【原価と売値】サンマは1貫いくらになると思いますか?

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秋の味覚であるサンマを使った握り寿司の製作工程を、プロの寿司職人が詳細に解説します。鮮度と脂ののりを見極める目利き、大名おろしという特殊な捌き方、骨抜きの裏技塩水氷水での臭み抜き、そして飾り包丁による仕上げまで、美しく美味しい握り寿司を作るための全ステップをカバーしています。1本のサンマから取れる5貫分のネタと、原価99円から売値297円までの価格設定の根拠も明かされます。

  • 目利き
    • くちばしの先や尻尾の付け根が黄色みを帯びている、背中がこんもり盛り上がっている、身に厚みがあるものが脂ののった良いサンマ
  • 道具選び
    • サンマを捌く際は出刃包丁ではなく、刃が薄く長いスジ切り包丁のような包丁が適している
  • 下処理
    • 血合いの膜に軽く傷をつけ、指先で血合いを綺麗にしておくと水洗い後が楽
    • 水分を徹底的に拭き取ることが極めて重要
  • 捌き方
    • 大名おろしは包丁の先端を少し下げた角度に保ち、刃を上下に細かく動かしながらスライドさせる
    • 腹骨をすき取った後、骨抜きの際は中央あたりまで抜いたら身の上下をひっくり返してから真上に引き抜く
  • 臭み抜き
    • 塩水氷水(水1リットルに塩30グラム)に約5分間浸けることで浸透圧により臭み成分が効率よく抜ける
    • 水気を拭き取った後、すぐに握らない場合はラップなしで冷蔵庫で30分寝かせ軽い熟成を行う
  • 飾り包丁
    • 細かく深めに何度も刃を入れる方法と、真ん中に1本だけ深く入れるオーソドックスなスタイルの2種類
    • 等間隔に美しく入れることがポイント
  • 皮の処理
    • 頭側から少し皮を剥がし、逆さ包丁で皮をまな板に押し付けながら身を滑らせるように引くと、銀色の皮目が美しく残った状態で綺麗に剥がせる
  • アニサキス対策
    • 大名おろしをして冷蔵庫で30分間保管することでアニサキスが身の表面に出やすくなる
    • 心配な場合はブラックライトで確認
  • 部位の使い分け
    • 尻尾側はスジが強いため、頭側からお腹にかけての部位を使用し、半身で2貫が最適
    • 部位による身の厚みやスジの強さを考慮して握る形を調整
  • 握り方
    • 脂がのっているサンマは強く握りすぎると皮が剥がれてしまうため、優しく包み込むように握る
    • 大根おろしなどの薬味を添えることで青魚のクセが消える
  • 原価と売値
    • 1本495円のサンマから5貫取得できれば1貫あたり99円の原価
    • 売値は1貫297円に設定
1点

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  1. 1

    美味しいサンマを選ぶ。くちばしの先や尻尾の付け根が黄色みを帯びており、背中がこんもり盛り上がり、身に厚みがあるものを選ぶ

  2. 2

    スジ切り包丁など刃が薄く長い包丁を用意する

  3. 3

    皮の張りを見て鮮度を判断し、必要に応じて鱗を取る

  4. 4

    カマの横から頭を切り落とし、肛門から逆さ包丁を入れてお腹を開く

  5. 5

    内臓を包丁でかき出し、血合いの膜に刃先で軽く傷をつける

  6. 6

    指先で血合いを綺麗にしておき、水洗いする

  7. 7

    ペーパーでサンマの水分を徹底的に拭き取る

  8. 8

    お腹側にある小さなヒレをハサミでカットしておく

  9. 9

    お腹側を少し捌いてガイドラインを作ってから、中骨に沿って大名おろしを行う。包丁の先端を少し下げた角度に保ち、刃を上下に細かく動かしながらスライドさせる

  10. 10

    包丁全体を使って腹骨をすき取る

  11. 11

    骨抜きを行う。中央あたりまで骨を抜いたら身の上下をひっくり返し、そこから骨を真上に引き抜く

  12. 12

    塩水氷水(水に対して3%の塩を溶かし氷を加えたもの)に約5分間浸ける

  13. 13

    ザルに上げて水気を切り、ペーパーで余分な水分をしっかり拭き取る

  14. 14

    すぐに握らない場合はリードペーパーに包んで保管するか、ラップをせずに冷蔵庫で30分寝かせて軽い熟成を行う

  15. 15

    冷蔵庫から取り出し、ネタ切りを行う。尻尾の先端部分のスジが強い部分は切り落とす

  16. 16

    飾り包丁を入れる。細かく深めに何度も刃を入れる方法か、真ん中に1本だけ深く入れるオーソドックスなスタイルを選ぶ

  17. 17

    皮を引く場合は、頭側から少し皮を剥がし、逆さ包丁で皮をまな板に押し付けながら身を滑らせるように引く

  18. 18

    手に手酢をつけ、シャリを適量取ってわさびを塗る

  19. 19

    サンマのネタを優しく包み込むように握る。脂がのっているため強く握りすぎないこと

  20. 20

    大根おろしなどの薬味を添えて完成

この料理が美味しくなる理由

塩水氷水に浸けることで、浸透圧により余分な水分が抜け、身が引き締まるとともに生臭さが抑制されます。また、冷蔵庫で寝かせることで酵素反応による熟成が進み、うま味成分が増加します。さらに、シャリの酸味や甘味に、サンマの豊かな脂とうま味、わさびの辛味が合わさることで、五味のバランスが整った奥深い味わいに仕上がります。

水分コントロール酵素反応五味・六味のバランス

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※ 動画の内容をトピックごとに整理してまとめています。

サンマの目利きと最適な包丁選び

美味しいサンマを握るために、まずは鮮度脂ののりを見極める目利きが重要です。鮮度が良いサンマは、くちばしの先や尻尾の付け根が黄色みを帯びています。また、背中がこんもりと盛り上がっており、身に厚みがあるものは脂がしっかりと蓄えられている証拠です。次に調理に使う包丁の選定ですが、サンマを捌く際は一般的な三枚おろしではなく、大名おろしという技法を用います。この技法には、刃が薄く、柄が細い包丁が適しています。例えばスジ切り包丁のように、長くて薄い刃を持つものがベストです。逆に、刃が厚くて重い出刃包丁は捌きづらいため、大名おろしには向いていません。道具選びからこだわることで、仕上がりの美しさが大きく変わってきます。

丁寧な下処理と水分の徹底除去

サンマを捌く前段階として、まずはを取ります。サンマは網でまとめて獲る定置網漁などが多いため、市場に並ぶ時点で擦れて鱗が落ちていることがよくあります。そのため、鱗の有無よりも皮の張りを見て鮮度を判断しましょう。次に、カマの横から頭を切り落とし、肛門から逆さ包丁を入れてお腹を開きます。内臓を包丁でかき出したら、血合いの膜に刃先で軽く傷をつけます。このとき、指先で血合いをなぞってあらかじめ綺麗にしておくと、その後の水洗いが非常に楽になります。水洗いした後は、ペーパー等でサンマの水分を徹底的に拭き取ることが極めて重要です。水分が残っていると、身が傷みやすくなるだけでなく、滑って包丁が入りにくくなり、非常に捌きづらくなってしまいます。

大名おろしと身を崩さない骨抜き

下処理を終えたら、お腹側にある小さなヒレをハサミでカットしておきます。ここに包丁が当たると綺麗に捌けなくなるためです。お腹側を少し捌いてガイドラインを作ってから、中骨に沿って大名おろしを行います。包丁の先端を少し下げた角度に保ち、刃を上下に細かく動かしながらスライドさせるのがコツです。中骨は硬くて強度があるため、多少力を入れても折れる心配はありません。三枚におろしたら、包丁全体を使って腹骨をすき取ります。続いて難関の骨抜きです。サンマには細くて長い骨が密集しています。身を崩さずに抜くためのプロの裏技として、中央あたりまで骨を抜いたら一度身の上下をひっくり返します。そこからは骨を真上に引き抜くようにすると、身が骨と一緒に持っていかれず、綺麗な状態をキープできます。

塩水氷水での臭み抜きと軽い熟成

サンマ特有の青魚らしい臭みを取り除くため、塩水氷水に浸けます。水に対して3%の塩(水1リットルなら30グラム)を溶かし、氷を加えた冷たい塩水を作ります。この中にサンマを約5分間浸けておきます。これにより、浸透圧の働きで身の中にある臭み成分が外へと効率よく抜けていきます。5分経ったらザルに上げて水気を切り、ペーパーで余分な水分をしっかりと拭き取ります。このときペーパーに付着する茶色い汚れこそが臭みの原因です。すぐに使わない場合はリードペーパーに包んで保管しますが、すぐに握る場合でも、ラップをせずに冷蔵庫で30分ほど寝かせるのがおすすめです。冷蔵庫の冷気で筋肉中のタンパク質が変化し、水分が安定することで、身の表面に滑らかなツヤが生まれる「軽い熟成」の効果が得られます。

飾り包丁の技術と美しい皮の引き方

冷蔵庫から取り出したサンマをネタ切りしていきます。尻尾の先端部分はスジが強いため、あらかじめ切り落としておきます。お寿司として握った際の見栄えを良くし、口当たりを滑らかにするために飾り包丁を入れます。1種類目は、細かく深めに何度も刃を入れる方法です。これは骨切りの役割も兼ねており、残った微細な骨を断ち切ってくれます。炙ったときに熱が均等に入るよう、等間隔に美しく入れるのがポイントです。2種類目は、真ん中に1本だけ深く入れるオーソドックスなスタイルです。また、骨を包丁で取り除いたネタについては、皮を引いて仕上げます。頭側から少し皮を剥がし、逆さ包丁で皮をまな板に押し付けながら、身を滑らせるように引くと、銀色の皮目が美しく残った状態で綺麗に剥がすことができます。

アニサキス対策と部位による握り

生魚を扱う上で気になるのがアニサキスの存在です。プロの経験則として、市場で仕入れた新鮮なサンマの身にアニサキスが移行していたことは一度もありませんが、万全を期すための対策は欠欠かせません。大名おろしをして冷蔵庫で30分間保管する工程を挟むことで、アニサキスが身の表面に出てきやすくなると言われています。それでも心配な場合は、専用のブラックライトを照射して確認するのが確実です。また、今回は半身から3貫分のネタを切り出しましたが、尻尾側はスジが強いため、お客様に提供するお寿司としては頭側からお腹にかけての部位を使い、半身で2貫にするのがベストです。部位による身の厚みやスジの強さを考慮して、握る形を調整していきます。

サンマの握りの完成と原価・売値

準備が整ったら、いよいよお寿司を握ります。手に手酢をつけ、シャリを適量取ってわさびを塗り、サンマのネタを優しく包み込むように握っていきます。サンマは脂がのっているため、強く握りすぎると皮が剥がれてしまうので注意が必要です。飾り包丁を細かく入れたもの、真ん中に1本入れたもの、皮を引いた尻尾側の3種類を握り、仕上げに相性の良い大根おろしなどの薬味を添えることで、青魚のクセが消えて旨味が引き立ちます。最後に気になる原価売値の発表です。今回のサンマは1本あたり税込495円で仕入れました。1本から5貫の握りが取れると計算すると、1貫あたりの原価は99円になります。ここにお店の利益を乗せて、提供する売値は1貫あたり税込297円に設定します。秋の味覚をリーズナブルに楽しめる一貫です。

蒼の鮨 sushi-chef ao

蒼の鮨 sushi-chef ao

登録者 3.2万人 ・ 和食/寿司

消防士から寿司職人へ転身し、独立後6年連続で黒字経営を続けている寿司職人が運営するチャンネルです。寿司の技術・レシピ・仕込みの考え方に加え、修業や独立の実情、店舗経営についても自身の経験をもとに発信しています。寿司職人を目指す方や技術を深めたい方を主な対象としており、技術・レシピ・経営の三つを柱としたコンテンツを展開しています。オンライン講座「江戸前寿司学校」も運営しており、江戸前寿司の技術から独立後の経営知識まで体系的に学べる環境を提供しています。

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