Recipe
世界一の美食家が唸る!「鈍器で殴られた感じ」くすのきの名物“からすみ天ぷら”の旨味が爆発
Ingredients
- からすみ寿司ネタ約4貫分の厚み
- 天ぷら衣の粉(グルテン発生を抑えた配合)
- 揚げ油
「からすみの天ぷら」とは
くすのきの名物「からすみの天ぷら」は、干して旨味が濃縮された食材をさらに揚げることで、魚卵の脂分を引き出す反則技のような一品です。揚げることで塩分が衣へ移り、からすみ本体の塩角が取れてまろやかになります。水分コントロールと火加減の絶妙な調整により、羊羹のような柔らかい食感とジューシーな脂が一体となった極上の味わいが実現します。
タイムスタンプ
「からすみの天ぷら」を美味しく作るコツ
-
食材選定
- 濃厚な旨味を持つからすみを選ぶ
- 寿司ネタ約4貫分の贅沢な厚みで揚げるため、質の高い食材が重要
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水分コントロール
- 揚げることで食材の水分を奪い、旨味を濃縮させる
- 油を食べさせない天ぷらとして、油の美味しさではなく食材自体の味を引き出すことにフォーカス
-
火加減・温度調整
- 下げすぎると水分が逃げて雑味が出る
- 揚げすぎると油になってしまう
- からすみの濃厚な脂分がゆっくりと醸し出されるよう、温度を精密にコントロール
-
塩分のバランス
- 揚げる過程で魚卵の脂分が衣へと移り、塩分も中から衣へ移行
- これによりからすみ自体の塩角が取れてまろやかになる
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食べ方
- 一口食べると「鈍器で殴られた感じ」の強烈な旨味が押し寄せる
- 羊羹のようなねっとりとした柔らかい食感と溶け出した脂のジューシーさが特徴
「からすみの天ぷら」の材料
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- からすみ寿司ネタ約4貫分の厚み
- 天ぷら衣の粉(グルテン発生を抑えた配合)
- 揚げ油
「からすみの天ぷら」の作り方・手順
- 1
からすみの準備
寿司ネタ約4貫分はあろうかという贅沢な厚みを確保する。濃厚な脂分と旨味が詰まった最高品質のからすみを選定。
- 2
衣の調整
グルテンを発生させすぎない絶妙な配合の衣を用意。薄すぎず濃すぎず、からすみ本来の味を引き出すことを優先。
- 3
衣をつけて揚げる
からすみに衣をつけ、油に投入。温度を下げすぎず、揚げすぎず、水分をコントロールしながら揚げる。魚卵の濃厚な脂分がゆっくりと醸し出される。
- 4
仕上げ
揚がったからすみは羊羹のようなねっとりとした柔らかい食感に。溶け出した脂のジューシーさとからすみ本体がまろやかに一体となった状態で完成。
料理の科学
からすみは乾燥・熟成の過程でグルタミン酸などのアミノ酸やうま味成分が高度に凝縮されています。これを天ぷらにして加熱することで、からすみに含まれる脂質が融解して口溶けが良くなり、香気成分が引き立ちます。さらに、天ぷらの衣が水分を閉じ込めるため、内部が蒸し焼き状態になり、濃厚なうま味とコクが口いっぱいに広がります。
「からすみの天ぷら」の詳しい解説
※ 動画の内容をトピックごとに整理してまとめています。
はだての生うにを半生で揚げる極上の技
北海道尻羽島産のはだての生うにを使用した天ぷらです。大葉の上に少しだけ打ち粉をかまして、そのまま薄い衣で揚げていきます。温度は下げずに、うにを投入した瞬間に火を切り、余熱でほぼ一定の温度をキープして揚げるのがコツです。揚げすぎるとうにの油になってしまい、下げすぎると水分が逃げて雑味を包み込んでしまうため、絶妙なコントロールが求められます。揚げることで周りの水分だけを「シャッ」と奪い、中心温度は55℃ほどの絶妙な半生状態に仕上げます。うには火を入れると苦味や雑味などの風味の変化が起きやすいですが、その雑味が出る直前でピタッと止めています。薄すぎず濃すぎず、グルテンを発生させすぎない絶妙な衣が、うに本来の綺麗な甘みを引き出しており、生の風味のまま味がより濃厚に変化した驚きの仕上がりです。
ロジカルに突き詰めるくすのき流の天ぷら
美食家の浜田氏は、くすのきの天ぷらを「天ぷらという調理法を再構築したお店」と評します。店主の楠氏は一見感覚派に見えますが、料理へのアプローチが非常にロジカルで、すべての工程に明確な理由があります。楠氏自身も「なんとなく」で調理することを嫌い、それは食材に対しても失礼であり、お客様を実験台にしないためにも、やり込んで完成させた「作品」として堂々とお出しするべきだと語ります。さらに、くすのきの天ぷらは「水分をコントロールする術」として突き詰められています。昔の天ぷらは、食材が良くない時代に高級品である油を食べさせる側面がありましたが、現代は健康志向で油を控えたい時代です。くすのきは「油を食べさせない天ぷら」として、油の美味しさに頼らず、食材自体の味をいかに濃縮させるかにフォーカスしています。
旨味が爆発する名物からすみの天ぷら
くすのきの名物であるからすみの天ぷらは、浜田氏が「暴力的に美味い」「暴力と呼んでいる」と絶賛する一品です。ただでさえ干して旨味が濃縮されたからすみを、さらに揚げることで風味を濃縮させるという、まさに反則技のような仕上がりです。楠氏が経営に困っていた時期に4年ほどの試行錯誤を経て編み出しました。寿司ネタなら4貫分はあろうかという贅沢な厚みで揚げられます。揚げることで魚卵の濃厚な脂分がゆっくりと醸し出され、その塩分が中から衣へと移ります。これにより衣にも程よい塩味が乗り、からすみ自体の塩角が取れてまろやかになります。一口食べると、からすみの塊で殴られたような、まるで「鈍器で頭を殴られた感じ」の強烈な旨味がドンと押し寄せます。羊羹のようなねっとりとした柔らかい食感と、溶け出した脂のジューシーさが一体となった極上の味わいです。
骨まで柔らかい鮎の焼き浸しと天ぷら
続いて登場するのは、岐阜の郷土料理である鮎の焼き浸し(お茶炊き)です。楠氏が最初の親方から教わった料理で、名川として知られる和良川の鮎を使用します。お番茶を使用し、お茶のカテキンの作用で骨まで柔らかくしながら、鮎の旨味成分を一度お茶に引き出し、そこにお醤油を加えて再び鮎の中に吸い込ませるという「呼吸をさせる仕事」を何度も繰り返して仕上げます。この焼き浸しの煮汁は残しておき、後から提供される鮎の天ぷらをつけて「鮎で鮎を食べる」という贅沢な趣向です。天ぷらは尻尾から食べるのが鉄則で、最初から頭にいくと内臓の強い苦味が勝ってしまいます。少し温度を下げて余熱で仕上げることで、頭まで柔らかく食べられます。天ぷらは「蒸す」という要素が揚げの中に含まれているため、水分を衣の中に閉じ込め、身を驚くほどふっくらと仕上げることができます。
幻の川魚チチコの揚げ炊き焼きを味わう
和良川で今しか獲れない希少な川魚チチコ(ヨシノボリの小さいもの、ドンコの稚魚)を使った「揚げ炊き焼き」が振る舞われます。地元では「チチコのシンコ」とも呼ばれます。このチチコを一度揚げてから、山椒を効かせてサッと炊き、さらに香ばしく焼き上げるという、非常に手の込んだ伝統的な仕事を施しています。大きさは6〜7cmほどで、これ以上大きくなると骨が当たって硬くなってしまうため、このサイズならではの身のふっくら感と、噛み締めたときの心地よい弾力、モチモチとした食感が楽しめます。骨は全く当たらず、川魚ならではの凝縮された旨味が口いっぱいに広がります。浜田氏も「存在すら知らなかった」と驚く、日本の清流が育む素晴らしい川魚の美味しさをダイレクトに伝える一皿です。
浜田氏が語る伝統と革新のバランス
伝統的な仕事を体験した浜田氏と楠氏は、料理における「伝統と革新のバランス」について深く語り合います。日本には豊かな食の伝統があり、これは世界的に見ても大きなアドバンテージです。世界中を旅してきた浜田氏は、歴史的・文化的に洗練された形で食文化が受け継がれている国は決して多くないと指摘します。日本のように中央集権国家のもとで富の蓄積があり、文化としての食が育まれる期間があったことは非常に恵まれています。その強固な伝統があるからこそ、日本料理でイノベーティブな挑戦をするのは非常に難しいですが、くすのきが実践しているのは、天ぷらという伝統を徹底的に振り返り、見つめ直した上で、現代のニーズに合う形へと再構築するアプローチです。伝統の中にこそ革新を見出すことの大切さを、二人の対話が浮き彫りにしています。
くすのきチャンネルについて
くすのきチャンネル
登録者 3,270人 ・ 天ぷら/和食
天ぷらの名店『くすのき』による、食の本質を伝えることをテーマにしたYouTubeチャンネルです。揚げ手の楠忠師氏は、高校の調理科を卒業後、名古屋の料亭で修業し、天ぷら担当をきっかけにその奥深さに魅了されました。2003年に名古屋で独立し、2018年6月に東京・四ツ谷へ移転して現在に至ります。チャンネルでは天ぷらを通じて日本の食文化や料理の深みを発信しています。
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