Recipe
グランメゾンの厨房で禁じ手を打った若手料理人!その苦悩に迫る!
Ingredients
- 仔羊の端肉(スペシャリテ調理の余り肉)適量
- トマト(またはトマトベースのソース)適量
- 野菜(タマネギなど、甘みを引き出すためにじっくり炒める用)適量
- クスクス適量
- 塩適量
「クスクス 仔羊の煮込み」とは
東京・銀座の老舗グランメゾン「シェ・イノ」の若手料理人2人が、店のスペシャリテ「マリアカラス」で出た仔羊の端肉を使い、まかない料理「クスクス 仔羊の煮込み」に挑戦した。フランス・リヨン研修経験を持つ江原(23歳)と、厨房歴2ヶ月の長崎(19歳)が協力して一皿を作り上げた。トマトベースのスープで仔羊肉を煮込むフランス庶民料理で、甘みは野菜の旨みから引き出すのが本来の流儀とされる。仕上げの塩加減が味の要であり、妥協なく二人で納得するまで味を決めることがテーマとして課された。3代目料理長・手島純也シェフによる審査では、味よりも「二人で真剣に意見をぶつけ合ったか」という姿勢が厳しく問われた。
「クスクス 仔羊の煮込み」を美味しく作るコツ
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食材選び
仔羊はスペシャリテ調理の端肉を活用。フランス料理のまかないにもよく使われる庶民的な素材だが、旨みが豊富で煮込みに向いている。
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炒め
仔羊の肉はフライパンで豪快に炒め、しっかりと表面に焼き色をつけてから大鍋に移す。
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味付け(禁じ手)
フランス料理の厨房では煮込みに砂糖を加えることは通常行わない。甘みはタマネギなどの野菜をじっくり炒めることで自然に引き出すのが基本。
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味付け(塩)
塩加減は料理の最重要ファクター。仕上げ段階で何度も味見を重ね、二人が納得するまで微調整する。「もうひと塩」の判断が味の完成度を左右する。
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バランス
クスクスの量が多すぎると煮込みとのバランスが崩れる。クスクスと煮込みの比率に注意して盛り付ける。
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協力・意思決定
2人で作る場合は遠慮せずにそれぞれの意見を出し合い、味も二人が納得して決めることが重要。一方が相手に従うだけでは一人で作るのと変わらない。
「クスクス 仔羊の煮込み」の材料
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「クスクス 仔羊の煮込み」の作り方・手順
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01
仔羊の端肉をフライパンで豪快に炒め、表面にしっかりと焼き色をつける。
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02
大鍋に移し、トマトベースのスープと野菜を加えて煮込みを開始する。
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03
野菜はじっくり炒めて甘みを引き出す(砂糖は使わない)。
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04
煮込みが進んだら何度も味見を重ね、塩加減を微調整して仕上げる。
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05
クスクスを用意し、煮込みとのバランスを考えながら適切な量で盛り付ける。
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06
二人で味を確認し合い、双方が納得した段階で完成とする。
「クスクス 仔羊の煮込み」の詳しい解説(動画の書き起こし)
※ 動画の内容をトピックごとに整理してまとめています。
妥協を許さない3代目の哲学
1984年創業、東京の中心で100年続く店を目指す日本を代表する伝説のグランメゾン「シェ・イノ」。この厨房を率いる3代目料理長・手島純也の哲学は「妥協の排除」である。手島シェフは修行時代を振り返り、「自分は言われたことを2、3回で器用にこなせるタイプではなかった。しかし、100回、1000回と繰り返してできるようになれば、結果は同じだ」と語る。激しい移り変わりの中で飲食店が生き残る厳しさを知るからこそ、若手に対しても一切の妥協を許さない。今回のYouTube番組「まかな口伝」への出演にあたり、手島シェフは自らチャンスを掴み取るための公募を行い、厨房全体に心地よい緊張感をもたらした。
運命のまかないに挑む二人の若手
公募によって選ばれたのは、対照的な経歴を持つ二人の若手料理人だ。一人は魚担当の江原孝士郎(23歳)。フランス・リヨンの名門「ポール・ボキューズ」での研修を経て入社2年目、シェフのすぐ側が定位置の優秀な若手である。もう一人は盛り付け担当の長崎颯真(19歳)。サービス(接客)を1年間経験した後、厨房に入ってまだ2ヶ月の新人で、シェフから最も離れた盛り付け台の端が定位置だ。手島シェフが二人に課したルールは「2人で協力して作り上げ、味も必ず2人で納得して決めること」。テーマはシェフの哲学と同じ「妥協の排除」である。年齢もキャリアも異なる二人が、一つの鍋を囲んでまかない作りに挑む。
スペシャリテの端肉を使った煮込み
二人が決めたメニューは「クスクス 仔羊の煮込み」。この料理には、シェ・イノの初代シェフが伝説の歌手の名を冠した看板料理(スペシャリテ)「マリアカラス」の調理過程で出た、仔羊の端肉が贅沢に使われる。江原は「フランス留学時代にもまかないでよく登場した、なじみ深い庶民的な料理」としてこれを選んだ。調理が始まると、江原の指示のもとで仔羊 of 肉をフライパンで豪快に炒め、大鍋でトマトベースの煮込みを開始する。しかし、普段とは異なるカメラに囲まれた異様な環境と、手島シェフが目の前で見守るプレッシャーから、19歳の長崎は緊張を隠せず、いつものようなスムーズな動きができなくなっていた。
プレッシャーの中で打った砂糖の禁じ手
煮込みが進む中、長崎は焦りを感じていた。スープの味見を繰り返すうちに「甘みが足りない」と思い詰めた彼は、フランス料理の厨房では通常まかないであっても使われることのない「砂糖」を鍋に投入するという禁じ手に出る。これに対して先輩の江原は「フランス料理で砂糖を入れるなんてあり得ない。甘みは本来、じっくり炒めた野菜から引き出すものだ」と指摘しつつも、長崎の焦りを受け入れ、あえてその判断を尊重した。長崎は「少しでも美味しくしたい」という一心だったが、この砂糖の投入が、後に二人の運命を大きく左右することになる。
料理の命運を分ける塩味へのこだわり
手島シェフは「塩味(えんみ)」について並々ならぬこだわりを持つ。「あらゆる料理において塩加減は最も重要なファクター。極論、料理のカテゴリーや国籍を取り払ってシンプルにしたとき、塩だけで料理は成立する。塩の塩梅だけで美味しいを作れる料理人が一番優秀だ」と語る。手島シェフ自身、若い頃は「塩が強すぎる」と叱られ続けた経験があり、味のコントロールの難しさを誰よりも知っている。煮込みの仕上げ段階に入り、江原と長崎は何度も味見を重ねる。江原は「もうひと塩いきたい」と提案し、長崎も同意して塩を追加する。二人は「これで完成だ」と納得し、自信を持ってまかないを仕上げた。
緊張の審査、そして突きつけられた現実
出来上がったクスクスを、手島シェフ、古賀会長、伊東社長らが実食する。社長は「野菜とお肉の食感が揃っていて一体感がある」と評価したものの、古賀会長からは「クスクスの量が多すぎてバランスが悪い」と厳しい声が上がる。そして手島シェフの評価はさらに冷徹だった。採点は5点満点中「2.5点」。「もう一度食べたいかと言われたら、ほぼゼロに近い」と一蹴した。シェフが怒ったのは味そのものだけでなく、二人の「妥協の姿勢」だった。「長崎は江原の助手としてここにいるわけではない。なぜ自分の意見をぶつけず、江原に遠慮して従ったのか。2人でやる意味が全くなかった」と、若手の甘えを厳しく見抜いた。
料理人ではなく後輩になっていた自分
厳しい叱責を受けた長崎は、涙を流しながら自らの姿勢を深く悔やんだ。「あの瞬間、自分は料理人ではなく、ただの『後輩』になってしまっていた。先輩の江原さんに遠慮して、自分の意見を強く言えなかった」と語る。江原もまた、「このわずかな味の差、そして妥協を許さない姿勢の差こそが、プロとしての圧倒的な実力の差なのだと痛感した」と静かに語った。手島シェフは「この悔しい経験こそが、彼らにとって何よりの財産になる」と、厳しい言葉の裏にある親心を見せる。伝説のグランメゾンの厨房で、若き二人は自らの未熟さと向き合い、妥協なき料理人への道を再び歩み始める。
まかない伝 Chef's Orderについて
まかない伝 Chef's Order
登録者 2.9万人 ・ ドキュメンタリー/まかない料理
「まかない伝 Chef's Order」は、超一流の厨房を舞台に、若者たちがシェフにまかない料理で挑む様子を追うドキュメンタリーチャンネルです。挑戦と成長をテーマに、料理を通じて「人」としての在り方を問うコンテンツを発信しています。東京ビデオセンターが製作・著作を担い、プロデューサー佐藤成幸氏、総合演出合津貴雄氏が手がけています。
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