明治時代の家庭料理、原典通りにつくってみた

PR

Ingredients


明治26年の料理書『素人料理年中惣菜の仕方』を基に、人参飯風呂吹きさつまいも落とし芋のすまし汁焼き干物から構成される明治時代の家庭料理セットを再現します。厚切りかつお節でお出汁を取り、長芋をおろして弾力を出すなど、当時の調理技法を丁寧に実践。電気や現代調理器具に頼らない時代の、素朴で奥深い家庭料理の味わいを体験できます。

  • 下準備
    • 人参は1寸(約3cm)の薄い短冊切りに統一し、さつまいもは厚さ5分(約1.5cm)に切った後、酢水につけながら丁寧に皮を剥く
  • 下準備
    • 長芋をおろし器で丁寧におろした後、箸で書き混ぜることで驚くほどの弾力が出て、餅のようにつかめるようになる
  • 火加減
    • さつまいもは蒸し器で約20分ゆっくり蒸し上げる
  • 火加減
    • 人参飯は沸騰後、弱火で約12分炊き、火を止めてから約10分蒸らす
  • 出汁
    • 厚切りのかつお節を水で煮立てて布で濾し、当時のシンプルな出汁を再現する
  • 味付け
    • 風呂吹きの味噌だれは赤味噌と酒をすり鉢で合わせて加熱し、上部の柔らかい部分のみを使う
14点

※ 材料名をタップするとAmazonで関連商品を探せます

  1. 1

    人参を1寸(約3cm)の薄い短冊切りに切り揃える

  2. 2

    さつまいもを厚さ5分(約1.5cm)に切り分け、酢水につけながら皮を丁寧に剥く

  3. 3

    長芋の皮を剥き、おろし器で丁寧におろす。箸で書き混ぜて弾力を出す

  4. 4

    水に厚切りのかつお節を加えて煮立て、布で濾して出汁を取る

  5. 5

    出汁を取り分け、醤油を薄く加えてすまし汁のベースを作る

  6. 6

    さつまいもを蒸し器に入れ、約20分蒸し上げる

  7. 7

    赤味噌と酒をすり鉢で合わせてすり、鍋に移して加熱。上部の柔らかい部分のみを使う

  8. 8

    だし汁にみりんと醤油を加えて沸騰させ、人参を投入。弱火で約12分炊き、火を止めてから約10分蒸らす

  9. 9

    ほうれん草を茹でて冷水に取り、絞ってカットし、醤油をかけてお浸しにする

  10. 10

    アジの干物を網でじっくり焼き上げる

  11. 11

    人参飯を器に盛り、ちぎった浅草海苔と千切りネギを薬味として載せる

  12. 12

    すまし汁にお出汁を加え、おろした長芋を浮かべ、浅草海苔を散らす

  13. 13

    蒸し上がったさつまいもに温めた味噌だれとおろし生姜を添える

この料理が美味しくなる理由

かつお節のイノシン酸と、味噌や醤油、海苔に含まれるグルタミン酸が合わさることで、うま味の相乗効果が生まれ、料理全体のコクが向上します。また、さつまいもをじっくり蒸し上げることで、内部の酵素(β-アミラーゼ)が働き、澱粉が甘味の強い麦芽糖へと分解され、素材本来の甘味が引き出されます。

うま味成分酵素反応

PR

※ 動画の内容をトピックごとに整理してまとめています。

明治時代のリアルな家庭料理に迫る

明治時代、日本は急速な西洋化を遂げ、ライスカレーシチューなどの西洋料理を出す店が増えていきましたが、一般家庭の台所は依然として井戸水を汲み、かまどで調理する江戸スタイルが主流でした。今回参考にするのは、明治26年(1893年)に花の屋胡蝶によって書かれた『素人料理年中惣菜の仕方』です。この本は、どの地域でも手に入る食材や調味料を使い、簡単に作れる日常のおかずを網羅しています。汁物から飯ものまでジャンルごとに分かれており、それぞれから1品ずつ選べばその日の献立が完成するという、非常に効率的な構成になっています。見栄えや流行にとらわれない、実直な家庭料理を作っていきます。

旬の食材を活かした丁寧な下ごしらえ

まずは野菜の仕込みから始めます。人参は、冬が旬の食材で、今回は人参飯に使用します。長さ1寸(約3cm)の薄い短冊切りに切り揃えていきます。続いて、同じく冬の料理である風呂吹きに使うさつまいもを準備します。厚さ5分(約1.5cm)に切り分け、変色を防ぐために酢水につけながら、包丁で丁寧に皮を剥いていきます。さつまいもは中南米原産で、フィリピンや中国、琉球を経て日本全国に広まり、多くの命を救ってきた歴史があります。現代のスーパーフードよりもはるかに優れた食材と言えるかもしれません。

伝統的な調味料と驚きの長芋の弾力

さつまいもの風呂吹きにかける味噌だれを作ります。すり鉢赤味噌を合わせてすり、鍋に移して加熱します。この際、鍋にへばりついた固い部分は使わず、上部の柔らかい部分のみを使うという指示があり、当時の本が教養のある裕福な人向けだったことが伺えます。次に、汁物としてオールシーズン対応の項目から「落とし芋」を作ります。長芋の皮を剥き、おろし器で丁寧におろしていきます。おろした長芋を箸でしっかりと書き混ぜると、驚くほど弾力が出て、まるで餅のように箸でつかめるようになります。

旨味を引き出すお出汁と蒸し調理

加熱調理に入ります。まずは時間がかかるさつまいも蒸し器に入れ、20分ほどゆっくりと蒸し上げていきます。その間に、基本の味付けとなるお出汁を取ります。水に厚切りかつお節を加えて煮立て、布で濾します。当時は現代のような薄い削り節がなかったため、厚切りが主流でした。このお出汁を少し取り、醤油を薄く差して、体に染み渡るようなシンプルなすまし汁のベースを作ります。

土鍋で炊く人参飯と定番のおかずたち

人参飯を炊いていきます。だし汁にみりん醤油を加え、沸騰したら先ほど切った人参を投入します。弱火12分ほど炊き、火を止めてから10分ほど蒸らします。みりんが庶民に普及したのは江戸末期頃で、明治のレシピに登場することに進化を感じます。ご飯を蒸らしている間に、ほうれん草を茹でて冷水に取り、絞ってカットし、醤油をかけてお浸しにします(今回はごまを入れ忘れてしまいました)。最後に、忙しい時にぴったりなオールシーズン対応のアジの干物を網でじっくりと焼き上げます。

素朴な味わいと現代の便利さへの感謝

炊き上がった人参飯を器に盛り、ちぎった浅草海苔と千切りのネギを薬味として載せます。すまし汁には、先ほどおろして弾力を出した長芋を浮かべ、こちらも浅草海苔を散らします。蒸し上がったさつまいもには、温めた味噌だれおろし生姜を添えて完成です。実食すると、すまし汁は昆布を使っていないため非常に素朴で地味深い味わい。人参飯は人参のほのかな甘みとだしの香りが素晴らしく、現代でも十分に通用する美味しさです。風呂吹きさつまいもは、生姜のピリッとした刺激が甘い味噌と芋を引き締めてくれます。電子レンジやガスコンロがない時代に、これだけの食事を毎日手作りしていた先人たちの苦労に思いを馳せ、現代の便利さと文明を築いてくれた祖先に深く感謝するひとときとなりました。

すいじば SUIJIBA

すいじば SUIJIBA

登録者 151万人 ・ 料理全般

運営者はGenという名前で、「すいじば SUIJIBA」というチャンネルで料理動画を投稿しています。無所属の個人として活動しており、日々精進をモットーにしています。メンバーシップも提供しており、月額90円から登録可能です。企業案件はギフティングや無償では受け付けていないとのことです。

※YouTubeチャンネルに遷移します

※チャンネル登録者数は記事の作成時点の数字で、最新の数値とは乖離がある場合があります。