イタリアンシェフが教える豚トロで作る「自家製グアンチャーレ」【イタリアンプロ養成講座 vol.196】

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Ingredients


東京・参宮橋のイタリアン「Regalo」の小倉シェフが、豚トロを使った自家製グアンチャーレの作り方を紹介します。日本では豚頬肉の脂が掃除されすぎているため、脂が豊富な豚トロを代用素材として使用します。塩と砂糖を刷り込んで1週間冷蔵庫で塩漬けし、その後3週間以上乾燥させることで本格的なグアンチャーレが完成します。乾燥方法を3パターンに分けて経過観察し、仕上がりの違いを検証しています。完成したグアンチャーレはカルボナーラに使用され、サクサクとした食感と濃厚な旨みが際立つ仕上がりになります。

  • 素材選び

    日本の豚頬肉は脂が掃除されすぎているため、脂が豊富な豚トロ(首肉)を代用として使用する

  • 味付け

    豚トロ1kgに対して塩20g・砂糖4gの割合が黄金比率。パンチェッタと同じ配合

  • 下準備(塩漬け)

    塩と砂糖を混ぜてラップの上で豚トロ全体にまんべんなく刷り込み、そのままラップで密着させて包む。塩漬け中はラップを換える必要はない

  • 塩漬け期間

    冷蔵庫で1週間放置して水分を抜く

  • 乾燥方法の比較

    ①そのままバットに置いて自然乾燥、②タコ糸で2ブロックを重ねてぎゅうぎゅうに巻いて乾燥、③ピチットシート(脱水シート)で包んで乾燥の3パターンで検証。比較結果では自然乾燥の仕上がりが最も良好

  • ピチットシートの使い方

    最初にピチットシートで脱水し、途中で1回シートを取り替えた後、最終的には冷蔵庫の風が当たる場所で自然乾燥させるのが効果的

  • タコ糸成形

    豚トロは薄いため2ブロックを重ねて層にし、ぎゅうぎゅうに強く巻く。市販のパンチェッタロールやベーコンロールをイメージした成形

  • 乾燥期間

    塩漬け1週間後から乾燥を開始し、10日目で良好な状態、14日目でほぼベストな状態。合計3週間以上しっかり乾燥させる

  • 生食について

    イタリアでは生でスライスして食べることもあるが、日本の家庭で作る場合は安全性を考慮し生食は推奨しない。パスタなど加熱料理に使用すること

  • 保存

    完成したグアンチャーレは冷凍保存しておくと使いやすい

  • カルボナーラ:カット

    グアンチャーレはパスタの具材として存在感が出るよう少し大きめにカット。赤身が多い部分と脂身が多い部分をバランスよく混ぜて使う

  • カルボナーラ:卵液

    卵黄20g・パルミジャーノ・レッジャーノ20g・生クリーム20gをよく混ぜてスタンバイ。生クリームは通常15gだが、濃厚な仕上がりにするため20gに増量

  • カルボナーラ:グアンチャーレの焼き方

    フライパンにオリーブオイルはひかず、グアンチャーレを弱火でじっくり加熱して脂を引き出す

  • カルボナーラ:卵液を固まらせないコツ

    パスタを投入後、一度フライパンを煽って温度を下げてから卵液を加える。卵液は余熱だけでとろみがつくまでゴムベラで優しく回し続ける

  • カルボナーラ:仕上げ

    お皿に盛り付けて黒胡椒をたっぷり振る

9点

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  1. 01

    【グアンチャーレ:塩漬け】ボウルで塩20gと砂糖4gを軽く混ぜ合わせる

  2. 02

    広げたラップの上に豚トロブロックを置き、塩と砂糖の混合物を全体にまんべんなく手で刷り込む

  3. 03

    ラップで豚トロに密着させて包み、冷蔵庫で1週間放置して水分を抜く(途中でラップは換えなくてよい)

  4. 04

    【グアンチャーレ:乾燥】1週間後、冷蔵庫から取り出し、表面に出た余分な水分をキッチンペーパーでしっかり拭き取る

  5. 05

    以下3パターンのいずれかで乾燥させる。①そのままバットに置いて冷蔵庫で自然乾燥、②2ブロックを重ねてタコ糸でぎゅうぎゅうに強く巻いて冷蔵庫で乾燥、③ピチットシートで包んで冷蔵庫で乾燥(途中1回シートを交換し、最終的に冷蔵庫の風が当たる場所で自然乾燥)

  6. 06

    乾燥開始から14日目頃(合計3週間以上)、赤身部分が馴染み端がパリッとしてほぼベストな状態になったら完成。冷凍保存しておく

  7. 07

    【カルボナーラ】グアンチャーレを少し大きめにカットし、赤身と脂身をバランスよく混ぜておく

  8. 08

    ボウルに卵黄20g・パルミジャーノ・レッジャーノ20g・生クリーム20gを入れてよく混ぜ合わせ、卵液を作る

  9. 09

    ガロファロ1.7mmのスパゲッティを塩を加えたお湯で7分半茹でる

  10. 10

    フライパンにオリーブオイルはひかず、グアンチャーレを弱火でじっくり加熱して脂を引き出す

  11. 11

    パスタが茹で上がる30秒前に茹で汁をフライパンに加え、パスタを投入する

  12. 12

    一度フライパンを煽って温度を下げた後、卵液を加え、余熱だけでとろみがつくまでゴムベラで優しく混ぜ続ける

  13. 13

    お皿に盛り付け、黒胡椒をたっぷり振って完成

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※ 動画の内容をトピックごとに整理してまとめています。

豚トロで挑む!自家製グアンチャーレへの挑戦

東京・参宮橋のイタリアン「Regalo」の小倉知巳シェフがお届けするプロ養成講座。今回は、視聴者の皆さんから「グアンチャーレはどうやって作るの?」という質問をいただくことが多いため、豚トロを使った自家製グアンチャーレ作りに挑戦します。実は、スタッフのトミーが賄い用に豚トロブロックを使って作ったグアンチャーレが非常に出来が良かったことから、このレシピを公開することになりました。日本の規格では、豚頬肉(グアンチャーレの本来の部位)は脂が掃除されすぎていることが多いため、今回は代用として脂を多く含んでいる首肉である「豚トロ」を使用します。1本目の動画の撮影で少し飲みすぎてほろ酔い状態のシェフですが、プロの技術とこだわりを惜しみなく披露していきます。

黄金比率の塩と砂糖で豚トロを仕込む

使用する豚トロは、業者から仕入れたスタンダードな形のものです。豚トロ1kgに対して、塩20g、砂糖4gという黄金比率で味付けを行います。この分量は、以前ご紹介した「自家製パンチェッタ」の時と全く同じ割合です。ボウルで塩と砂糖を軽く混ぜ合わせたら、広げたラップの上に豚トロを置き、全体にまんべんなく手ですり込んでいきます。水分が出てきてもラップは換えずに、このまま密着させて包み、冷蔵庫で1週間放置します。視聴者から「途中でラップは換えないのですか?」という質問をよくいただきますが、塩漬けの段階では換える必要はありません。この1週間でしっかりと肉の水分を抜いていくことが、美味しいグアンチャーレ作りの第一歩となります。

1週間後の経過と3つの乾燥アプローチ

塩漬けを開始してからちょうど1週間が経過しました。冷蔵庫から取り出した豚トロは、程よく水分が抜けて締まった状態になっています。まずは表面に出ている余分な水分をキッチンペーパーでしっかりと拭き取ります。ここから乾燥の工程に入りますが、今回は3つの異なるパターンで経過観察を行い、仕上がりの違いを検証します。1つ目は「そのままバットに置いて乾燥させる方法」、2つ目は「タコ糸で縛って密着させて乾燥させる方法」、そして3つ目は「ピチットシート(脱水シート)を使用する方法」です。基本的にはパンチェッタと同じように乾燥させれば良いのですが、形状や乾燥方法の違いによってどのような変化が生まれるのか、非常に興味深い検証が始まります。

タコ糸の成形とピチットシートの秘密

豚トロは薄い肉なので、タコ糸で縛るパターンでは2つのブロックを重ねて層になるように密着させ、ぎゅうぎゅうに強く巻いていきます。これは市販されている「パンチェッタロール」や「ベーコンロール」をイメージした成形です。もう1つのパターンで使用する「ピチットシート」は、浸透圧によって肉の余分な水分や生臭みを取り除き、旨み成分を閉じ込める非常に便利なシートです。このシートを製造しているオカモト株式会社は、実はRegaloの常連様でもあり、お店に来るたびにシートを置いていってくれるというエピソードも明かされます。これら3つのパターンに分けた豚トロを、再び冷蔵庫に入れてじっくりと乾燥させていきます。

10日目の経過観察と初めての焼き味

乾燥を始めてから10日目が経ちました。タコ糸で巻いたものは非常に良い状態になっており、ピチットシートで包んだものは途中で1回シートを取り替えて水分を抜きました。現段階の比較では、自然乾燥(そのまま置いたもの)の方が仕上がりが良さそうです。ここで、タコ糸で巻いたグアンチャーレの端を少し切ってフライパンで焼いてみます。水分がしっかりと抜けているため、焼くと乾いた美味しそうな焼き目がつきます。試食してみると「めちゃくちゃうまい!ぽいぽいぽい!」と、その完成度の高さにシェフも大興奮。豚トロならではの脂と赤身のバランスが素晴らしく、塩気も程よく入っており、この段階でも十分にグアンチャーレとしての風格を備えています。

熟成の進んだ14日目と生食に関するお話

さらに4日(乾燥開始から14日)が経過しました。赤身っぽい部分が消えて全体が馴染み、端っこが乾燥してパリッとしてきました。ほぼベストな状態と言えます。ピチットシートを使用したものは、少し水分が残ってキラキラした状態なので、最初はシートで脱水し、最終的には冷蔵庫の風が当たる場所に置いて自然乾燥させるのが良さそうです。ここでシェフから、現地イタリアでのグアンチャーレの食べ方についてお話があります。イタリアでは塩漬けと熟成によって病原菌が繁殖しにくくなるため、生でスライスして食べることもありますが、日本の家庭で作る場合は安全性を考慮し、生食は推奨しません。パスタなどの加熱料理に使って、その濃厚な旨みを楽しむのがベストです。

3週間以上の乾燥を経てカルボナーラ作りへ

合計で3週間以上じっくりと乾燥させ、水分が完全に抜けきったグアンチャーレを冷凍保存しておいたものを使用し、いよいよカルボナーラを作ります。グアンチャーレは、パスタの具材として存在感が出るように少し大きめのサイズにカットします。赤身が多い部分と脂身が多い部分をバランスよく混ぜて使うのがポイントです。次に卵液を準備します。ボウルに卵黄20g、同量のパルミジャーノ・レッジャーノ20g、生クリーム20gを入れます。生クリームは通常15gですが、今回はよりキャッチーで濃厚な味わいにするために20g使用します。これらをしっかりと混ぜ合わせてスタンバイしておきます。パスタはガロファロの1.7mmを使用し、茹で時間は7分半に設定します。

至高のカルボナーラ完成とオルヴィエートワイン

カルボナーラは、豚の脂、茹で汁、卵、チーズの調和で決まります。フライパンにオリーブオイルはひかず、グアンチャーレを弱火にかけてじっくりと脂を引き出します。パスタが茹で上がる30秒前に茹で汁を加え、パスタを投入したら一度フライパンを煽って温度を下げます。これは、卵液を入れたときに卵が固まってボソボソになるのを防ぐための重要なプロのテクニックです。卵液を加えたら、余熱だけでとろみがつくまでゴムベラで優しく回し続けます。お皿に盛り付け、仕上げに黒胡椒をたっぷり振れば完成です。試食したシェフは「グアンチャーレがサクサク、ザクザクとした食感で、もはや最高の具材!」と大絶賛。合わせたウンブリア州オルヴィエートの白ワイン(パラッツォーネの遅摘み、アルコール11%)との相性も抜群で、お酒が苦手なスタッフも飲みやすいと太鼓判を押す、モテ度MAXの組み合わせとなりました。

小倉知巳のイタリアンプロ養成講座

小倉知巳のイタリアンプロ養成講座

登録者 24.8万人 ・ イタリアン

小倉知巳氏は、東京・参宮橋にあるイタリアンレストラン「Regalo」のシェフです。自身のYouTubeチャンネルでは、イタリア料理の世界を目指す料理人に向けて、ロジカルな視点で料理を解説する動画を発信しています。プロを目指す方への実践的な内容が特徴のチャンネルです。

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