Recipe
#1375【シェフのちょい語り】皆さんがおすすめのスペシャリテはありますか?〜質問コーナー〜|Chef Kiyomi MIKUNI
「スペシャリテについての解説と料理哲学」とは
この動画は料理の質問コーナーで、スペシャリテ(看板メニュー)をどう生み出すかについて三國シェフが解説しています。最も大切なことは「スペシャリテは自分で決めるものではなく、お客さまが決めるもの」という考え方です。10年以上の歴史と繰り返されるリクエストが料理を真のスペシャリテへと昇華させるとともに、これは家庭でも同じであり、家族から「また作って」とリクエストされる料理こそが家庭の立派なスペシャリテになることを語ります。
「スペシャリテについての解説と料理哲学」を美味しく作るコツ
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スペシャリテの本質
- スペシャリテは料理人が意図して作り出すのではなく、お客さまからの圧倒的な支持とリクエストの積み重ねによって自然と決まっていくもの
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必要な期間
- 真のスペシャリテになるには、お店を10年ほど続けてお客さまからのアンコールが絶えない状態が目安となる
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家庭での応用
- 家族から何度もリクエストされる料理こそが家庭における立派なスペシャリテ
- さらに美味しくするために工夫と改善を重ねることで磨かれていく
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料理への命名
- お気に入りの料理に顧客や家族の名前を冠することで、料理はさらに楽しく特別なものになる(例:グラタン・ア・ラ・キヨミ)
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具体例
- 四ツ谷の「オテル・ドゥ・ミクニ」で37年間提供していたキッシュは、多くのお客さまからのリクエストで代表的なスペシャリテになった
「スペシャリテについての解説と料理哲学」の詳しい解説
※ 動画の内容をトピックごとに整理してまとめています。
スペシャリテをどう生み出すかという問い
今回は視聴者からの「自分のスペシャリテを作ることが夢ですが、生み出すうえで大切なことは何でしょうか」という質問に三國シェフが答えます。料理人にとって永遠のテーマとも言えるこの問いに対し、シェフ自身もよく「三國さんのスペシャリテは何ですか」と聞かれるそうです。その際、シェフは「全部です」と答えるそうですが、それでは質問の答えにならないため、プロの料理人として、また50年以上のキャリアを持つ立場から、スペシャリテの本質について語り始めます。一般的にスペシャリテとは、そのお店の看板メニューや自慢の得意料理を指し、ハンバーグやシチュー、カレーなど、お客さまが「あのお店のこれが美味しい」と認める特別な一品のことです。
スペシャリテはお客さまが決めるもの
三國シェフが考える最も大切なことは、「スペシャリテは自分で決めるものではない」ということです。料理人がいくら「良い材料を使って素晴らしい料理を作った」と主張しても、それだけではスペシャリテにはなりません。長くお店を続けていく中で、お客さまから「あのフォアグラがまた食べたい」「あのハンバーグの味が忘れられない」と、圧倒的な支持とリクエストをいただくことで、自然と決まっていくものなのです。つまり、お客さまが何度も足を運び、繰り返し注文してくれるその情熱こそが、料理をスペシャリテへと昇華させます。目安としては、お店を10年ほど続けて、お客さまからのアンコールが絶えない料理が、真のスペシャリテになっていくと語ります。
四ツ谷での37年とキッシュの思い出
東京・四ツ谷の「オテル・ドゥ・ミクニ」を37年間営業してきた中で、三國シェフにとってのスペシャリテとなったのが、コースの最初に出していたキッシュでした。多くのお客さまから「あのキッシュの味が忘れられない」という声を本当にたくさんいただいたことで、この料理がお店を代表するスペシャリテとして定着していきました。現在、ホテルニューオータニ内にある「コティディアン」などでも、このキッシュは大切な一品として提供されています。このように、料理人が意図して作り出すのではなく、お客さまの「また食べたい」という強い想いと歴史が積み重なることで、唯一無二のスペシャリテが誕生するのです。
家庭で生まれるスペシャリテの磨き方
この考え方はプロの料理人に限らず、一般の家庭でも全く同じだと三國シェフは言います。最近では、シェフのYouTube動画を見て料理を作り、家族から大好評を得ているという嬉しい報告がたくさん届くそうです。家族から「またあれ作って!」「パパ、ママ、またあの料理が食べたい」と何度もリクエストされる料理があれば、それこそがその家庭における立派なスペシャリテです。そうして何度も作ってほしいと言われたら、今度はその料理をさらに美味しくするために、あれこれ工夫を凝して「磨いていく」ことが大切です。何度も繰り返し作り、家族の笑顔を引き出すプロセスそのものが、家庭の味を特別なものにしていきます。
伝説の料理マリア・カラスのエピソード
フランス料理の歴史において、最も有名なスペシャリテの一つが「マリア・カラス」です。約100年前、パリの名店「マキシム・ド・パリ」のシェフが、伝説の歌姫マリア・カラスが来店した際に考案した料理です。彼女が大好物だった仔羊を、贅沢なフォアグラやトリュフとともにパイ生地で包んで焼き上げた一品で、彼女がこれを大絶賛したことからその名が付けられました。日本では「シェ・イノ」の井上旭シェフの得意料理として知られています。三國シェフもたまにこの料理を作ることがあり、かつて井上シェフを招いて食べてもらったところ、感想は「ノーコメント」だったという、料理人同士のユーモラスなエピソードも明かされました。
ハインリ・ゾーンと賀茂茄子の出会い
フランス料理では、お気に入りの料理に顧客の名前を冠することがよくあります。三國シェフのお店でも、ドイツ人の常連客であるハインリ・ゾーンさんの名前をつけた「ハインリ・ゾーン」というスペシャリテがありました。これは、京都の老舗「瓢亭」で賀茂茄子の美味しさに感動したゾーンさんのために作った料理です。厚めに切ってソテーした賀茂茄子の上に、香ばしく焼いたフォアグラのステーキをのせ、特製のビネグレットソースをかけた一品です。ゾーンさんはこの料理を大変気に入り、来店するたびに注文されました。ある時、ゾーンさんが「このナスは京都の賀茂茄子でしょう」と言い当て、シェフを大いに驚かせたという思い出深いエピソードです。
名前をつけて料理をもっと楽しく
このように、お客さまや家族の要望に応えて料理を作り、それにその人の名前を冠することで、料理はさらに楽しく、特別なものになります。三國シェフは、最近挑戦した「鳩の北京ダック風」に、タレのレシピを伝授してくれた脇屋友詞シェフへの敬意を込めて「ア・ラ・ワキヤ風」と名付けようとしていることを明かします。家庭でも、例えば娘の「きよみちゃん」が何度もリクエストして大好きなグラタンがあれば、「グラタン・ア・ラ・キヨミ」といった具合に、少しおしゃれで洒落た名前をつけてみることを提案します。リクエストやアンコールが多ければ多いほど、それは素晴らしいスペシャリテになり、食卓を豊かに彩ってくれるのです。
シェフ三國清三について
シェフ三國清三
登録者 55.2万人 ・ フランス料理
シェフ三國清三は、フランス料理の伝統を深く理解した上でそれを日本化する「ジャポニゼ」という独自の料理哲学を掲げるフランス料理人です。自然派料理「キュイジーヌ・ナチュレル」をさらに発展させた「マ・キュイジーヌ・ジャポニゼ」を提唱しています。その功績により、フランス共和国から日本の料理人として初めてレジオン・ドヌール勲章シュヴァリエを授与されています。また、フランソワ・ラブレー大学からは世界で4人の料理人のみに贈られた名誉博士号を取得しており、これらはオテル・ドゥ・ミクニの誇りとされています。
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