【原価・売値公開】原価165円のイカ、寿司屋では1貫いくらになる?

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赤イカを使った握り寿司の製造工程を詳細に解説した動画です。イカのさばき方、内臓や軟骨の取り出し、皮の剥き方から、柳葉包丁による繊細な飾り切り、湯引き、握りまでの全工程を紹介します。原価165円のイカが1貫660円で提供される理由として、職人の技術と仕込みの重要性を実例で示しています。寿司屋の経営原価率についても言及しています。

  • 下準備
    • 内臓を取り出すときは墨袋を破らないようゆっくり優しく抜く
    • 力任せに引っ張ると内臓が切れて汚れる
  • 下準備
    • イカは人の手の熱に弱く、触りすぎると白く濁って鮮度が落ちるため、水洗いは素早く行う
  • 下準備
    • ゲソと耳は塩をしっかり揉み込んでぬめり取りをすることで、嫌な臭みが取れて劇的に美味しくなる
  • 下準備
    • 薄皮はペーパーで胴体側から頭の先に向けて『の』の字を描くように擦るのが最も効果的
  • 下準備
    • ネタ切りは職人の体の一部(中指の長さなど)を物差しにすることで、常に一定サイズでブレなく切り出せる
  • 下準備
    • 柳葉包丁の飾り包丁は押して引く動きを意識して、均等な深さで切り離さない絶妙な加減で入れる
  • 下準備
    • イカソーメンは細く削ぐことでねっとりとした食感が生まれ、甘みが強く感じられるようになる
  • 加熱
    • 湯引きはほんの1〜2秒だけ熱湯にくぐらせ、すぐに氷水に落として冷やす
    • 長湯は食感を損なうため厳禁
  • 味付け
    • 握りにはワサビではなくゴマを裏面に忍ばせることで、イカの香りを引き立てる
  • 経営知識
    • 寿司の価値はネタの値段だけでなく、仕込みや職人の技術によって大きく変わる
    • 原価率30%を基準に売値が決定される
5点

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  1. 1

    赤イカの胴体と足を分ける

  2. 2

    内臓を丁寧に取り出す。墨袋を破らないよう注意しながらゆっくり優しく抜く

  3. 3

    目を基準に包丁を入れて頭側を切り離す

  4. 4

    イカの長い足(触腕)は握り用ではなく賄い用に回す

  5. 5

    胴体の中にある軟骨を丁寧に取り出す

  6. 6

    イカの耳(エンペラ)を外す。付け根に親指を入れると綺麗に剥がせる

  7. 7

    胴体の皮を剥ぎ取り、軟骨があった部分に沿って逆さ包丁で開く

  8. 8

    胴体を素早く水洗いする。イカは熱に弱いため手早く行う

  9. 9

    賄い用のゲソと耳をボウルに入れて大さじ1杯の塩を加え、しっかり揉み込む

  10. 10

    塩で揉み込んだゲソをすすぎ洗いして、水が透明になるまで繰り返す。ザルに上げる

  11. 11

    ペーパーで薄皮を取り除く。胴体側から頭の先に向けて『の』の字を描くように擦る

  12. 12

    食べるときに口に残る硬い部分を切り落とす

  13. 13

    職人の体の一部を物差しにして、一定サイズでネタを切り分ける

  14. 14

    端材を薄く削いで細切りにしてイカソーメンを作る

  15. 15

    柳葉包丁で縦に細かい飾り包丁を入れる。押して引く動きで均等な深さを保つ

  16. 16

    斜めに薄く削ぐようにして横方向にも包丁を入れる

  17. 17

    飾り切りを施したイカを熱湯にわずか1〜2秒くぐらせる

  18. 18

    すぐに氷水に落として冷やし、ペーパーで水分を拭き取る

  19. 19

    手酢を手に馴染ませてシャリを取る

  20. 20

    ゴマをイカの裏面に忍ばせる

  21. 21

    飾り切りのおかげでしなやかになったネタを握る

  22. 22

    イカソーメンも形を整えて握り完成させる

この料理が美味しくなる理由

湯引きによりイカの表面のたんぱく質をわずかに熱変性させることで、甘みや食感が際立ちます。また、酢飯や手酢の酸味(pH)がイカの持つ甘味やうま味を引き立て、全体として優れた五味のバランスを形成します。さらに、飾り包丁を入れることで咀嚼時に甘みを感じやすくなり、口当たりも滑らかになります。

温度帯・加熱反応pH・酸性度の役割五味・六味のバランス

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※ 動画の内容をトピックごとに整理してまとめています。

お寿司の価値を決める職人の技術とイカのさばき方

お寿司の価値はネタの値段だけで決まるものではありません。仕込みや職人の技術によって、同じ食材でも全く異なる一貫に仕上がります。今回は赤イカを使い、さばくところから握り完成までの一連の流れを紹介します。まずは胴体と足を分ける工程です。内臓を丁寧に取り出しますが、この時に墨袋を破らないよう注意が必要です。力任せに引っ張ると内臓が切れて汚れてしまうため、ゆっくりと優しく抜くのが最大のポイントです。その後、目を基準に包丁を入れて頭側を切り離します。イカの長い足(触腕)はぶよぶよとして食感があまり良くないため、今回は握りには使わず賄い用に回します。さらに、胴体の中にある軟骨も丁寧に取り出していきます。

耳と皮の取り外しと素早い水洗い、ゲソのぬめり取り

次に、イカの耳(エンペラ)を外していきます。耳の付け根の部分に親指を入れると、皮で繋がっているだけなので綺麗に剥がすことができます。胴体の皮も同様に剥ぎ取り、もともと軟骨があった場所に沿って逆さ包丁で開きます。ここから水洗いに入りますが、イカは人の手の熱に弱く、触りすぎると熱で白く濁って鮮度が落ちてしまうため、素早く行うことが極めて重要です。胴体は軽く洗う程度で十分です。一方、賄い用にするゲソと耳は、ボウルに入れて大さじ1杯の塩を加え、しっかりと揉み込みます。こうすることで嫌なぬめりや臭みが浮き出てきます。水が透明になるまで何度もすすぎ洗いをしてザルに上げれば、ゲソが劇的に美味しく仕上がります。

薄皮の剥き方と体の一部を物差しにするネタ切り

水洗いした胴体は、ペーパーを使って薄皮を綺麗に取り除いていきます。胴体側から頭の先に向けて、ペーパーで「の」の字を描くように擦るのが、シンプルで最もおすすめの剥き方です。水分をしっかり拭き取ったら、食べるときに口に残る硬い骨のような部分を切り落とします。続いて飾り切りのためのネタ切りです。職人は自分の体の一部、今回は中指の長さを基準(物差し)にして大きさを決めて切り分けます。こうすることで、常に一定 of サイズでブレなく切り出すことができます。お寿司は見栄えが非常に重要であるため、形を整えるために切り落とした端の部分は賄いに使用します。客単価の低いお店であれば、工夫次第でこれらを無駄なく提供する方法もあります。

柳葉包丁で入れる極限の飾り包丁とイカソーメンの秘密

ここからは非常に繊細な包丁使いが求められます。よく切れる柳葉包丁を使い、まずは縦に細かく飾り包丁を入れていきます。柳葉包丁は刃先が少し反り上がっているため、ただ押し切りにするだけでは均等に刃が入りません。押して引く動きを意識し、均等な深さで、かつ切り離してしまわない絶妙な加減で包丁を入れます。この深さが仕上がりに大きく影響します。次に、斜めに薄く削ぐようにして横方向にも包丁を入れます。そして、先ほど形を整える際に出た端の部分は、薄く削いで細切りにし「イカソーメン」にします。細かく切ることでねっとりとした食感が生まれ、驚くほど甘みが強く感じられるようになります。イカは端材が出てもこのように活用できるため、非常にロスの少ない優秀な食材です。

一瞬の湯引きで咲かせる飾り切りとゴマで握るこだわり

飾り切りを施したイカは、熱湯にわずか1〜2秒だけくぐらせる「湯引き」を行います。お湯に入れると、ほんの数秒で飾り切りがパッと花が開くように浮き立ってきます。食感が変わってしまうのを防ぐため、長湯は厳禁です。すぐに氷水に落として熱の進行を止め、しっかりと冷やしてからペーパーで水分を拭き取ります。いよいよ握りの工程です。手酢(水と穀物酢を1:1で合わせたもの)を手に馴染ませ、シャリを取ります。今回はワサビではなく、隠し味として「ゴマ」をイカの裏面に忍ばせます。イカ自体にクセや臭みがないため、香ばしいゴマとの相性が抜群なのです。飾り切りのおかげでネタがしなやかになり、非常に握りやすくなります。同様に、ねっとりとしたイカソーメンも形を整えて握ります。

原価165円のイカが1貫660円になる寿司屋の経営哲学

最後に、このイカの握りの原価と売値を公開します。今回仕入れた赤イカは1杯税込660円でした。ここから握り用のネタが4貫取れるため、イカ自体の1貫あたりの原価は165円となります。これにシャリや調味料などの食材費(1貫あたり約33円)を加えると、食材総原価は1貫約198円になります。この原価を一般的な寿司屋の経営基準である「原価率30%」で計算すると、1貫の売値は税込660円に設定されます。660円から原価を引いた残りがすべて利益になるわけではなく、ここから人件費や家賃、光熱費などの経費を支払う必要があります。職人として良い食材を提供し続けるためには、原価率を適切にコントロールし、経営を成り立たせることが不可欠なのです。

蒼の鮨 sushi-chef ao

蒼の鮨 sushi-chef ao

登録者 3.2万人 ・ 和食/寿司

消防士から寿司職人へ転身し、独立後6年連続で黒字経営を続けている寿司職人が運営するチャンネルです。寿司の技術・レシピ・仕込みの考え方に加え、修業や独立の実情、店舗経営についても自身の経験をもとに発信しています。寿司職人を目指す方や技術を深めたい方を主な対象としており、技術・レシピ・経営の三つを柱としたコンテンツを展開しています。オンライン講座「江戸前寿司学校」も運営しており、江戸前寿司の技術から独立後の経営知識まで体系的に学べる環境を提供しています。

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