいため、代わりに日本で手に入る素晴らしい白身魚であるヒラメを使用します。この料理は、ヒラメをムニエルにし、その焼き汁のバターをソースブールノワゼット(焦がしバターソース)に仕上げ、さらに別で作るソースヴァンブラン(白ワインソース)とオランデーズソースを合わせたソースムースリーヌを重ねていく、フランス料理の伝統的な「重ねる」技法が詰まった一皿です。シェフは「フランス料理の素晴らしさが伝わる料理」と熱く語ります。

ヒラメの丁寧な下処理と「5枚おろし」の極意

調理はヒラメの下処理から始まります。シェフは「左に頭があるのがヒラメ、右にあるのがカレイ」というお馴染みの見分け方を交えながら、エラとウロコを取り除いた小ぶりなヒラメの頭を落とし、内臓をきれいに洗い流します。魚を触る際は、真水で洗った後にしっかりと水分を拭き取ることが非常に重要です。おろし方は、頭を左、お腹を手前に置くのが星野流。ヒラメの真ん中を通る大きな骨に沿って包丁を入れていきますが、事前にえんがわの部分に少し切れ目を入れておくことで、後でおろしやすくなります。包丁を持つ右手の人差し指を包丁の背に添わせ、まるで指先が包丁の先端にあるかのように神経を尖らせて優しく骨に沿わせるのが、きれいに5枚おろしにするコツです。

レストラン流!鍋で作る濃厚オランデーズソース

今回は、ヒラメの皮を引き、長方形に整えた切り身(アンフィレ)を使用します。味付け(アセゾネ)は素材の良さを活かすために塩のみで行い、小麦粉(ファリネ)をまぶしてムニエルにする準備をします。次に、ソースのベースとなるオランデーズソースを作ります。通常は湯煎でボウルを温めながら泡立てますが、レストランの現場では手早く仕上げるために鍋で直接作ることもあります。今回は卵黄3個(約60g)に対し、20ccレードルで2杯のお湯(40cc)を加えます。通常は同割ですが、今回はソースを少し固めに仕上げるためにあえて水分を少なめの「60:40」の比率にするのがプロのこだわりです。

絶妙な乳化で仕上げる「ソースムースリーヌ」

鍋を火にかけ、弱火から中火で泡立てていきます。シェフは「右手はアクセル(泡立て器を8の字に動かす)、左手はハンドル(鍋を回す)」という独特の表現で、火の入り方を均一にするコツを解説します。鍋の側面を触り、熱くて2秒以上触れない温度(約60〜70℃)をキープしながら、卵黄にしっかりと火を入れます。火が通ったら火から下ろし、温かいブールクラリフィエ(澄ましバター)を少しずつ加えながら乳化させます。さらに、ぬるめに温めておいたソースヴァンブランを加えていきます。沸騰したソースを入れると卵が固まって分離してしまうため、温度管理が極めて重要です。最後に塩で味を調え、極上のソースムースリーヌが完成します。

バターの泡で包み込む「アロゼ」とムニエルの火入れ

付け合わせには、焦がしバターで炒めて生クリームを加えたほうれん草を用意します。いよいよヒラメのムニエルです。銅鍋にたっぷりのバターを入れて熱し、バターが細かく泡立ってムース状(ムースリーヌ状)になったタイミングで、小麦粉をまぶして余分な粉を叩き落としたヒラメを投入します。スプーンでバターの泡をすくい、魚の表面にかけながら火を入れるアロゼ(arroser)を行います。途中で冷たいバターを足して温度を調節し、ひっくり返してさらにアロゼを続けます。火が強すぎると泡が消え、弱すぎると香ばしくならないため、泡の状態をキープする火加減が命です。金串を刺してすっと通り、唇に当てて温かければ完璧に火が入っています。

旨味と酸味を凝縮した「ソースブールノワゼット」

ヒラメを取り出した後の鍋には、魚の旨味が溶け出したバターが残っています。これをさらに加熱して、香ばしい焦がしバター(ブールノワゼット)に仕上げます。そこにケッパーを加えてパチパチと弾けさせ、さらに深みのある旨味を加えるためにグラス・ド・ヴィアンド(フォンドヴォーを煮詰めたもの)を少量加えます。味見をして塩で調整し、仕上げにレモンのコンカッセ(粗みじん切り)を加えて爽やかな酸味をプラスします。最後に刻んだパセリを加えれば、クラシックでありながら洗練されたソースブールノワゼットの完成です。ケッパーとレモンの酸味が、バターの濃厚さを引き締める重要な役割を果たします。

華やかな盛り付けとグラチネ、そして至福の試食

温めた皿にほうれん草を敷き、その上に焼き上がったヒラメをのせます。ヒラメの上には、チーズ、アーモンドパウダー、バター、デュクセル・ド・シャンピニオンを合わせた特製のクルート(シート状の薄い生地)をのせ、サラマンダーで軽く温めます。そこに温かいソースムースリーヌをたっぷりとかけ、再びサラマンダーに入れて表面を美しくグラチネ(焼き色をつける)します。仕上げに、先ほどのソースブールノワゼットを周りに流し、パセリ、ローストしたアーモンドエフィレ、粉チーズを散らして完成です。試食したシェフは「美味い!」と大絶賛。濃厚なムースリーヌと焦がしバターのコク、そして酸味のコントラストが絶妙な一皿です。

星野晃彦シェフ Teruhiko Hoshino

星野晃彦シェフ Teruhiko Hoshino

登録者 12.3万人 ・ フランス料理

星野晃彦シェフによる料理系YouTubeチャンネルです。もともと東京・銀座で活動していましたが、現在は石川県金沢市の「ジャルダン ポール・ボキューズ」にシェフとして拠点を移しています。チャンネルでは、レストランで実際に提供しているフランス料理のレシピを忠実に紹介することをコンセプトとしており、これまでに100本以上の伝統的なフランス料理レシピを公開しています。日本語と英語で発信されており、国内外の視聴者に向けて情報を届けています。

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