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【アンジャッシュ渡部×くすのき3/3】なぜ天ぷらの道を選んだのか「素材より素材らしく」【ふるまいメシ】

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Ingredients

天ぷらの名店くすのきの楠親方が、素材より素材らしくという料理哲学のもと調理した天ぷらの数々。椎茸・虎河豚の白子・蕗の薹・サツマイモ・からすみなど旬の食材を、油の温度と衣の厚みを緻密にコントロールして調理。素材のポテンシャルを生のとき以上に引き出す職人技と、若手育成における教育論も語られる。

  • 素材選び
    • こだわりを持つ生産者から仕入れた旬の食材を使用
    • 素材そのもののポテンシャルを理解した上で調理する
  • 火加減
    • 油の温度帯を緻密にコントロール
    • 虎河豚の白子は刺身より濃厚になるよう火入れを調整、サツマイモはキャラメリゼされた香りを出すため特定の温度で揚げる
  • 衣の厚さ
    • 素材ごとに衣の厚さを変更
    • 水分を閉じ込めて蒸し焼き状態にし、素材の個性を凝縮させる
  • 塩加減
    • 塩の使い方も素材により変動
    • サツマイモは揚げたても熱いうちに塩を振り、からすみは塩を打たずに素材自体の塩分を活用
  • 料理哲学
    • 素材より素材らしくという哲学
    • 素材の命をいただく側として敬意を払い、素材のポテンシャルを100%以上引き出す
11点

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  1. 1

    椎茸の天ぷら

    こだわりを持つ生産者の椎肉厚で新鮮な椎茸を使用。衣に包み、適切な油の温度で揚げることで、みずみずしさと香りの濃さを引き出す。

    肉厚で鮮度の高い椎茸を選ぶ衣の厚さで香りの出方をコントロール
  2. 2

    虎河豚の白子の天ぷら

    クリーミーな白子を衣で包み込み、油の温度を絶妙に調整して揚げる。1つ目は塩で、2つ目は醤油の香りをまとわせて提供。刺身で食べるクリーミーさを完全に超える濃度と粘度を引き出す。

    油の温度でクリーミーさと旨味を最大化火入れで刺身より濃厚な食感を実現
  3. 3

    蕗の薹の天ぷら

    春の香りと独特の苦味を持つ蕗の薹を、衣の中に水分を閉じ込める蒸し焼き状態で揚げる。香りと苦味が弾けるように調理し、素材の力強い個性を凝縮させる。

    衣の中に水分を閉じ込めて蒸し焼き状態に山菜の香りと苦味を極限まで凝縮
  4. 4

    サツマイモの天ぷら

    秋田県産のサツマイモをスライスして衣に包み揚げる。揚げたての熱いうちに断面に塩を振り、手でキュッと握って塩を溶かし馴染ませる。糖分が衣から逃げることでキャラメリゼされた甘みと香ばしさが生まれる。

    熱いうちに塩を握って馴染ませる糖分の逃げ方をコントロールしてキャラメリゼを実現
  5. 5

    からすみの天ぷら

    極厚のからすみを衣に包み、塩を打たずに揚げる。熱が加わることで魚卵の油分がにじみ出て、バターやチーズのような濃厚でコク深い味わいに変化する。

    塩を打たず素材自体の塩分を活用油分のにじみ出し方で濃厚さを引き出す
  6. 6

    天茶漬け

    フグとカニの出汁を合わせた贅沢な出汁を用意。揚げた天ぷらを出汁にくぐらせて衣を崩し、旨味と香りが出汁に溶け出すようにする。最後の一滴まで表情が変わるように楽しめるよう仕上げる。

    質の高い出汁を使用衣を崩すタイミングで風味が変わる
この料理が美味しくなる理由

天ぷらの衣で食材を包んで揚げることで、内部の水分を逃がさず蒸し焼き状態にし、素材の風味を凝縮させます。さらに、椎茸のグアニル酸、フグやカニのイノシン酸、からすみのグルタミン酸による「うま味の相乗効果」が働きます。また、サツマイモの甘味、蕗の薹の苦味、からすみの塩味が合わさることで、五味のバランスが優れた奥深い味わいを生み出しています。

うま味成分五味・六味のバランス水分コントロール

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※ 動画の内容をトピックごとに整理してまとめています。

職人のこだわりが詰まった椎茸の天ぷら

5品目として提供されたのは、肉厚で美しい 椎茸 です。ゲストの渡部建さんは一口食べるなり、そのみずみずしさと香りの濃さに驚嘆します。「どんな手を使ってでも、一生に一度は食べてほしい」と熱弁するほど、その味わいは格別です。店主の楠親方も、この 椎茸 を作っている職人さんについて「めちゃくちゃこだわって作られている、僕もすごく尊敬する職人さん」と語り、長年信頼して仕入れ続けている背景を明かします。素材そのもののポテンシャルを極限まで引き出す天ぷらの技術と、生産者への深い敬意が感じられる一品です。

刺身を超えるクリーミーな虎河豚の白子

続いて登場したのは、6品目の 虎河豚の白子 です。最初はシンプルに 塩 で、2つ目は 醤油 の香りをまとわせて提供されます。楠親方は「クリーミーな部分を衣で包み込むのが抜群に美味い」と語り、絶妙な火加減で揚げていきます。渡部さんはその圧倒的なクリーミーさと、絶妙な温度帯に感動し、「刺身で食べるクリーミーさを完全に超えている。この濃度と粘度を出すには、この絶妙な火入れが必要なんだ」と大絶賛。ただレアなだけでなく、熱を加えることで旨味ととろけるような食感が最大化される、天ぷらならではの科学的なアプローチが光る一品です。

くすのき流の哲学「素材よりも素材らしく」

料理の合間に語られたのは、店主・楠親方の料理哲学である「素材よりも、素材らしく」という言葉です。油の温度帯や衣の厚みを緻密にコントロールし、素材が持つ本来の魅力を生のとき以上に引き出すことを目指しています。楠親方は「料理人は素材の命を一番にいただく側だからこそ、素材に敬意を払い、ここまで手をかけてあげたい」と熱く語ります。渡部さんはこの言葉を「名言だ」と深く感銘を受け、素材のポテンシャルを100%以上引き出す職人の姿勢に改めて敬意を表します。

苦味と香りが弾ける蕗の薹の魅力

7品目は春の訪れを感じさせる 蕗の薹 です。衣をサクッと噛んだ瞬間に、独特の爽やかな香りと心地よい苦味が口いっぱいに広がります。渡部さんは「香りと苦味が本当に弾けて出てくる」と、その鮮烈な味わいに感動。天ぷらという調理法について、「焼くでもなく、蒸すでもなく、そのままでもない、天ぷらだからこそ到達できる領域がある」と、その唯一無二の魅力を熱弁します。水分を衣の中に閉じ込め、蒸し焼き状態にすることで、山菜の持つ力強い個性が極限まで凝縮されています。

料理界の未来を担う若手へのメッセージ

話題は、これからの料理界を背負う若手料理人たちへのアドバイスへと移ります。渡部さんは、名店で修行した若手が独立する際、「修行先の味をそのままコピーするだけでも面白くないし、全く違うことをやるのも違う。大切なのは 踏襲とオリジナリティのバランス」だと語ります。今ある技術や常識を一度「疑う」ことから始め、細かなイノベーションを積み重ねていくことがスター料理人への道だと指摘。これに対し楠親方も「温故知新」という言葉を挙げ、古いものを大切にしながら新しいものを探求する姿勢の重要性に深く共感します。

驚きの調理法で仕上げるサツマイモとからすみ

8品目の サツマイモ は、秋田県産を使用。揚げたての熱いうちに断面に 塩 を振り、手でキュッと握って塩を溶かし馴染ませるという独特の技法が披露されます。サツマイモの糖分が衣から逃げようとすることで、まるで 焼き菓子 のようなキャラメリゼされた甘みと香ばしさが生まれます。続く9品目の からすみ は、あえて塩を打たず、極厚のからすみ自体の塩分を衣に移す手法で揚げられます。熱が加わることで魚卵の油分がにじみ出て、まるで バターやチーズ のような濃厚でコクのある味わいへと変化し、渡部さんを唸らせます。

信頼関係で変化する若手への指導論と天茶漬け

最後に提供されたのは、フグとカニの出汁を合わせた贅沢な 天茶漬け です。衣を崩すことで旨味と香りがお出汁に溶け出し、最後の一滴まで表情を変えながら楽しめます。食事中、渡部さんから若手への指導法について尋ねられた楠親方は、「ハラスメントの境界線は 愛の深さと信頼関係。修行1年目の子、2年目の子、そして人生をかけて僕の技術を学びたいと覚悟を決めた子で、指導の厳しさや言い方を明確に変えている」という独自の教育論を明かします。お互いの信頼があってこそ、厳しい指導も愛として伝わるという、温かくも芯のある職人魂が語られました。

くすのきチャンネル

くすのきチャンネル

登録者 3,270人 ・ 天ぷら/和食

天ぷらの名店『くすのき』による、食の本質を伝えることをテーマにしたYouTubeチャンネルです。揚げ手の楠忠師氏は、高校の調理科を卒業後、名古屋の料亭で修業し、天ぷら担当をきっかけにその奥深さに魅了されました。2003年に名古屋で独立し、2018年6月に東京・四ツ谷へ移転して現在に至ります。チャンネルでは天ぷらを通じて日本の食文化や料理の深みを発信しています。

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