Recipe
出汁巻き玉子と玉子焼きの違い|砂糖を直接入れない 玉子焼きの味付けの考え方【第2回】
Ingredients
- 卵適量
- 砂糖適量(調味液として事前に溶かす)
- 醤油適量(調味液として事前に溶かす)
- みりん適量(調味液として事前に溶かす)
- 煮切り酒適量(お弁当用の場合、水・出汁の代わりに使用)
- 油適量(事前に5〜8分熱を入れておく)
「玉子焼き」とは
和食料理人歴50年の大将が、玉子焼きを美味しく仕上げるための考え方と技術を解説しています。白身と黄身を混ぜ切らず「むらぐも」に仕上げることで、独特の食感のコントラストを生み出します。砂糖や醤油は卵に直接入れず、事前に溶かし合わせた調味液として使うのがプロの基本です。また、油は生のまま使わず、5〜8分ほど熱を入れて油臭さを抜いてから使用します。お弁当用には水の代わりに煮切り酒を使い、しっかり焼き色をつけることで、冷めても美味しく傷みにくい玉子焼きに仕上がります。
「玉子焼き」を美味しく作るコツ
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混ぜ方
卵は白身と黄身が混ざりきらない「むらぐも」の状態に仕上げる。ホイッパーや箸ではなく、木べら(宮島)や衣棒など、細かく混ざりすぎない道具を使う。
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味付け
砂糖・醤油・みりんを卵に直接入れてはいけない。冷たい卵の中では砂糖が溶けず味にムラが生じるため、事前にこれらをしっかり溶かし合わせた「調味液」を別途作り、それを卵に合わせる。
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油の使い方
生の油はそのまま使わず、焦げない程度の温度で5〜8分ほど熱を入れた「焼きを入れた油」を使用する。油臭さが抜け、卵本来の風味が引き立つ。たっぷり使いすぎると味がボケるため注意。
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焼き色
出汁巻き玉子と異なり、玉子焼きは最後に表面へ焦げ目をつけて香りを出す。お弁当用はきつね色にしっかり焼き色をつける。
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お弁当用のコツ
お弁当用には水や出汁の代わりに「煮切ったお酒」を使う。水を使うと傷みやすくなるが、煮切り酒を使うことで傷みにくくなり、冷めても酒の甘みが旨味に変わって美味しく仕上がる。
「玉子焼き」の材料
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「玉子焼き」の作り方・手順
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01
砂糖・醤油・みりんを事前に合わせてよく溶かし、調味液を作っておく。
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02
油をフライパンや玉子焼き器に入れ、焦げない程度の温度で5〜8分ほど加熱して「焼きを入れた油」を準備する。
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03
卵を割り、木べら(宮島)や衣棒を使って白身と黄身が混ざりきらない「むらぐも」の状態になるよう、大きくざっくりと混ぜ合わせる。
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04
準備した調味液を卵に加え、均一になるよう軽く合わせる。
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05
玉子焼き器に焼きを入れた油を薄く引いて熱し、卵液を流し入れて巻き上げる。
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06
仕上げに表面へ軽く焦げ目(香り付け)をつける。お弁当用の場合はきつね色になるようしっかりと焼き色をつける。
「玉子焼き」の詳しい解説(動画の書き起こし)
※ 動画の内容をトピックごとに整理してまとめています。
出汁巻きと玉子焼きの決定的な違い
前回は出汁巻き玉子について詳しく解説しましたが、今回は「玉子焼き」に焦点を当てます。大将によると、玉子焼きは出汁巻きほど出汁は入りませんが、調味料の液体を卵に絡めて焼き上げます。最大の特徴は「むらぐも」に仕上げること。完全に混ぜ合わせるのではなく、白身と黄身が混ざりきらない状態を残すことで、食べた時に白身のプリンとした食感と黄身の濃厚な食感が口の中でばらつきながら絡み合う、独特の美味しさが生まれます。
卵を混ぜる道具と「むらぐも」の秘密
多くの人がホイッパーや箸を使って卵を細かく泡立つほど混ぜてしまいがちですが、大将流の玉子焼きではそれは行いません。むらぐも状の食感を残すために、なんと「宮島(木べら)」や、天ぷらの衣を作る際に使う丸い「衣棒」を使って卵を混ぜ合わせます。普通の箸で混ぜてしまうと細かく混ざりすぎてしまい、白身と黄身の食感のコントラストが失われてしまいます。この混ぜ方のこだわりこそが、口の中で絶妙に絡み合う食感を生み出す秘訣なのです。
砂糖を直接入れない!調味液の考え方
大将が「一番やってはいけない仕事」として挙げたのが、割った卵に直接砂糖や醤油、みりんを放り込んで混ぜることです。冷たい卵の中では砂糖は絶対に溶けません。そのため、味にムラができてしまい、ある部分は甘く、ある部分は塩っぱくなってしまいます。プロの仕事としては、事前に砂糖や醤油、みりんをしっかりと溶かし合わせた「調味液(液体)」を別に作り、それを卵に合わせるのが基本です。これこそが、均一で美味しい玉子焼きを作るための「料理」としての考え方です。
美味しさを左右する「焼きを入れた油」
玉子焼きの風味を最大限に引き出すために、大将が強く主張するのが「生の油は使わない」ということです。油は必ず、焦げない程度の温度で5分から8分ほどしっかりと熱を加え、「焼きを入れた油」を使用します。こうすることで油臭さが抜け、卵の繊細な風味や旨味が引き立ちます。生の油をそのまま使うと、卵が油を吸ってしまい、食べた時に油臭さが口に残って美味しくありません。また、焦げ付きを防ぐために油をたっぷり使いすぎるのも、味がボケる原因になるため禁物です。
焦げ目の役割とお弁当用の味付けのコツ
出汁巻き玉子は出汁の香りを生かすために絶対に焦がしませんが、玉子焼きは最後に表面に焦げ目をつけて「香り付け」をします。特にお弁当に入れる玉子焼きの場合は、冷めることを想定して、きつね色にしっかりと焼き色をつけるのがコツです。さらにお弁当用には、水や出汁の代わりに「煮切ったお酒」を使うことを推奨しています。水を使うと足が早くなって(傷みやすくなって)しまいますが、お酒を使うことで傷みにくくなり、さらに酒の甘みが旨味へと変化して、冷めても美味しい玉子焼きに仕上がります。
寿司屋の玉子焼きと和食の基本
お寿司屋さんで出される玉子焼きには、魚の白身や芝海老、大和芋などを加えてカステラ風に仕上げる独特のものもありますが、今回大将が語ったのは和食の基本としての「玉子焼き」です。白身と黄身の美味しさをそれぞれ活かし、ちょうど良い量の調味液で味を整えて巻き上げる。これが大将の行き着いた最高の玉子焼きの形です。動画の最後には、大将の日常の朝ごはんとして、鰹出汁と煮干しで出汁を引いたうどんに、冷蔵庫にあった厚焼き玉子を浮かべ、手作りの柚子胡椒を添えて楽しむ様子も紹介されました。
大将に聞いてみた!について
大将に聞いてみた!
登録者 2.1万人 ・ 日本料理・和食
1958年福島県生まれ。中学卒業後に日本料理の世界へ入り、日本三大料亭の一つ『金田中』や懐石料理の名店『胡蝶』などで修行を積んだ。33歳で新宿歌舞伎町に割烹をオープンし、その後も蕎麦割烹・焼肉店・すっぽん料理屋など多業態の店舗を展開。調理師専門学校の特別講師や独立開業コンサルティングにも携わり、ミシュランの星シェフを含む数百人の弟子を育てた。現在はこの道50年の経験をもとに、日本料理の知識・技術・業界事情を発信するYouTubeチャンネル『大将に聞いてみた!』を運営している。
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