Recipe
本わさびの葉と茎が“最強の調味料”に変わる。大将が超有料級の技『わさびのがんじき』を初公開|薬味シリーズ わさび Part.3
Ingredients
- 本わさび(真妻系または実生系)適量
- 塩少量
- 玉酒(煮きった水と日本酒を同量混ぜたもの)適量
- 水適量
「わさびのがんじき」とは
本わさびの葉や茎を使い、繰維を直角に刻むという基本理論に基づいて仕込む「わさびのがんじき」。塩と布巾での叩き、徳利での湯煎圧力加熱、氷水での急冷を経て、香りが飛ばず長持ちする調味料エキスが完成。寿司や蕎麦、お浸しなど和食全般で活用でき、家庭でも応用できる和食職人の極意です。
「わさびのがんじき」を美味しく作るコツ
-
下準備
- 真妻系(赤茎)と実生系(青茎)のわさびの違いを理解し、用途に応じて使い分ける
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刻み方
- わさびの繰維に対して直角に包丁を当てることで、旨味と辛味が最大限に引き出される
-
加熱方法
- 徳利に40%程度の隙間を空け、ラップとアルミホイルで密閉して圧力をかけながら湯煎することで辛味が活性化
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加熱時間
- 湯煎は6~7分程度が目安だが、わさびの量や種類により異なるため経験で判断
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冷却・保存
- 急冷後に半日~1日冷所で寝かせることで、香りと辛味が揮発しにくい調味料エキスになる
「わさびのがんじき」の材料
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「わさびのがんじき」の作り方・手順
- 1
わさびを水洗いし茎を切り落とす
本わさびをささらで優しく水洗いしながら、タイプ別の違いを確認する。真妻系はシミが入ることもあるが耐久性に優れ、実生系は青茎で安価。茎をパキンと折って切り落とす。
- 2
茎を直角に細かく刻む
切り落とした茎を半分に切った後、小口から非常に細かく刻む。最大のポイントは包丁を繰維に対して直角に当てることで、わさび特有の旨味と辛味が最大限に引き出される。刻み終わった茎の水っぽさや歯ごたえで、わさびのタイプによる違いを確認できる。
- 3
塩を振り刺激を与える
刻んだ茎をザルに移し、ごく少量の塩を振る。この塩は味付けではなく、生の食材に「あれ?」と思わせる軽い刺激を与えるため。小雨が降ったくらいの量を目安に、軽く混ぜて2~3分置き、わさびが汗をかき始めるのを待つ。
- 4
布巾で叩いて水分を抜き辛味を活性化
水で濡らして固く絞った布巾の上に塩漬けした茎を広げ、もう1枚の布巾を重ねて覆う。包丁の峰でトントンと縦・横・斜めから軽く叩いて刺激を与える。余分な水分が布巾に吸収され、わさびの辛味が活性化してがんじきのベースが完成する。
- 5
徳利に茎と玉酒を入れ密閉する
刺激を与えた茎を徳利に入れ、玉酒(煮きった水と日本酒を同量程度混ぜたもの)を注ぐ。最も重要なのは、徳利の中に40%程度の隙間を空けておくこと。満タンに注ぐと加熱時に圧力がかからず十分な辛味が抽出されない。徳利の口をラップで3~4重に覆い、輪ゴムできつく縛った上から、アルミホイルでカチカチに固めて補強する。
- 6
湯煎で加熱する
仕込んだ徳利を、コンロにかけたお湯の中で湯煎する。お湯は激しく沸騰させず、ふつふつと波打つ程度で十分。徳利をお湯に入れ、時折回しながら様子を見る。加熱時間は一般的に6~7分程度が目安だが、わさびの量や種類(赤茎か青茎か)により異なるため、経験を積んで感覚を掴むことが大切。
- 7
氷水で急冷して寝かせる
湯煎が終わったら、徳利を直ちに氷水に浸けて一気に冷やす。この際、口を閉じているラップやアルミホイルは絶対に外さない。急冷後、そのまま半日から1日ほど冷所で寝かせる。
- 8
濾して完成
十分に寝かせた後、ようやく蓋を開け、キッチンペーパーを敷いたザルで中身を濾す。茎自体からは辛味も色も抜け切っているため使用しない。濾し取られた美しいコバルトグリーンの液体が「わさびのがんじき」のエキスとして完成する。
- 9
用途に応じて活用する
完成した「わさびのがんじき」は香りが飛びにくいのが特徴。お浸しの浸し地や、寿司の巻き物のネタ、ぶっかけ蕎麦の仕上げに霧吹きで吹きかけるなど、様々な和食に活用できる。生わさびよりも辛味と風味が長持ちし、お持ち帰り寿司でも美味しさが保たれる。
料理の科学
塩もみによる水分コントロールで余分な水分と青臭さを除き、シャキシャキとした食感を引き出します。また、細かく刻んで熱を加えることで、細胞内の酵素ミロシナーゼが活性化し、わさび特有の爽快な辛味成分であるアリルイソチオシアネートの生成が促進されます。これにより、塩味や玉酒のほのかな甘味・うま味と、引き出された辛味が絶妙に調和した味わいになります。
「わさびのがんじき」の詳しい解説
※ 動画の内容をトピックごとに整理してまとめています。
**真妻系**と**実生系**のわさびの特徴と違い
大将が本わさびをささらで水洗いしながら、2種類のわさびの違いを説明します。右側が安価な実生系(青茎)で、左側が高価な真妻系(赤茎)です。実生系はささらで磨くと表面が削れて「ほざけて」しまいますが、真妻系は年月をかけて寒い場所で育つため、シミが入るものの非常に丈夫で、磨いても削れません。大将は「どちらが良い悪いではなく、用途によって使い分ける素晴らしい食材だ」と語ります。一般家庭ではチューブわさびも便利ですが、今回は本わさびの葉や茎を無駄にせず「最強の調味料」に変える大将のこだわりを伝授します。
茎を**直角**に細かく刻む理由と食感の違い
わさびの茎を切り落とす際、真妻系はパキンと気持ちよく折れますが、実生系は繊維が強くなかなか折れません。大将は茎を大雑把に半分に切った後、小口から非常に細かく、包丁を直角に当てて刻んでいきます。この「直角」が最大のポイントで、わさびをおろす時と同様に、繊維に対して直角に刃を入れることで、わさび特有の旨味と辛味が最大限に引き出されます。刻んだ茎を比較すると、実生系はきゅうりのように水っぽさがありますが、真妻系はしっかりとした歯ごたえがあり、そのままでも美味しく食べられるほどの違いがあります。
**塩**と**叩き**で茎に刺激を与える重要な工程
刻んだ茎をザルに移し、ごく少量のお塩を振ります。これは塩味をつけるためではなく、生の食材に「あれ?」と思わせる程度の軽い刺激を与えるためです。大将は「小雨が降ったくらい」と表現し、軽く混ぜて2〜3分置くことで、わさびが汗をかき始めます。次に、水で濡らして固く絞った布巾の上に茎を広げ、もう1枚の布巾を重ねて包丁の峰でトントンと叩きます。縦、横、斜めから軽く叩いて刺激を与えることで、余分な水分が布巾に吸収され、わさびの辛味が活性化して「がんじき」のベースが完成します。
**徳利**と**玉酒**で圧力をかける仕込みの工夫
刺激を与えた茎を徳利に入れ、そこに玉酒(煮きった水と日本酒を同量程度で混ぜたもの)を注ぎます。ここで最も重要なのは、徳利の中に40%程度の隙間を空けておくことです。満タンに注いでしまうと、加熱した際に内部に圧力がかからず、十分な辛味が抽出されません。大将は「圧力釜をイメージしてほしい」と語り、徳利の口をラップで3重から4重に覆って輪ゴムできつく縛り、さらにその上からアルミホイルでカチカチに固めて保護します。ラップだけでは膨張して破裂し、火傷をする危険があるため、ホイルでの補強は必須です。
沸騰したお湯での**湯煎**と時間調整の目安
仕込んだ徳利を、コンロにかけたお湯の中で湯煎します。お湯は激しく沸騰させる必要はなく、ふつふつと波打つ程度で十分です。徳利をお湯に入れ、時折回しながら様子を見ます。湯煎する時間は、わさびの量や種類(赤茎か青茎か)によって異なりますが、大将の経験ではだいたい6分から7分程度が目安です。大将は「何分と一概には言えず、経験を積んで感覚を掴むことが大切だ」と語ります。加熱中もアルミホイルでしっかりと固定されているため、中の液体が漏れ出すことなく、安全に圧力をかけ続けることができます。
**氷水**での急冷と「がんじき」エキスの完成
湯煎が終わったら、徳利をすぐに氷水に浸けて一気に冷やします。この際、口を閉じているラップやアルミホイルは絶対に外してはいけません。急冷した後は、そのまま半日から1日ほど冷所で寝かせます。十分に寝かせた後、ようやく蓋を開け、キッチンペーパーを敷いたザルで中身を濾します。この時、茎自体からはすでに辛味も色も抜け切っているため使用しません。濾し取られた美しいコバルトグリーンの液体こそが、大将が「最強の調味料」と自負する「わさびのがんじき」のエキスです。
料理を格上げする**がんじき**のプロの活用法
おろした生わさびは時間が経つと香りと辛味が飛んでしまいますが、この「わさびのがんじき」のエキスは辛味が揮発しにくいのが特徴です。大将は、お浸しの浸し地や、お寿司の巻き物のネタ、ぶっかけ蕎麦の仕上げに霧吹きでこのエキスを吹きかけるテクニックを紹介します。寿司シャリに直接塗るよりも辛味と風味が長持ちし、お持ち帰り寿司でも美味しさが保たれます。大将は「わさびの葉っぱは捨てるものではない。この技を覚えることで、料理の幅が格段に広がる」と熱く語り、動画を締めくくります。
大将に聞いてみた!について
大将に聞いてみた!
登録者 2.1万人 ・ 日本料理・和食
1958年福島県生まれ。中学卒業後に日本料理の世界へ入り、日本三大料亭の一つ『金田中』や懐石料理の名店『胡蝶』などで修行を積んだ。33歳で新宿歌舞伎町に割烹をオープンし、その後も蕎麦割烹・焼肉店・すっぽん料理屋など多業態の店舗を展開。調理師専門学校の特別講師や独立開業コンサルティングにも携わり、ミシュランの星シェフを含む数百人の弟子を育てた。現在はこの道50年の経験をもとに、日本料理の知識・技術・業界事情を発信するYouTubeチャンネル『大将に聞いてみた!』を運営している。
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