Recipe
究極のわさびを語ります!日本三大料亭『金田中』で学んだ“おろしにくい鮫皮”を使ったわさびとは?|薬味シリーズ わさび Part.2
Ingredients
- 本わさび適量
- 粉わさび(代用時)
- 冷凍わさび(代用時)
「本わさびのおろし方と活用法」とは
日本三大料亭『金田中』の調理長から受け継いだ鮫皮おろしを使用したわさびのおろし方を紹介。おろしにくさがもたらす粘りと香りの関係、粉わさびや冷凍わさびを美味しくする技術、茎や葉を調味料として活用する方法など、プロが実践する本わさびの扱い方の本質を学べます。
「本わさびのおろし方と活用法」を美味しく作るコツ
-
おろし道具の選択
- 粘り気を引き出すために、おろしにくい鮫皮おろしを使用
- 新品の鮫皮おろしは荒砥でわざと目を粗くして加工される
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おろしの質感
- きめ細かくおろすことで、とろろのように糸を引く粘り気が生まれ、料理の味をまとめる役割を果たす
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粉わさびの活用
- あたり鉢でしっかりとすり潰すことで香りが立ち上がる
- 練る際は温度管理が重要で、温かいお湯で練ると嫌な臭みが消える
-
わさびの部位利用
- 茎や葉、表面のボツボツした部分も調味料として活用
- ささらで流水洗浄することで風味を引き出せる
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本わさびの選別
- みずみずしいタイプと粘りが強いタイプがあり、料理によって使い分ける必要がある
「本わさびのおろし方と活用法」の材料
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「本わさびのおろし方と活用法」の作り方・手順
- 1
鮫皮おろしの準備と特徴の理解
カスザメの皮を使った鮫皮おろしを30年以上使用してきた経験から、長年の使用で表面が白くツルツルになることで、わざとおろしにくくなっている状態を確認する。このおろしにくさが、きめ細かくおろすために必要不可欠であることを理解する。
- 2
本わさびをおろす
全身の力を使って鮫皮おろしでわさびをおろす。力を入れて何度も往復させることで、粘り気のあるとろろ状のわさびが完成する。このプロセスは時間と労力がかかるが、旨味と香り、粘り気を最大限に引き出すために重要。
- 3
粉わさびの活用(本わさびが手に入らない場合)
粉わさびを冷たい水または温かいお湯で丁寧に練る。温度管理が重要で、温かいお湯で練ると粉特有の嫌な臭みが消える。練り上げた後は、箸でしっかりとつかめる絶妙な固さに仕上げる。
- 4
冷凍わさびの活用
冷凍わさび(ホースラディッシュがブレンドされたもの)をあたり鉢に入れ、すり鉢とすりこぎを使ってしっかりとすり潰す。眠っていた香りが一気に立ち上がり、格段に美味しくなる。
- 5
わさびの茎や葉の下準備
竹で作られたささらを使い、流水でわさびの茎、葉、および表面のボツボツした部分を丁寧に洗い流す。これらの部位も優れた風味を持つ調味料や食材として生まれ変わらせる。
- 6
料理への適用
おろしたてのわさびを料理に合わせる。金沢の治部煮など煮物料理では、粘り気のあるわさびがお出汁に滑らかに溶け込み、料理全体の味をまとめる。鴨肉や白身魚、牛肉など食材の旨味を最大限に引き出す。
料理の科学
わさびを鮫皮で細かくすりおろすことで細胞が効率よく破壊されます。これにより、細胞内に存在する酵素ミロシナーゼと辛味成分の元となる物質が接触し、酵素反応が活性化して特有の辛味と香りが引き出されます。また、細胞が細かくすり潰されることで、わさび本来の持つ甘味も引き立ち、辛味と甘味のバランスが優れた奥深い味わいになります。
「本わさびのおろし方と活用法」の詳しい解説
※ 動画の内容をトピックごとに整理してまとめています。
おろしにくい鮫皮おろしを使う理由
大将が30数年愛用している 鮫皮おろし を紹介します。このおろし器は カスザメ の皮が使われており、本来は真っ黒な皮が長年の使用で白っぽくなっています。実際に触ってみると、トゲトゲした引っかかりが全くなく、ツルツルとした手触りです。なぜわざとおろしにくくしているのかというと、本わさび はきめ細かくおろせばおろすほど、旨味、香り、そして強い粘りが出るからです。この粘りこそが重要で、醤油に落としたときや煮物に使ったときに、わさびの香りを一気に引き立たせる役割を果たします。現代では科学的に辛味が出るよう計算された金属製の おろし金 もありますが、大将はより細かく、粘り気のある極上のわさびをおろすために、このおろしにくい鮫皮おろしにこだわり続けています。
料亭「金田中」での修行時代のエピソード
大将が若かりし頃、日本三大料亭の一つである「金田中」で修行していたときに出会った、驚きのエピソードを語ります。お刺身を提供する時間になると、板場では一人の職人が汗をダラダラと流しながら、必死の形相でわさびをおろしていました。実は、当時の調理長であった桂田さんは、新品の 鮫皮おろし を目の粗い 荒砥(砥石)でゴシゴシと擦り、わざとおろしにくく加工していたのです。「おろしにくくしなければ、本当に美味いわさびにはならない」というのが桂田さんの教えでした。おろしにくい道具を使い、全身の力を使って必死におろすことで、初めてとろろのように糸を引くほどの粘り気と、豊かな香りを備えた究極のわさびが完成するのです。
料理の味を引き立てるわさびの粘り
わさびは単に辛味を加えるだけでなく、料理全体の味をまとめる重要な役割を持っています。例えば、金沢の伝統的な煮物料理である 治部煮(じぶに) には、わさびが欠かせません。この料理におろしたてのわさびを添える際、お出汁の中でわさびがポツポツと分離してしまうようでは美しくありません。サーッと滑らかにお出汁に溶け込むようにするには、しっかりと粘り気を出しておろしたわさびが必要不可欠です。鴨肉 や白身魚、牛肉など、合わせる食材の旨味を最大限に引き出すためにも、おろしたての粘り強いわさびが最高の相棒となります。ただ辛いだけではなく、お出汁や調味料と一体化するような質感に仕上げることが、和食におけるプロの技術です。
粉わさびや冷凍わさびを美味しくする技
本わさびが手に入らない場合でも、プロ of 技術を使えば 粉わさび や 冷凍わさび を劇的に美味しくすることができます。冷凍わさび(ホースラディッシュ などの西洋わさびがブレンドされたもの)は、そのまま使うのではなく、あたり鉢 でしっかりとあたる(すり潰す)ことで、眠っていた香りが一気に立ち上がり、格段に美味しくなります。また、粉わさびを練る際にもこだわりがあります。冷たい水で練るのか、温かいお湯で練るのか、その時の温度管理が非常に重要です。適切な温度で丁寧に練り上げることで、粉特有の嫌な臭みが消え、お刺身の横に添えたときに箸でしっかりとつかめる絶妙な固さに仕上げることができます。
2種類のわさびと茎や葉の驚きの活用法
大将が豊洲市場で仕入れてきた2種類の 本わさび を使って実演を行います。見た目はそっくりな2つのわさびですが、水分が多くてみずみずしいタイプと、おろしたときにとろろのような強い粘りが出るタイプがあり、料理によって使い分けます。さらに大将は、一般的には切り落として捨てられてしまうことが多いわさびの 茎 や 葉、そして表面のボツボツした部分について熱く語ります。大将の和食の哲学では、これらは決して捨てる場所ではありません。竹で作られた ささら を使い、流水で表面を綺麗に洗い流すことで、これらも素晴らしい風味を持つ一つの 調味料 や食材として生まれ変わらせることができます。
わさびの価格差と3年以上に及ぶ栽培
本わさびの価格は、ランクによって 3倍 以上、時にはそれ以上の大きな差があります。その理由は、栽培にかかる膨大な年月と手間にあります。一般的なわさびが約1年で収穫できるのに対し、粘りと旨味が詰まった最高級の本わさびは、冷涼で綺麗な水が流れる環境の中、3年〜4年 もの歳月をかけてじっくりと育てられます。春夏秋冬の厳しい季節を何度も乗り越える必要があり、冬場に水が凍りついてしまわないように保護するなどの細やかな管理が欠かせません。それだけの長い年月と職人の徹底したこだわり、自然の恵みが合わさることで、あの独特の甘みと高貴な香りが生まれます。
料理人の命である包丁と砥石のこだわり
美味しい料理を作るためには、調理器具のメンテナンスが欠かせません。大将は、新しく仕入れた 砥石 を使って包丁を研ぐ様子を語ります。砥石には大きく分けて 荒砥、中砥、仕上げ砥 の3段階があり、さらにその中でも目の細かさによって細かく分類されています。包丁を研ぐ前には、砥石自体の表面を平らに整える 面直し という作業を行います。砥石が歪んでいると、包丁の刃先を均一に研ぐことができないからです。大将は、2時間ほど集中して何本もの包丁を研ぎ澄まします。切れ味の鋭い包丁で食材を切ることで、食材の繊維を壊さず、料理の味や口当たりが劇的に向上します。
大将に聞いてみた!について
大将に聞いてみた!
登録者 2.1万人 ・ 日本料理・和食
1958年福島県生まれ。中学卒業後に日本料理の世界へ入り、日本三大料亭の一つ『金田中』や懐石料理の名店『胡蝶』などで修行を積んだ。33歳で新宿歌舞伎町に割烹をオープンし、その後も蕎麦割烹・焼肉店・すっぽん料理屋など多業態の店舗を展開。調理師専門学校の特別講師や独立開業コンサルティングにも携わり、ミシュランの星シェフを含む数百人の弟子を育てた。現在はこの道50年の経験をもとに、日本料理の知識・技術・業界事情を発信するYouTubeチャンネル『大将に聞いてみた!』を運営している。
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