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プロが本音で教える「パスタの選び方」|アルデンテって結局何|ブロンズvsテフロン|樋口直哉が徹底解説
「パスタの選び方と調理法の解説」とは
イタリアンシェフ樋口直哉がパスタの本質を科学的に解説。デュラム小麦セモリナ粉のみで作られるパスタの歴史と特性、テフロンダイスとブロンズダイスによる表面の違い、乾燥温度が生む色と食感の変化を詳述。茹で汁のデンプン濃度がソースの乳化に影響することや、アルデンテの科学的な定義を明かし、メーカー別のおすすめパスタを紹介する実践的な解説動画です。
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「パスタの選び方と調理法の解説」を美味しく作るコツ
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パスタの定義
- イタリアでは乾燥パスタはデュラム小麦のセモリナ粉と水だけで作ることが法律で義務付けられている
- デュラム小麦は硬質小麦で、セモリナは粗挽きの状態で使用される
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パスタの選び方
- スパゲッティなどの名称はメーカーによって異なるため、パッケージのミリ数(太さ)で判断するのが最も確実
- 同じ太さでもメーカーで名称が異なる
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製法の違い
- テフロンダイスは表面がツルツルで摩擦が少なく、デンプンが溶出しにくくアルデンテが長くキープできる
- ブロンズダイスは表面がザラザラでデンプンが溶出しやすく、ソースがよく絡む
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乾燥温度による違い
- 高温乾燥(70~80℃)は黄色く、メイラード反応で香ばしく、食感はサクッとしている
- 低温乾燥は緑っぽく、小麦本来の香りが残り、食感はモチモチ
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アルデンテの科学
- パスタはタンパク質の網目構造の中にデンプン粒が詰まっている
- 中心に水分が浸透したちょうどの瞬間、中心部の構造が残った状態がアルデンテ
- 太い麺は茹で時間を長めにするコツ
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ソースとの相性
- 茹で汁のデンプン濃度が1%以上必要でソースが乳化する
- ブロンズパスタはデンプンが多く溶出するためペペロンチーノ向き、テフロンパスタはオイル系や市販レトルトソース向き
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おすすめパスタ
- グランフィーロ1.8mm(テフロン)、ボルカノ2.2mm(ナポリタン用)、ディ・チェコのフェデリーニ(時短用)など、目的に応じて使い分ける
「パスタの選び方と調理法の解説」の詳しい解説
※ 動画の内容をトピックごとに整理してまとめています。
そもそもパスタとは?デュラム小麦の秘密
スーパーで買えるパスタのパッケージを見ると、デュラム小麦のセモリナという表記がよく見られます。イタリアでは、乾燥パスタはデュラムセモリナ粉と水だけで作ることが法律で義務付けられています。デュラム小麦とは「硬質小麦」のことで、非常に硬いのが特徴です。これを細かく挽こうとするとデンプン粒が壊れてしまうため、あえて「セモリナ」と呼ばれる粗挽きの状態で使用します。パスタの歴史を紐解くと、乾燥パスタの製造において最大の課題は「乾燥」でした。そのため、雨が少なく乾燥した気候に恵まれたナポリ周辺でパスタ産業が大きく発展しました。機械化によって大量生産が可能になり、保存性に優れた乾燥パスタは世界中に広まっていったのです。
パスタは名前ではなく「太さ」で選ぶ
スーパーのパスタ売り場には、バリラやディ・チェコなど様々なメーカーのパスタが並んでいます。パッケージには「スパゲッティ」や「スパゲッティーニ」、「フェデリーニ」といった名称が書かれていますが、実はこれらの名前には世界共通の厳密な基準がありません。例えば、同じ1.4mmの太さであっても、バリラでは「スパゲッティーニ」と呼ぶのに対し、ディ・チェコでは「フェデリーニ」と呼んでいます。このようにメーカーによって名称の基準が異なるため、パスタを選ぶ際は名前で覚えるのではなく、パッケージに記載されているミリ数(太さ)で把握するのが最も安全で確実な方法です。
アルデンテの科学:麺の構造と茹で時間
パスタの理想的な茹で加減とされるアルデンテですが、これは科学的な構造で説明できます。パスタはタンパク質の網目構造の中にデンプンの粒が詰まった構造をしています。お湯で茹でると、外側のタンパク質が壊れてデンプンが溶け出していきますが、中心部まで水分が浸透するには時間がかかります。水分が中心に到達したちょうどその瞬間、中心部の構造が崩れずに残っている状態、これがアルデンテです。細い麺であれば茹で時間のズレはそれほどシビアではありませんが、太い麺は水分が浸透していない芯の部分が大きくなりやすいため、食感が悪くなりがちです。太い麺をもちもちした心地よい食感に仕上げるには、表示時間よりも気持ち長めに茹でて、自分で硬さを確かめるのがコツです。
テフロンとブロンズ:製法による表面の違い
パスタの製法には、大きく分けてテフロンダイスとブロンズダイスの2種類があります。これは、練った生地を押し出す「型(ダイス)」の材質の違いです。世界シェアNo.1のバリラなどが採用しているテフロンダイスは、摩擦が少ないため表面がツルツルと滑らかに仕上がります。茹でた時にデンプンが溶出しにくく、ソースの水分を吸いすぎないため、アルデンテの状態を長くキープできるのが特徴で、業務用としても非常に人気があります。一方、ディ・チェコなどが採用する伝統的なブロンズダイス(青銅製)は、摩擦が大きいため表面がザラザラとした仕上がりになります。デンプンが溶出しやすい反面、ソースが非常によく絡むというメリットがあります。
乾燥温度が変えるパスタの色と食感
パスタの個性は、押し出した後の「乾燥温度」によっても大きく変わります。近代的な高温乾燥(70〜80℃)で一気に乾燥させたパスタは、黄色い色素(キサントフィル)が壊れずに残るため、鮮やかな黄色い色をしています。また、熱によってメイラード反応が起こり、香ばしい香りが生まれるほか、グルテンが結合してコシが強くなり、サクッとした歯切れの良い食感になります。一方、伝統的な低温乾燥で作られるパスタは、小麦本来の緑っぽい香りやクリーミーな風味が残り、食感はモチモチとした仕上がりになります。例えば、高級パスタとして知られるマンチーニは、45℃で38時間以上かけてじっくり低温乾燥させており、豊かな小麦の香りが特徴です。
茹で汁のデンプン濃度がソースの乳化を左右する
よく「ブロンズパスタはクリーム系、テフロンパスタはオイル系に合う」と言われますが、実はソースとの相性を決める最大の要因は茹で汁に含まれるデンプン量にあります。ブロンズパスタを茹でたお湯は、デンプンが多く溶け出すため白く濁ります。科学的な研究(カチョ・エ・ペペの完璧な作り方に関する論文)によると、ソースを分離させずに美しく乳化させるには、茹で汁のデンプン濃度が1%以上必要であることが分かっています。そのため、茹で汁を加えてソースを乳化させたいペペロンチーノなどには、デンプンが溶け出しやすいブロンズパスタが向いています。逆に、乳化させずにオイルの香りを立たせたい場合や、あらかじめ濃度が調整されている市販のレトルトソースを使う場合は、テフロンパスタ(マ・マーなど)の方が適しています。
樋口直哉が本音で語るおすすめパスタ
動画の最後には、樋口さんお気に入りのパスタが紹介されました。現在最もおすすめなのが、グランフィーロの1.8mm(No.8)です。これはテフロンダイスのパスタで、表面がツルツルしており、プリップリとした弾力のある食感が楽しめます。少し長めに茹でてソースとさっと和えるだけで、非常に美味しく仕上がります。また、日本のナポリタンを作るなら、強力粉がブレンドされたボルカノの2.2mmが、独特のモチモチ感が出て最適です。他にも、5分で茹で上がる時短に便利なディ・チェコのフェデリーニや、茹で加減がシビアでプロ好みなガロファロ、粉の味がしっかりしたモリサーナなど、それぞれの特徴を理解して使い分けるのがパスタライフを楽しむ秘訣です。
樋口直哉の料理論[Cooking theory]について
樋口直哉の料理論[Cooking theory]
登録者 7.9万人 ・ 家庭料理/調理科学
樋口直哉氏は、服部栄養専門学校卒業後、料理教室勤務や出張料理人などを経て、2005年に『さよならアメリカ』で群像新人文学賞を受賞した作家兼料理家です。同作は芥川賞候補にもなり、以降も小説やノンフィクションなど幅広い著作を発表しています。料理家としては調理科学をベースにしたレシピの考案・発信を行い、全国の食品メーカーや生産現場の取材記事の執筆、地域食材を活用したメニュー開発なども手がけています。主な著書には料理本『新しい料理の教科書』『ぼくのおいしいは3で作る』などがあり、東洋経済アワード2022も受賞しています。本チャンネルでは、調理科学の視点からおいしさを最大限に引き出すレシピを紹介しています。
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