#119 豚肉のポトフ Pot-au-feu de porc  星野晃彦 |TERUHIKO HOSHINO

PR

Ingredients


豚肩ロースを岩塩・ミニョネット・タイム・ローズマリー・ローリエ・ニンニクで一晩マリネし、ブランシールで余分な塩分とアクを取り除いたあと、ミルポワ野菜とフォンドヴォライユ(鶏の出汁)で約3時間コトコトと煮込む本格フレンチのポトフです。煮上がったお肉はスープとともに一度冷やし固めることで、分厚くカットしても崩れない美しい仕上がりになります。付け合わせにはカブ・インゲン・姫にんじん・ブロッコリーなどをスープで旨味を含ませて仕上げ、オリーブオイルで香ばしく焼いた春キャベツを添えます。豚肉と野菜の旨味が凝縮された澄んだスープが体に沁みる、正統派フランス料理の一皿です。

  • 下準備(マリネ)

    豚肩ロースを半分にカットし、岩塩・ミニョネット・タイム・ローズマリー・ローリエ・ニンニクをしっかり揉み込み、タコ糸で縛って一晩冷蔵庫で寝かせる。中まで塩を浸透させることで仕上がりの味が格段に良くなり、肉質も引き締まる。

  • 下準備(ブランシール)

    マリネしたお肉を沸騰したお湯に約3分くぐらせ、余分な塩分とアクを抜く。取り出したら冷水ではなくぬるま湯で優しく洗い流す。冷水で冷やすと肉が締まりすぎて硬くなるため、ぬるま湯が重要。

  • ミルポワの切り方

    玉ねぎ・にんじん・セロリはすべて薄切りにする。薄く切ることで短時間でも野菜の旨味と甘みがスープに溶け出しやすくなる。これらはスープのベースとして使い、仕上げに濾して取り除く。

  • 煮込み

    お肉がひたひたに浸かる程度の水を加え(多すぎるとスープが薄くなる)、フォンドヴォライユ(鶏の出汁)を水で薄めながら加えることで、味が強くなりすぎず優しい仕上がりになる。岩塩をほんの少し加え、沸騰後は弱火で約3時間煮込む。途中水分が減ったら水を足し、肉をたまに返す。

  • 仕上げ(冷やし固め)

    竹串がすっと通るほど柔らかくなったら肉を取り出し、スープはザルで濾して澄んだ状態にする。肉をスープに浸したまま氷水に当てて一晩冷やす。冷やすことでゼラチン質が固まり、分厚く切っても崩れなくなる。食べる直前にスープごと温め直す。

  • 付け合わせ(野菜)

    茹でた野菜は冷水に取らず、温めておいたポトフのスープに直接移す。こうすることで野菜がスープの旨味をたっぷり吸い込む。にんじんは茹でた後に冷水でこすると皮がきれいに剥ける。

  • 付け合わせ(焼きキャベツ)

    キャベツは芯をつけたままくし形に切り、オリーブオイルを回しかけて強火で香ばしく焼き色がつくまでソテーする。塩をふると水分が出て焼き色がつきにくくなるため、ここでは塩をしない。

  • 盛り付け

    皿の中央に焼きキャベツを置き、その上に分厚くカットした豚肉を乗せ、周囲にスープで温めた野菜を彩り良く配置する。黄金色の澄んだスープをたっぷり注ぎ、タイムを飾ってオリーブオイルを軽く回しかけて完成。

20点

※ 材料名をタップするとAmazonで関連商品を探せます

  1. 01

    【前日:マリネ】豚肩ロースを半分にカットし、岩塩・ミニョネット・タイム・ローズマリー・ローリエ・ニンニクをしっかり揉み込む。タコ糸でしっかりと縛り、形を整えてから冷蔵庫で一晩(約8〜12時間)マリネする。

  2. 02

    【当日:ブランシール】鍋に湯を沸騰させ、マリネした豚肉を入れて約3分間茹でる(ブランシール)。

  3. 03

    肉を取り出し、シンクでぬるま湯を使って表面に残った余分な胡椒やアクを優しく洗い流す(冷水は使わない)。

  4. 04

    【ミルポワ準備】玉ねぎを半分に切り、繊維に沿って薄切り(エマンセ)にする。にんじんも薄切りにする。セロリも細かく刻む。

  5. 05

    鍋を綺麗にして豚肉を戻し入れ、お肉がひたひたになる程度の水を注ぐ(多すぎ注意)。薄切りにした玉ねぎ・にんじん・セロリをたっぷり加える。

  6. 06

    フォンドヴォライユ(鶏の出汁)を水で薄めながら加える。岩塩をほんの少し加えて下味をつける。

  7. 07

    強火で一度沸騰させたら弱火に落とし、約3時間コトコトと煮込む。途中水分が減ったら水を足し、肉をたまにひっくり返して均一に火を入れる。

  8. 08

    竹串を刺してすっと通るようになったら火を止め、肉だけを崩れないように丁寧に別容器に取り出す。残ったスープと野菜はザルで濾し、澄んだスープだけにする。

  9. 09

    【一晩冷ます】肉を澄んだスープに浸した状態で、容器ごと氷水に当てて一晩冷やす。

  10. 10

    【当日:付け合わせ準備】カブは半分に切り、皮を厚めに剥いて面取りをする。キャベツは芯をつけたままくし形に切る。インゲン・ブロッコリー・姫にんじんも食べやすく準備する。

  11. 11

    フライパンにオリーブオイルを熱し(強火)、キャベツを入れて香ばしく焼き色がつくまでソテーする(塩はしない)。

  12. 12

    別鍋でカブ・インゲン・ブロッコリー・姫にんじんを茹でる。茹で上がった野菜は冷水に取らず、温めておいたポトフのスープに直接移してスープの旨味を吸わせる。

  13. 13

    冷やして固まった豚肉をスープから取り出し、分厚くカットする。スープごと温め直す。

  14. 14

    【盛り付け】皿の中央に焼きキャベツを芯ごとのせ、その上に温め直した分厚い豚肉を盛る。周囲にカブ・ブロッコリー・にんじん・インゲンを彩り良く配置する。

  15. 15

    黄金色の澄んだスープをたっぷりと注ぎ、タイムを飾ってオリーブオイルを軽く回しかけて完成。

PR

※ 動画の内容をトピックごとに整理してまとめています。

一晩かけて旨味を閉じ込めた豚肉のマリネ

星野晃彦シェフが今回提案するのは、豚肉を使った特別なポトフです。ポトフといえば牛肉や鶏肉のイメージもありますが、シェフは豚肉のポトフがとても美味しくておすすめだと語ります。使用するのは豚肩ロース肉で、すでに一晩かけて丁寧にマリネされています。作り方は、豚肩ロースを半分にカットし、そこに岩塩、ミニョネット(粗く潰した黒胡椒)、タイム、ローズマリー、ローリエ、そしてニンニクを加え、お肉にしっかりと揉み込むようにマッサージします。その後、タコ糸できゅっと縛って一晩寝かせます。こうして中までしっかりと塩を浸透させておくことが、仕上がったときに中まで味がしっかりとある美味しいポトフにするための重要なポイントになります。一晩置くことでお肉の身もきゅっと引き締まります。

旨味を引き出す湯通しとミルポワ野菜の準備

マリネしたお肉は、まず沸騰したお湯に入れて約3分間ブランシール(湯通し)します。お肉に火を通している間に、スープのベースとなる「ミルポワ」用の野菜を準備していきます。用意するのは玉ねぎ、にんじん、セロリです。玉ねぎは半分に切ってから、繊維に沿って薄切り(エマンセ)にします。薄く切る理由は、短時間で野菜の味と旨味を引き出すためです。この野菜たちは食べるためのものではなく、美味しいスープ(出汁)を作るためのものなので、クズは残さずすべて使い切ります。にんじんも同様に薄切りにし、セロリも細かく刻んでいきます。セロリを切っていると、厨房の中にとても爽やかで良い香りが広がります。これらの野菜がすべて、ポトフの美味しさを支える極上の出汁へと変化していきます。

ぬるま湯で洗うシェフ直伝の塩分調整

3分間お湯にくぐらせたお肉は、表面に火が入り、余分な塩分やアクが抜けた状態になります。ここで一度お肉を取り出し、シンクで洗い流します。このときの重要なコツは、冷水ではなく「ぬるま湯」で洗うことです。冷水で急激に冷やしてしまうとお肉が締まりすぎて硬くなってしまうため、ぬるま湯で優しく表面に残った余分な胡椒やアクを洗い流します。一晩しっかりと塩を揉み込んで塩辛くなっているお肉ですが、この湯通しと洗い流しの工程を挟むことで、お肉全体の塩分濃度がちょうど良い塩梅に調整されます。このひと手間が、スープとお肉の味のバランスを完璧にするプロならではのテクニックです。

鶏出汁と野菜の甘みでコトコト3時間の煮込み

お肉を洗ったら、一度綺麗にした鍋にお肉を戻し入れます。そこにお肉がひたひたに浸かるくらいの水を注ぎます。水を入れすぎるとスープが薄くなってしまうので注意してください。ここに、先ほど薄切りにした玉ねぎ、にんじん、セロリをたっぷりと加えます。さらに、味に深みを出すために「コンソメプール(フォンドヴォライユ:鶏の出汁)」を注ぎ入れます。フォンドヴォライユだけで煮込むと味が強くなりすぎてしまうため、水で薄めた状態で優しく煮ていくのがシェフのこだわりです。スープの下味として岩塩をほんの少し加え、沸騰したら弱火に落として、ここから約3時間コトコトとじっくり時間をかけて煮込んでいきます。野菜の優しい甘みとお肉の旨味がスープに溶け出していきます。

美しく仕上げるための「一度冷ます」プロの極意

約3時間じっくりと煮込んだお肉は、竹串を刺すと抵抗なくすっと通るほど柔らかく仕上がります。煮込み中、水分が減ってきたら適宜お水を足し、お肉をたまにひっくり返しながら均一に火を入れます。お肉が十分に柔らかくなったら、崩れないように細心の注意を払ってお肉だけを別の容器に引き上げます。残ったスープと野菜は、ザルでパッセ(裏ごし)して澄んだスープだけにします。そして、引き上げたお肉をこの美味しいスープに浸した状態で、容器ごと氷水に当てて一晩しっかりと冷まします。温かい状態のままだとお肉が柔らかすぎて綺麗に切ることができません。一度冷ますことで豚肉のゼラチン質が固まり、分厚く切っても煮崩れなくなります。食べる直前に温め直すことで、驚くほどジューシーで柔らかい食感が復活します。

焼きキャベツとスープの旨味を吸わせた温野菜

一晩冷やして落ち着かせたお肉を、贅沢に分厚くカットします。次に、付け合わせの野菜を準備します。カブは半分に切って皮を厚めに剥き、面取りをします。インゲン、ブロッコリー、姫にんじんも用意し、キャベツはサボイキャベツ(ちりめんキャベツ)を芯をつけたままくし形に切ります。キャベツは鍋に入れ、オリーブオイルを回しかけて強火で香ばしく焼き色がつくまでソテーします(焼きキャベツ)。塩をふると水分が出てしまうので、ここでは塩はしません。他の野菜は別の鍋で茹で上げますが、茹で上がった野菜は冷水に取るのではなく、温めておいたポトフのスープに直接移します。こうすることで、野菜がスープの旨味をたっぷりと吸い込みます。にんじんは茹でた後に冷水でこすると、皮がするりと綺麗に剥けます。お肉もスープの中で一緒に温め直します。

心も体も温まる極上ポトフの完成と至福の実食

いよいよ盛り付けです。まず、お皿の中央に香ばしく焼き上げた存在感のある焼きキャベツを芯ごとのせ、その上に温め直した分厚い豚肉を盛り付けます。周囲にスープの旨味をまとったカブ、ブロッコリー、にんじん、インゲンを彩り豊かに配置します。そして、豚肉と野菜の旨味が凝縮された黄金色のスープをたっぷりと注ぎます。仕上げにタイムを飾り、オリーブオイルを軽く回しかければ、見た目にも美しいポトフの完成です。実食したシェフは、お肉のあまりの柔らかさに笑みがこぼれます。口の中でとろけるような食感とお肉の旨味がたまりません。さらに、香ばしい焼きキャベツとスープが合わさることで、お互いの美味しさが引き立ち、極上の味わいになります。体も心も芯から温まる、これからの季節にぴったりの一皿です。

星野晃彦シェフ Teruhiko Hoshino

星野晃彦シェフ Teruhiko Hoshino

登録者 12.3万人 ・ フランス料理

星野晃彦シェフによる料理系YouTubeチャンネルです。もともと東京・銀座で活動していましたが、現在は石川県金沢市の「ジャルダン ポール・ボキューズ」にシェフとして拠点を移しています。チャンネルでは、レストランで実際に提供しているフランス料理のレシピを忠実に紹介することをコンセプトとしており、これまでに100本以上の伝統的なフランス料理レシピを公開しています。日本語と英語で発信されており、国内外の視聴者に向けて情報を届けています。

※YouTubeチャンネルに遷移します

※チャンネル登録者数は記事の作成時点の数字で、最新の数値とは乖離がある場合があります。