#1378【シェフのちょい語り】皆さんがセンスを感じるのは、どんな時ですか?〜質問コーナー〜|Chef Kiyomi MIKUNI

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本動画は料理動画ではなく、三國シェフが視聴者からの質問に答える質問コーナーです。シェフが50年近い料理人経験から、「この子はセンスがあるな」と感じる瞬間について深く語ります。掃除の丁寧さ着地の美学継続の力、他分野からの刺激など、真のセンスは生まれつきではなく、経験と努力で磨かれるものであることを、具体的なエピソードを交えて解説しています。

  • マインドセット
    • 口先だけの決意よりも、黙々と行動で示すことが重要
    • 「一生ついていきます」と宣言する人よりも、言葉を控えて長く続ける人こそが成功する
  • センスの本質
    • オリンピック選手の例から、技術も重要だが、完璧に着地を決める瞬間にこそセンスが光る
    • センスは生まれつきではなく、人との出会いや経験で磨かれる
  • 継続と努力
    • ウサギとカメの法則
    • 要領の良い人は途中で見切ってしまうが、地道に10年、20年、30年と努力を重ねたカメタイプこそが最終的に成功する
  • 具体例
    • 林くんの例:20歳で入社、15年間のコツコツとした修行を積み重ねて料理長に上り詰めた
    • 他者の格好良さを真似することから始まる
  • 他分野からの刺激
    • テノール歌手パヴァロッティの仕草に憧れ、長いナフキンを身につける
    • 美術館や音楽など、料理の世界以外から感覚を磨くことが重要
  • 細部へのこだわり
    • 掃除の丁寧さが最もセンスを判断できる
    • 四角い場所を四角くきっちり拭く、隅々まで手を抜かないという細部へのこだわりが、センスを磨く第一歩

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※ 動画の内容をトピックごとに整理してまとめています。

「一生ついていきます」と言う人ほど残らない?

三國シェフは料理人歴50年近く、オーナーシェフとしては40年近く、数多くの面接を行ってきました。その中で気づいた面白い傾向があります。面接で「一生ここにいます!」「一生ついていきます!」と熱く宣言する人に限って、実際に長く残った試しは一人もいないそうです。逆に、勤続30年や40年といった オテル・ドゥ・ミクニ のベテランスタッフたちは、入社時にそのような言葉を一切口にしなかったと言います。口先だけの決意よりも、黙々と行動で示すことの重要性を、長年の経験から語っています。

オリンピック選手に学ぶセンスと着地の美学

センスとは一体何なのか。三國シェフは冬季オリンピックの競技を例に挙げます。ジャンプやフィギュアスケートで空中をくるくる回る技術も素晴らしいですが、本当にセンスを感じるのは、着地がピタッと決まる瞬間です。プロの選手であっても着地でブレてしまうことが多い中、完璧に決めるのは並大抵の努力と、やはり センス があるからこそ。そして、そのセンスは決して生まれ持ったものだけではなく、人との出会いや経験によって後からいくらでも磨かれていくものだとシェフは考えています。

ウサギとカメ:不器用な人ほど大成する理由

何事も長く続けることが大切ですが、そこには「ウサギとカメ」の法則があります。口が達者で要領の良いウサギタイプの人は、途中で「こんなものか」と見切ってすぐに辞めてしまいがちです。一方で、仕事が遅く、どんくさくて、覚えるのにも時間がかかるカメタイプの人は、コツコツと努力を重ねます。三國シェフ自身も「自分はカメタイプ」と認めつつ、10年、20年、30年と地道に努力を続けた人こそが、最終的に一番てっぺんの シェフ にたどり着くのだと、温かいエールを送ります。

20歳で入社し料理長へ上り詰めた林くん

カメタイプの代表例として、四ツ谷の店舗で三國シェフの アシスタント を務める林くんのエピソードが紹介されます。彼は20歳の時にオテル・ドゥ・ミクニに入社しました。最初はどちらかと言えばどんくさいタイプでしたが、15年間コツコツと修行を積み重ね、最終的には料理長にまで上り詰めました。誰かの影響を受けて「かっこいいな」と感じ、それを真似することから始める。料理人の仕事において、食材を切る、揚げる、炒めるといった一連の動作の「格好(スタイル)」にこだわることも、非常に重要な要素です。

オペラ歌手パヴァロッティから学んだ格好良さ

センスを磨くためには、料理の世界だけに閉じこもらず、美術館で美術に触れたり、音楽を聴いたりして、全く異なる分野から刺激を受けることが大切です。三國シェフ自身、世界的なテノール歌手である ルチアーノ・パヴァロッティ が大好きで、彼が歌う時に白いハンカチを掲げる仕草に憧れました。その影響で、今でもシェフは長いナフキンを身につけて「パヴァロッティだ」という気分で調理場に立っています。自分が「かっこいい」と思う他ジャンルのスタイルを真似し、取り入れることがセンス向上に繋がります。

センスがある子を見抜く「四角い掃除」

三國シェフが「この子はセンスがあるな」と最も感じる瞬間は、実は 掃除 の仕方にあります。料理人の修行は「掃除に始まり掃除に終わる」と言われますが、若いスタッフの掃除後を見に行くと、多くの人が「丸く」掃除をしてしまい、隅にゴミを残しがちです。しかし、中には四角い場所を「四角く」、隅々まで手を抜かずにきっちり拭く子がいます。シェフ自身も15歳から20歳までの5年間、ひたすら掃除を叩き込まれました。角まで綺麗にするという細部へのこだわりこそが、センスを磨く第一歩なのです。

シェフ三國清三

シェフ三國清三

登録者 55.2万人 ・ フランス料理

シェフ三國清三は、フランス料理の伝統を深く理解した上でそれを日本化する「ジャポニゼ」という独自の料理哲学を掲げるフランス料理人です。自然派料理「キュイジーヌ・ナチュレル」をさらに発展させた「マ・キュイジーヌ・ジャポニゼ」を提唱しています。その功績により、フランス共和国から日本の料理人として初めてレジオン・ドヌール勲章シュヴァリエを授与されています。また、フランソワ・ラブレー大学からは世界で4人の料理人のみに贈られた名誉博士号を取得しており、これらはオテル・ドゥ・ミクニの誇りとされています。

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