Recipe
世界一の美食家と語る「技術の継承」と「料理人の未来」。"浦島太郎"になるな!【ふるまいメシ】
Ingredients
- しじみ適量
- 車海老2~3尾
- 赤茄子1個
- 伏見唐辛子2~3本
- 小麦粉適量
- 卵1個
- 水適量
- 塩適量
- ご飯1杯分
- 完熟胡椒小さじ1/4程度
「かき揚げ天茶漬け」とは
しじみ出汁をベースにしたかき揚げ天茶漬け。車海老、赤茄子、伏見唐辛子を使ったかき揚げを少しずつ崩しながら食べることで、衣に包まれた食材の旨味と香りが出汁に溶け出します。ご飯の下に隠した完熟胡椒が最後にピリッとしたアクセントをもたらす、単調にならない仕掛けが特徴です。
タイムスタンプ
「かき揚げ天茶漬け」を美味しく作るコツ
-
食材選定
- 車海老、赤茄子、伏見唐辛子など厳選された旬の食材を使用することで、かき揚げの旨味を引き出す
-
調理テクニック
- かき揚げを最初から全て崩さず、少しずつ崩していくことで、衣から段階的に旨味が出汁に溶け出す効果を生み出す
-
味わいの工夫
- ご飯の下に完熟胡椒を隠しておくことで、最後に爽やかなアクセントが生まれ、最後の一滴まで美味しく保つ
-
出汁
- しじみの深い旨味を活かした出汁が、かき揚げの食材の香りを引き立たせる
「かき揚げ天茶漬け」の材料
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「かき揚げ天茶漬け」の作り方・手順
- 1
しじみ出汁の準備
しじみをだし汁で煮出して、深い旨味のある出汁を作ります。塩加減は後で調整しながら整えます。
- 2
かき揚げの具材を準備する
車海老は背わたを取り除き、赤茄子は薄切り、伏見唐辛子は筒切りにします。各食材のサイズが均等になるよう調整して、揚げたときに火が均一に通るようにします。
- 3
かき揚げの衣を作る
冷えた水に卵を混ぜ、小麦粉を加えてさっくり混ぜます。衣は混ぜすぎず、ダマが残る程度の粗い状態に仕上げることで、揚がったときに軽い食感になります。
- 4
かき揚げを揚げる
具材を衣でコーティングし、170~180℃の油で揚げます。衣が軽く色付き、食材の旨味が衣に閉じ込められたタイミングで引き上げます。
- 5
丼に盛り付ける
器の底にご飯を敷き、その下に完熟胡椒を隠すように置きます。ご飯の上に温かいかき揚げを乗せ、その上から温かいしじみ出汁を静かに注ぎます。
- 6
食べ方と味わい
かき揚げを少しずつ崩しながら食べることで、衣に包まれた車海老や赤茄子の旨味が段階的に出汁に溶け出します。最後に隠された胡椒がピリッとしたアクセントをもたらし、最後の一滴まで飽きない味わいが続きます。
料理の科学
車海老や赤茄子を天ぷらにする際、衣が素材の水分を閉じ込めて蒸し焼き状態にし、旨味とジューシーさを凝縮させます。また、高温の油による加熱反応(メイラード反応)で衣が香ばしくサクサクに仕上がります。さらに、しじみに含まれるコハク酸やグルタミン酸などの豊富なうま味成分が、車海老の甘味やうま味と重なり合うことで、深い味わいと相乗効果を生み出します。
「かき揚げ天茶漬け」の詳しい解説
※ 動画の内容をトピックごとに整理してまとめています。
旨味が溶け出す極上のかき揚げ天茶漬け
楠氏が提供するのは、しじみのお出汁をベースにしたかき揚げ天茶漬けです。具材には車海老、赤茄子、そして京都の伏見唐辛子を使用。かき揚げを少しずつ崩していくことで、衣に包まれた食材の旨味と香りがお出汁に溶け出し、食べ進めるほどに味わい深くなります。さらに、ご飯の下には完熟の胡椒が忍ばせてあり、最後にピリッとした爽やかなアクセントが訪れる仕掛けです。楠氏は「最後の1滴が一番美味しいお茶漬けであってほしい」というこだわりを語り、浜田氏も「夏らしく爽やかで、締めに最高」と絶賛。最初から胡椒を感じさせず、最後に変化をもたらすことで、単調にならずに最後まで楽しめる工夫が施されています。
海外進出の光と「浦島太郎」になるリスク
日本の料理人、特に寿司職人が海外で高い報酬を得て活躍するニュースが増えています。浜田氏はこの現状を「価値を認められている証拠」と肯定しつつも、日本で十分な修行を積まないまま高額な給料に惹かれて海外へ渡る若手に対し、「浦島太郎」になって帰ってくる懸念を示します。現地に骨を埋める覚悟の移住なら良い経験になりますが、数年後に日本へ戻った際、その経験が役に立たない可能性が高いからです。その理由は食材のクオリティの差にあります。日本のように極上の食材に日常的に触れていなければ、食材の正しい扱い方を身につけることはできません。技術の深掘りという観点では、やはり日本での修行が重要であると両者は一致します。
日本での修行の価値と生産者との双方向関係
現在、世界中から本気で寿司を学びたい外国人が日本に修行に来ており、日本が最も適した学びの場であることは間違いありません。特に日本の地方では、その土地ならではの極上の食材があり、生産者や漁師との距離が非常に近いという強みがあります。浜田氏は、生産者との直接的なやり取りの中で生まれる発想や技術の向上が不可欠であると語ります。海外では、大量に獲れた魚を卸業者経由で仕入れるのが一般的で、生産者と直接話す機会はほぼありません。これからの時代は、ただ食材を待つのではなく、料理人側から「こういう風に獲ってほしい」「この未利用魚を使いたい」と生産者に働きかけるインタラクティブ(双方向)な関係性が、料理人の実力を高める鍵となります。
問いかけで育てる技術の継承と美食の定義
楠氏は若い弟子たちを育てる際、あえて手取り足取り教えることはしません。弟子から「この魚をどう処理すればいいか」と聞かれたら、そのまま「どう思う?」と丸返しして質問攻めにします。自分で考え、腹落ちして学んでいく子は成長が圧倒的に早いからです。浜田氏は、自身が評価する「美食」とは「考え抜かれた料理」であると定義します。その料理が考え抜かれているかを試す最も分かりやすいテストが「なぜそうしたのか」という質問にロジカルに答えられるかです。偶然美味しくできた料理には再現性がなく、環境が変われば通用しなくなります。何を聞かれても答えられる料理人は、それだけ自ら試行錯誤を重ね、何倍もの努力をしてきた証拠なのです。
反復練習の重要性と「別邸営業」への挑戦
浜田氏は、現代の流行りの店は席数が少ない小箱が多く、昔の職人に比べて反復練習の機会が少ないことを指摘します。体調や精神状態、客層に左右されず、常にフラットな状態で高いパフォーマンスを維持するためには、圧倒的な反復練習による技術の定着が不可欠です。楠氏もこれに強く同意し、自身の新たな挑戦として「別邸営業」を行っています。これは、普段とは異なる環境でもベストパフォーマンスを発揮するための訓練です。先月は屋形船での営業に挑戦し、本番前に3時間かけて普段と同じ機材をすべて持ち込み、徹底的なシミュレーションとリハーサルを行いました。あえて厳しい環境に身を置き、適応能力や対応力を鍛えることで、自身の技術を磨き続けています。
ホワイトな労働環境と求められる自主性
くすのぎでは、8年前から週休2日、1日8時間労働、残業は週に3〜4時間以内という、業界内でも極めてホワイトでクリアな労働環境を徹底しています。しかし、楠氏は「自主練は別である」と強調します。大谷翔平選手が自主的に素振りをするのが当たり前であるように、本当に伸びる子は勤務時間外に自ら甘鯛などを買ってきて自主的に水洗いなどの練習を重ねています。昔のように「店で無理やり修行させる」時代は終わり、自発的に取り組む人とそうでない人の差が大きく広がる時代になりました。自ら主体性を持って「自分力」を身につけ、自信を持って顧客に発信できる料理人こそが、これからの時代に輝くことができるのです。
美食家が描く「レストランのサステナビリティ」
浜田氏が描く今後の理想は、料理人というクリエイターがそのクリエイティビティを存分に発揮し、顧客に正当に評価され、経済的にも成功する環境を作ることです。これを「レストランのサステナビリティ」と呼び、この豊かな食文化が世代を超えて受け継がれていくことを目指しています。自身は料理を作らないからこそ、素晴らしい料理人が育ち続けなければ、将来自分が美味しいものを食べられなくなるという切実な想いがあります。SNSの発達した現代でも、本当に優れた料理人が必ずしも正当に評価されているわけではありません。だからこそ、浜田氏は自らメディアに出て影響力を持ち、世界中の優れた料理人を応援し、食文化の発展に貢献することを自らのゴールとして活動しています。
くすのきチャンネルについて
くすのきチャンネル
登録者 3,270人 ・ 天ぷら/和食
天ぷらの名店『くすのき』による、食の本質を伝えることをテーマにしたYouTubeチャンネルです。揚げ手の楠忠師氏は、高校の調理科を卒業後、名古屋の料亭で修業し、天ぷら担当をきっかけにその奥深さに魅了されました。2003年に名古屋で独立し、2018年6月に東京・四ツ谷へ移転して現在に至ります。チャンネルでは天ぷらを通じて日本の食文化や料理の深みを発信しています。
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